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93話 転機
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9月?日 ????
私は中国兵に
連れていかれはしたものの
すぐに殺される事はなかった。
目隠しをされて時間の感覚もなく
どこか分からない施設へと
連れていかれ銃を持った中国兵の
立ち会いのもと、左腕の治療を受けた。
もっとも希望的な観測は
出来なかった。
その後に待っていたのは
尋問と拷問だったからだ。
我々は自衛隊の装備をしていた為
何が目的だったのか
徹底的な拷問が行われていた。
もう何日たったか分からない。
日本語は普通の兵士には
分からない為、
立ち会いには
私を捕えた中国軍の高級将校が
立ち会っていた。
男の名は龍 沈峰(ロン・シェンフォン)
というらしい。
だが、何も話さない
私に対して男は私の苦しむ姿を
何かを諦めたように
ただ、座って見ているだけだった。
「俺は期待していたんだ」
個室の天井から
縄に吊り下げられた形で
ロンの話を聞いていた。
「俺を捕らえた兵士であれば
もしかするとすごい情報を
持っているのではないかとな……」
「一人で部隊を引きつけ
命懸けの逃亡劇、
並々ならない
意思を感じていた」
「だが、話を聞けばただ西日本新政府に
危険を感じて家族と共に東に亡命しようと
しただけだという」
「全くもって惨めな話だ。
なぁ?長門」
その話を聞いて私は
思わず笑ってしまった。
コイツらは私を
何だと思っているのだろうか?
「あいにくだが私にそんな価値はないよ。
私はただ家族と共に東に逃げたかった
一人の隊員に過ぎない」
「日本で自衛官をやっていただけの
一人の父親というだけの話だ」
「特別な思想なんて大して持っていない
普通の人間が大事な者を守るために
殺し合うのが戦争だ。」
「それはアナタの国とて変わりないはずだ」
ロンはため息をつくと
「そうかもな……」と一言だけ言った。
「お前達に捕まる前
私はエリートだった。」
「だが、お前達に捕まり捕虜になった事で
私の出世は消え去った」
「今じゃこんな辺境の防衛隊長だ。
お前達に復讐の機会があると知った時
心が躍ったよ」
「だが、捕まえてみれば
部隊はほぼ全滅し、ただ家族思いの
親父だときている」
「俺の人生は何だっただと
虚しくなる」
「勝ったはずなのに、何も残っていない。
それが戦争の戦果というやつだ。」
ロンは私が小物だった事に
ひどく消沈している様だった。
コンコンとノックをする
音がして一人の兵士がロンに
何か書類を渡していた。
中国語で何を言っているか分からないが、
ルー・ホーピンの名が出ていた。
兵士が名を告げた瞬間、ロンの顔色が変わった。
それだけで、その名の重さが分かった。
兵士が私を指さし、何かを言っていた。
兵士は会話を終えると
部屋から出ていった。
「長門、どうやら貴様は
私に隠し事をしていたらしいな」
「ルー閣下が貴様と
直接お会いになられるそうだ」
ロンが心無し誇らしげに
そういった。
ルー・ホーピン。
それは日本に駐屯している
中国軍の総司令官だ。
我々自衛官を苦しめ
駐屯地で虐殺を行った老人である。
それが何故私に会いに…!?
状況は私の預かり知らぬ所で
着実に動いているのを感じていた。
私は中国兵に
連れていかれはしたものの
すぐに殺される事はなかった。
目隠しをされて時間の感覚もなく
どこか分からない施設へと
連れていかれ銃を持った中国兵の
立ち会いのもと、左腕の治療を受けた。
もっとも希望的な観測は
出来なかった。
その後に待っていたのは
尋問と拷問だったからだ。
我々は自衛隊の装備をしていた為
何が目的だったのか
徹底的な拷問が行われていた。
もう何日たったか分からない。
日本語は普通の兵士には
分からない為、
立ち会いには
私を捕えた中国軍の高級将校が
立ち会っていた。
男の名は龍 沈峰(ロン・シェンフォン)
というらしい。
だが、何も話さない
私に対して男は私の苦しむ姿を
何かを諦めたように
ただ、座って見ているだけだった。
「俺は期待していたんだ」
個室の天井から
縄に吊り下げられた形で
ロンの話を聞いていた。
「俺を捕らえた兵士であれば
もしかするとすごい情報を
持っているのではないかとな……」
「一人で部隊を引きつけ
命懸けの逃亡劇、
並々ならない
意思を感じていた」
「だが、話を聞けばただ西日本新政府に
危険を感じて家族と共に東に亡命しようと
しただけだという」
「全くもって惨めな話だ。
なぁ?長門」
その話を聞いて私は
思わず笑ってしまった。
コイツらは私を
何だと思っているのだろうか?
「あいにくだが私にそんな価値はないよ。
私はただ家族と共に東に逃げたかった
一人の隊員に過ぎない」
「日本で自衛官をやっていただけの
一人の父親というだけの話だ」
「特別な思想なんて大して持っていない
普通の人間が大事な者を守るために
殺し合うのが戦争だ。」
「それはアナタの国とて変わりないはずだ」
ロンはため息をつくと
「そうかもな……」と一言だけ言った。
「お前達に捕まる前
私はエリートだった。」
「だが、お前達に捕まり捕虜になった事で
私の出世は消え去った」
「今じゃこんな辺境の防衛隊長だ。
お前達に復讐の機会があると知った時
心が躍ったよ」
「だが、捕まえてみれば
部隊はほぼ全滅し、ただ家族思いの
親父だときている」
「俺の人生は何だっただと
虚しくなる」
「勝ったはずなのに、何も残っていない。
それが戦争の戦果というやつだ。」
ロンは私が小物だった事に
ひどく消沈している様だった。
コンコンとノックをする
音がして一人の兵士がロンに
何か書類を渡していた。
中国語で何を言っているか分からないが、
ルー・ホーピンの名が出ていた。
兵士が名を告げた瞬間、ロンの顔色が変わった。
それだけで、その名の重さが分かった。
兵士が私を指さし、何かを言っていた。
兵士は会話を終えると
部屋から出ていった。
「長門、どうやら貴様は
私に隠し事をしていたらしいな」
「ルー閣下が貴様と
直接お会いになられるそうだ」
ロンが心無し誇らしげに
そういった。
ルー・ホーピン。
それは日本に駐屯している
中国軍の総司令官だ。
我々自衛官を苦しめ
駐屯地で虐殺を行った老人である。
それが何故私に会いに…!?
状況は私の預かり知らぬ所で
着実に動いているのを感じていた。
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