18 / 18
その後
しおりを挟む
その後、《ヘリオス》の外へと飛び出した3人は、街を転々としながら貴族から逃げ回る日々を送ります。
が、それは3人にとっては本当に自由な日々でした。
その後、一行はシューゼが母との思い出で見た”海の見える街”という記憶を頼りに、《アプトン》という港町までたどり着きます。
そこで、シューゼは《アプトン》とは近隣の帝国の侵攻で一度焼かれた港町であること。そして、その子供たちが戦争孤児となって奴隷商人に売られていったり、人攫いに遭ったことを知らされます。
さらに止まった宿屋から見える景色が、形は違えど記憶の中の風景と同じであったことで、自分の出自がこの港町の戦争孤児であったことを悟り、旅を終えることをエリオとポッポに宣言します。
そこから、3人は別々の旅をすることに決めました。
【シューゼのその後】
シューゼは、途中までポッポと各地を巡りながら、戦争孤児を保護して回ります。
まともな職を紹介したり、時には旅の友になったりしながら組織を大きくしていくと、最後は《アプトン》に戻り大きな館を立てます。
その後、館で孤児を育てながらシューゼは余生を過ごすと、最後はたくさんの本に囲まれ、母の思い出と同じ景色の見える窓から流れ込む風に抱かれてその人生に幕を閉ざしました。
シューゼの庇護を受けた孤児たちの多くは、庇護下から外れても戦争反対運動や孤児の保護活動に積極的に関わっており、今でもその思想・信念に大きな影響を与えています。
【エリオのその後】
エリオは海を渡ると、持ち前の目利きで小さな財を成します。
すると、そんなエリオに貴族や様々な利権に絡んだ案件が持ち込まれることでエリオはこの世界が何も変わっていないことを悟り、活動家になります。
その後、政治家になると貴族社会の不完全さを訴え、また女性の権利獲得に向けて世界の舵を大きく切るのでした。
そんなエリオの人生の最期は、シューゼの後でした。
エリオは政治家としての活動を終え、自分の選んだ結婚相手と過ごしながら、しばらくは農業をしつつ小さな市の司書をしていました。
のんびりとした生活を送る、エリオ。しかし、そこにシューゼの死の知らせが届くと、エリオは島をいくつも渡り、シューゼの元へ駆けつけました。
エリオはシューゼの建てた館の者たちに、それが穏やかな死であったことを聞き、さらにシューゼの部屋から見える景色とゆりかご椅子を囲う大量の本棚を目にすると、
「幸せになれたのね」
と、笑って、別れを告げました。
それから家に帰ったエリオは、自分の帰りを待っていた結婚相手をそっと抱きしめ、
「さ、ご飯にしよう。……今日は、リゾットだね」
と言って、自分に残された時間を大切に過ごしたのでした。
【ポッポのその後】
ポッポは、シューゼと旅をしていました。
しかし、ポッポは《ヘリオス》を出て外の世界も見れたことで、目標を失っていました。
シューゼとの旅の道中、ポッポはシューゼの優しさや事件巻き込まれ力から、村や町の人々の困りごとや悩み事を解決していきました。……発明品が、本人の思い通りに行くかは別として。
そうして人の役に立っていくうちに、とある町でポッポは求婚をされます。
すると、ポッポは目的の無かった旅に終わりを告げ、その町に腰を据えることにしました。
それからは、発明家として取った弟子が後に大学教授を務めることになったり、世界初の魔石人形を開発したりと、論文を発表したり商品化して大々的に宣伝したりしないものの、後に”魔化混成学”と呼ばれる魔術と科学を合わせた学問の祖として素晴らしい成果を上げました。
ただ、悲しいことに晩年は行方知らずで、シューゼの死後、いつの間にかその死体の傍らに見覚えのある鈴と兜が置かれていたものの、ポッポの姿を見た者は使用人含め誰1人いませんでした。
こうして、3人は三者三葉の人生を歩み、その人生に幕を閉じました。
彼らの人生が幸せだったのかどうかは、彼らにしか分かりません。
しかし、あの町から飛び出したことで、彼らの功績や活動は後の世代へと脈々と受け継がれていくのでした。
終わり。
が、それは3人にとっては本当に自由な日々でした。
その後、一行はシューゼが母との思い出で見た”海の見える街”という記憶を頼りに、《アプトン》という港町までたどり着きます。
そこで、シューゼは《アプトン》とは近隣の帝国の侵攻で一度焼かれた港町であること。そして、その子供たちが戦争孤児となって奴隷商人に売られていったり、人攫いに遭ったことを知らされます。
さらに止まった宿屋から見える景色が、形は違えど記憶の中の風景と同じであったことで、自分の出自がこの港町の戦争孤児であったことを悟り、旅を終えることをエリオとポッポに宣言します。
そこから、3人は別々の旅をすることに決めました。
【シューゼのその後】
シューゼは、途中までポッポと各地を巡りながら、戦争孤児を保護して回ります。
まともな職を紹介したり、時には旅の友になったりしながら組織を大きくしていくと、最後は《アプトン》に戻り大きな館を立てます。
その後、館で孤児を育てながらシューゼは余生を過ごすと、最後はたくさんの本に囲まれ、母の思い出と同じ景色の見える窓から流れ込む風に抱かれてその人生に幕を閉ざしました。
シューゼの庇護を受けた孤児たちの多くは、庇護下から外れても戦争反対運動や孤児の保護活動に積極的に関わっており、今でもその思想・信念に大きな影響を与えています。
【エリオのその後】
エリオは海を渡ると、持ち前の目利きで小さな財を成します。
すると、そんなエリオに貴族や様々な利権に絡んだ案件が持ち込まれることでエリオはこの世界が何も変わっていないことを悟り、活動家になります。
その後、政治家になると貴族社会の不完全さを訴え、また女性の権利獲得に向けて世界の舵を大きく切るのでした。
そんなエリオの人生の最期は、シューゼの後でした。
エリオは政治家としての活動を終え、自分の選んだ結婚相手と過ごしながら、しばらくは農業をしつつ小さな市の司書をしていました。
のんびりとした生活を送る、エリオ。しかし、そこにシューゼの死の知らせが届くと、エリオは島をいくつも渡り、シューゼの元へ駆けつけました。
エリオはシューゼの建てた館の者たちに、それが穏やかな死であったことを聞き、さらにシューゼの部屋から見える景色とゆりかご椅子を囲う大量の本棚を目にすると、
「幸せになれたのね」
と、笑って、別れを告げました。
それから家に帰ったエリオは、自分の帰りを待っていた結婚相手をそっと抱きしめ、
「さ、ご飯にしよう。……今日は、リゾットだね」
と言って、自分に残された時間を大切に過ごしたのでした。
【ポッポのその後】
ポッポは、シューゼと旅をしていました。
しかし、ポッポは《ヘリオス》を出て外の世界も見れたことで、目標を失っていました。
シューゼとの旅の道中、ポッポはシューゼの優しさや事件巻き込まれ力から、村や町の人々の困りごとや悩み事を解決していきました。……発明品が、本人の思い通りに行くかは別として。
そうして人の役に立っていくうちに、とある町でポッポは求婚をされます。
すると、ポッポは目的の無かった旅に終わりを告げ、その町に腰を据えることにしました。
それからは、発明家として取った弟子が後に大学教授を務めることになったり、世界初の魔石人形を開発したりと、論文を発表したり商品化して大々的に宣伝したりしないものの、後に”魔化混成学”と呼ばれる魔術と科学を合わせた学問の祖として素晴らしい成果を上げました。
ただ、悲しいことに晩年は行方知らずで、シューゼの死後、いつの間にかその死体の傍らに見覚えのある鈴と兜が置かれていたものの、ポッポの姿を見た者は使用人含め誰1人いませんでした。
こうして、3人は三者三葉の人生を歩み、その人生に幕を閉じました。
彼らの人生が幸せだったのかどうかは、彼らにしか分かりません。
しかし、あの町から飛び出したことで、彼らの功績や活動は後の世代へと脈々と受け継がれていくのでした。
終わり。
10
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
もしもゲーム通りになってたら?
クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが
もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら?
全てがゲーム通りに進んだとしたら?
果たしてヒロインは幸せになれるのか
※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。
※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。
※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。
※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
格差や身分といった社会的な問題を盛り込んだスチームパンク作品でありつつ、夢とロマンと厳しさと喜びに満ちた良い冒険譚でした。直接的な敵役だったギルが、自ら選択した騎士という立場にあっては、身分制度に諾々と従うしかない無力な者として描かれた事で、自らの力で何もない未来へ希望だけを胸に羽ばたいていったシューゼたちの雄姿が際立ち、過剰な必罰描写など無くても、十分に腑に落ちる落着だったと感じます。
また、メインストーリー後の後日談も、程良い現実感を残しつつ、きっとそれぞれが納得できる人生を全うしたのだなと思えるエピソードで良かったと思います。
良い物語でした。