【完結】異世界に来たっぽいんだけど、好きな人と一緒に居れるなら問題ありません。(加筆版)

永倉伊織

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第2章 商い篇

第22話 酒場とお湯

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side:桜井美智瑠



「あぁ~、疲れたぁ」

「なんだかんだで色々あったもんね(笑)」


色々あったと言うか個性的な人が多過ぎて疲れたと言うか、そもそもドワーフは他種族だからなぁ

でも待てよ、ドワーフが居るならエルフや獣人も居るって事だよね?

もふもふの犬耳獣人さんが居たら是非ともお店のマスコットキャラとして働いて欲しい!

報酬はやっぱり骨付き肉が良いかな♪



『ガチャッ』

「ナホさん、ミチルさん、居るー?」


お店のドアが開いて声をかけて来たのは先程帰ったはずのベアトリスさんだった


「ベアトリスさんお帰りなさ~い、何か忘れ物ですか?」

「忘れ物じゃないんだけど、お店を見えなくするのを少し待って欲しくて」

「構いませんけど何かあるんですか?」

「お店の裏でロベルトさんとビール飲む事になったんだけど、さっき貰った『ダガシ』を他の人達に見付かりたくなくてね(照)」

「「あぁ~(笑)」」


駄菓子のパッケージってカラフルで派手だから、他の人に見られたら騒ぎになりそうだよねぇ(笑)


「それで思い付いたんだけど、お店の裏に酒場作るってどうかな?」

「えっと、私もなっちゃんも酒場に行った事が無いので、、、」

「そこは心配しないで大丈夫!酒場って言っても飲食スペースだけ作って利用料金を取るだけにしたら、2人の負担も少ないと思うんだ」

「そのやり方なら出来そうです。」


慣れて来たら料理の提供はしようと考えてたからちょうど良いかもしれない

ビールに合う料理といったら『餃子』『唐揚げ』『フライドポテト』のイメージがあるけど

どれも冷凍食品で色んな種類が売られてるし、冷凍食品なら私もなっちゃんも問題無く調理が出来る

お酒好きなドワーフさん達ならほぼ毎日来てくれるだろうから、新たな収入源としては最高やん♪



「もう1つ提案なんだけど、体を洗う為のお湯を売ってくれると嬉しいな。勿論魔道具の魔力に余裕がある分だけで良いんだけど、どうかな?」


うーむ、これは少し困った

お湯を沸かすのにどれくらいのmpを使うんだろう?

お風呂に入ると5mpくらい使っていたような気もするけど、mpの回復も早いから正確な所はよく分かってない


「なっちゃんどうする?」

「ベアトリスさんとりあえず1日10人くらいで様子見させて下さい。それで余裕があれば増やして行こうかなと思うんですけど」

「ありがとう♪夕方にダンジョンから戻って来るポーターは毎日7~8人だから、その人達が体を洗えればとりあえず大丈夫!」

「料金はどうします?タライ1杯のお湯で銀貨1枚は高い、、、ですか?」


お湯の値段がまったく分からないから、なんとなく勘で言ってみたんだけど


「無理を承知でもう少し安くして貰えないかな?」

「じゃあ銅貨1枚で」

「ええっ?!いくらなんでも安くし過ぎだよ!」

「実はお湯の値段がよく分かってなくて(笑)」


「魔道具でお湯を沸かしてるなら、ナホさんとミチルさんにとっては無料みたいな感覚かもしれないけどさぁ。銅貨1枚じゃ流石に赤字、、、って訳でも無いのかな?」

「魔力さえあれば実質無料なのは間違い無いですから♪」

「本来ならお湯はもっと高値で売る物なんだけど、ナホさんとミチルさんだからなぁ」


むむむっ

ベアトリスさんにあきれられているのは何故だろう?


「えーっと、お湯は銅貨1枚で販売するって事で良いですか?」

「2人がそれで良いならね。代わりと言っちゃなんだけど、お金のやり取りや掃除はギルドで責任持ってやるから!あとウチのギルドは人数だけは多いから、遠慮せずお店の雑用に人を使ってくれて良いよ♪」

「その時はよろしくお願いしますね♪」

『ガシッ!』


私達3人は、この日2度目の固い握手を交わしたのだった。





つづく。

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