【完結】異世界に来たっぽいんだけど、好きな人と一緒に居れるなら問題ありません。(加筆版)

永倉伊織

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第1章 無人島篇

第23話 情報収集

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side:桜井美智瑠



「それで、お嬢さん方はどんな話をご所望なんだい?」

「そうやなぁ、仲間はおらんの?」


あっ?!

なっちゃんしゃべり方が!

まあ良いか(笑)


「仲間は3人居るぞ、向こう側に砂浜があってそこに拠点を作ってるんだ」

「この島に来た目的は?」

「お嬢さん方は知らずに来たのか?まあいいんだけど、ここにはダンジョンがあるって聞いて、いわゆる一獲千金狙いだよ(笑)」

「へぇー、キャラベル船で?」


おおっ!

なっちゃんのしゃべり方は素に戻ったけど、キャラベル船とかよく知ってるなぁ


「いや、そんな良い船には乗れなくて手漕ぎボートだよ」

「わざわざ大金を出して食べ物を買わなくても、ボートでさっさと戻ったら良いと思うんやけど」

「実は仲間が怪我をしたんだ、命に関わる事は無いが島の近くの海流は早くてな、全員でボートを漕がないと抜けられないんだ

だから怪我の回復を待っていたら食料が尽きたってわけさ」

「じゃあ『地球』もしくは『日本』って知ってる?」

「いや、どちらも初耳だ。何か調べてるのならホワイトロックに行く事をお勧めするよ」

「ホワイトロック?」

「王都だよ、その反応だとやっぱりお嬢さん方はこの国の人じゃ無いんだな?」

「あ゛っ!」


なっ、なっちゃーん、そんなに分かりやすく動揺したらあかんって(汗)


「あははは、やっぱりか♪心配しなくてもこれ以上詮索はしないよ、食べ物を売ってくれた恩があるからな。

正直に言うと最初からお嬢さん方を探してたんだよ、数日前に森で後ろ姿を見かけてさ

その時は特に興味は無かったけど食料が尽きた時に思い出したんだ、冒険者に見えないお嬢さん方なら食料に余裕があるんじゃないかって」


まさか見られてたとは思わなかったなぁ、でも数日前なら誰かに早く見付けて欲しいって考えながら歩いてたからしょうがないけど


「あのっ、私からも質問良いですか?」

「勿論何でも聞いてくれ」

「以前にもこの島に冒険者に見えない人が居たかどうか知ってますか?」

「冒険者に見えない人?そうだなぁ、金持ちの商人や貴族ならメイドを連れて来る奴も居るけど、それ以外だと奴隷だな」

「そうですか」


うーん、知りたかった事とは微妙に違うんだけど気軽に来れるような場所じゃないから

私達より先にここに連れて来られて日記を書いた人の事は知らないか、そもそも『若い女性』って事以外の情報は無いしなぁ


「みっちゃんはもう聞きたい事無い?」

「うん、大丈夫」


「色々聞けて助かったわ」

「そうか?たいした話はしてないけど少しでも役にたったのなら良い」

「食べ物はここに置いてくから、わたし達の姿が見えなくなってから取りに来て」

「なんなら後ろを向いて100まで数えようか?」

「それ良いね♪じゃあ行くわ、元気でなぁ」

「ああ、改めて沢山の食べ物をありがとう。お嬢さん方も元気で、、、いーち、にーい、さーん、よーん、、、」


ふふっ、鎧の男性はさっそく後ろを向いて数を数えだした、つくづくこの人が良い人で良かった


「そしたら行こうか」

「うん!」










「はぁ~、帰って来た~♪さすがに緊張して疲れたわ」


なっちゃんは帰ってくるなりリビングに寝転んでゴロゴロしている(笑)


「あの人が良い人で良かったけど、食べ物目当てで襲われる可能性はあったんやね」

「せやねぇ、でもここが島って確定したし手漕ぎボートで行ける距離に陸があるのも分かったやん」

「島を出るなら大きな船で来た人を探して乗せて貰うっていう選択肢は出来たね、代金として食べ物を渡せば行けそうやけど」

「まあそれは最終手段かなぁ、金持ちに声かけたら捕まって奴隷として売られる未来しか見えへんもん」

「それはあるかも(汗)」

『ぐぅ~』

「みっちゃ~ん、お腹すいたぁ~(泣)」

「はいはい、今日はガッツリとカツ丼にしよか?」

「やったぁー!みっちゃん大好き~♪」

「ご飯作るから好きなん?」

「それも含めて全部好きに決まってるやんかぁ~」

「ふふっ、ありがとう♪」

「えへへ♪」





つづく。

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