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第1章 無人島篇
第3話 上陸
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side:桜井美智瑠
うーん、島まであと少しなんだけど、その少しがなかなか近付かない
私はあんまり泳ぎは得意じゃないけど、ペットボトルを浮き輪の代わりにすれば200~300メートルならギリギリ泳いで行ける?
ただ、あんまり濡れたく無い
今は10月で気温は高いけど海水はけっこう冷たい
泳いだ後に暖をとる手段が無いと、もし低体温になったら命に関わるかもしれない
このまま救命ボートに乗っていても命に関わるんだけど、悩ましいところだ
「よし!ちょっと泳いで船押してみるな」
「え?」
言うが早いか、なっちゃんは服を脱ぎ捨てて下着だけになり海に入ってしまった
なっちゃんの下着がスポブラとボクサーパンツだったから、万が一誰かに見られても、、、
って今はそんな事を心配してる場合と違うねん!
「なっちゃん大丈夫?冷たない?」
「ちょっと冷たいけど行けそうやわ」
なっちゃんがバタ足で船を押してくれるお陰でゆっくりだけど確実に島に近付いて来た
目指すのは今も見えている小さな砂浜だ!
しばらくして無事に砂浜に到着出来た
2人で協力して船が流されないように砂浜に引っ張り上げるのはかなりしんどかったけど
ここが無人島だった場合はまた船が必要になるかもしれない
「なっちゃんお疲れ様、寒くない?」
「平気やけど、とりあえず着替えるわ」
なっちゃんの顔を見ても震えてたり唇が紫色になってたりはしていないから、とりあえず低体温の心配は無さそう
なっちゃんは持って来たリュックからハンドタオルとジャージを取り出して、濡れた身体を拭いてから着替えている
今居る砂浜から島の奥を見ると木が生い茂って森のようになっている、これだとたとえ島に誰かが住んでいても集落のある場所まで
1~2時間歩いてたどり着けば良い方かもしれない
とにかく今直ぐに助からないと分かった以上はやる事は決まっている
飲み水と食料と火の確保だ!
最近はキャンプブームだからなのか、無人島で生活したり
タレントが100均で買えるアイテムだけを使って無人島から脱出するっていうテレビ番組が人気だ
その番組の中で出演者がミッションとして必ずやらなければならないのが
飲み水、食料、火の確保
それと脱出用の船を作る事
私となっちゃんには船はあるから
あとは飲み水を作るにも魚や貝を採って来て食べるにしても火が要る
火を起こす方法は幾つもあるけど、今直ぐに出来そうなのは『弓きり式』や『きりもみ式』という
木の摩擦を利用したやり方だろう
「そう言えば、なっちゃんって夏にソロキャンプ行ったんやんな?火起こしとかせぇへんの?」
「確かに行ったけど、火は専用の道具使ってつけたからなぁ、、、あっ?!
みっちゃん!ペットボトル使えるんとちゃう?虫眼鏡みたいに太陽の光を集めてやるやつ」
「それや!さっそく枝と何か燃えやすそうな物を探してくるわ」
「それやったら松ぼっくりあったら拾っといて、着火材に使えるから」
「オッケー!」
枝を拾いに来たのはいいけど松ぼっくりは
、、、
無いかぁ
しょうがないから枝と落ち葉だけ拾って戻ると
なっちゃんがペットボトルを使って太陽の光を一点に集めようとしている最中だった
「枝と落ち葉拾って来たけど出来そう?」
「うん、今ちょうど太陽の角度もええ感じの時間やと思う、ちょっと落ち葉置いてみて」
「この辺で良い?」
「ええよ、ありがとう」
「・・・・・・・あっ?!煙や!」
落ち葉を置いてから30秒くらいで煙が出たけど、たぶん難しいのはここから先
だって小学生の時に虫眼鏡で黒い紙を散々焦がしたけど火が付いた事は1度も無いから
むしろそんな簡単に火が付いたら火事が起こりまくってるはず。
私の予想通り落ち葉からは煙は出るけど火が付きそうな気配はまったく無し!
それでも私は心の中で「火が付け」と繰り返し祈る
火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け
『ボッ』
「みっちゃん、火が!」
「え?、、、火なんて付いてないやん」
「落ち葉とちゃう、指!みっちゃんの指から火が!」
なっちゃんに言われて自分の指を見る
「わっ?!ホンマに指から火が出てるやん!」
「水!水かけて火消さな(汗)」
『ブシャーーー!』
「きゃっ、冷た!え?水?」
突然の事で一瞬何が起きたか分からなかったけど、なっちゃんの指先からホースで水を撒くみたいに水が出てるやん!
「今度は私の指から水が出たーー(汗)」
「「なっ、なんじゃこりゃーーー!!」」
つづく。
うーん、島まであと少しなんだけど、その少しがなかなか近付かない
私はあんまり泳ぎは得意じゃないけど、ペットボトルを浮き輪の代わりにすれば200~300メートルならギリギリ泳いで行ける?
ただ、あんまり濡れたく無い
今は10月で気温は高いけど海水はけっこう冷たい
泳いだ後に暖をとる手段が無いと、もし低体温になったら命に関わるかもしれない
このまま救命ボートに乗っていても命に関わるんだけど、悩ましいところだ
「よし!ちょっと泳いで船押してみるな」
「え?」
言うが早いか、なっちゃんは服を脱ぎ捨てて下着だけになり海に入ってしまった
なっちゃんの下着がスポブラとボクサーパンツだったから、万が一誰かに見られても、、、
って今はそんな事を心配してる場合と違うねん!
「なっちゃん大丈夫?冷たない?」
「ちょっと冷たいけど行けそうやわ」
なっちゃんがバタ足で船を押してくれるお陰でゆっくりだけど確実に島に近付いて来た
目指すのは今も見えている小さな砂浜だ!
しばらくして無事に砂浜に到着出来た
2人で協力して船が流されないように砂浜に引っ張り上げるのはかなりしんどかったけど
ここが無人島だった場合はまた船が必要になるかもしれない
「なっちゃんお疲れ様、寒くない?」
「平気やけど、とりあえず着替えるわ」
なっちゃんの顔を見ても震えてたり唇が紫色になってたりはしていないから、とりあえず低体温の心配は無さそう
なっちゃんは持って来たリュックからハンドタオルとジャージを取り出して、濡れた身体を拭いてから着替えている
今居る砂浜から島の奥を見ると木が生い茂って森のようになっている、これだとたとえ島に誰かが住んでいても集落のある場所まで
1~2時間歩いてたどり着けば良い方かもしれない
とにかく今直ぐに助からないと分かった以上はやる事は決まっている
飲み水と食料と火の確保だ!
最近はキャンプブームだからなのか、無人島で生活したり
タレントが100均で買えるアイテムだけを使って無人島から脱出するっていうテレビ番組が人気だ
その番組の中で出演者がミッションとして必ずやらなければならないのが
飲み水、食料、火の確保
それと脱出用の船を作る事
私となっちゃんには船はあるから
あとは飲み水を作るにも魚や貝を採って来て食べるにしても火が要る
火を起こす方法は幾つもあるけど、今直ぐに出来そうなのは『弓きり式』や『きりもみ式』という
木の摩擦を利用したやり方だろう
「そう言えば、なっちゃんって夏にソロキャンプ行ったんやんな?火起こしとかせぇへんの?」
「確かに行ったけど、火は専用の道具使ってつけたからなぁ、、、あっ?!
みっちゃん!ペットボトル使えるんとちゃう?虫眼鏡みたいに太陽の光を集めてやるやつ」
「それや!さっそく枝と何か燃えやすそうな物を探してくるわ」
「それやったら松ぼっくりあったら拾っといて、着火材に使えるから」
「オッケー!」
枝を拾いに来たのはいいけど松ぼっくりは
、、、
無いかぁ
しょうがないから枝と落ち葉だけ拾って戻ると
なっちゃんがペットボトルを使って太陽の光を一点に集めようとしている最中だった
「枝と落ち葉拾って来たけど出来そう?」
「うん、今ちょうど太陽の角度もええ感じの時間やと思う、ちょっと落ち葉置いてみて」
「この辺で良い?」
「ええよ、ありがとう」
「・・・・・・・あっ?!煙や!」
落ち葉を置いてから30秒くらいで煙が出たけど、たぶん難しいのはここから先
だって小学生の時に虫眼鏡で黒い紙を散々焦がしたけど火が付いた事は1度も無いから
むしろそんな簡単に火が付いたら火事が起こりまくってるはず。
私の予想通り落ち葉からは煙は出るけど火が付きそうな気配はまったく無し!
それでも私は心の中で「火が付け」と繰り返し祈る
火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け、火が付け
『ボッ』
「みっちゃん、火が!」
「え?、、、火なんて付いてないやん」
「落ち葉とちゃう、指!みっちゃんの指から火が!」
なっちゃんに言われて自分の指を見る
「わっ?!ホンマに指から火が出てるやん!」
「水!水かけて火消さな(汗)」
『ブシャーーー!』
「きゃっ、冷た!え?水?」
突然の事で一瞬何が起きたか分からなかったけど、なっちゃんの指先からホースで水を撒くみたいに水が出てるやん!
「今度は私の指から水が出たーー(汗)」
「「なっ、なんじゃこりゃーーー!!」」
つづく。
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