【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~

永倉伊織

文字の大きさ
540 / 661
第11章 家族の幸せの為に

閑話 母と娘

side:アルテミス


えーっと、お母様は何処に、、、居た!

ズビッ、、、ブゥーー!、、ブゥー!

シンさんの屋台から出て行ってしまったお母様を追いかけて中庭に来てみると、お母様は庭の隅でハンカチを手に、、、

豪快に鼻をかんでますね

うーん

仕方無いとはいえこの状況はとても話しかけ難い

だけどこのまま屋台に戻る訳にもいかないし、どうしよう(汗)


「あら?アルテミスじゃない、夜風にあたりに来たの?」

「ええ、まぁ、そのような感じです。お母様は大丈夫ですか?」

「勿論大丈夫よ。嬉しい気持ちがすこーしだけ外に漏れ出ちゃっただけだから。話づらいからもう少しこっちに来なさいよ」

「はい」

「アールーテーミースゥ~♪」

ガシッ!

ひいっ?!

おっ、おおおお母様が、、、お母様が私の手を掴んで笑顔になってるぅーー!!


「あの、お母様、そんなにガッチリ手を掴まれると痛いんですけど(汗)」

「ふふふっ、大丈夫よアルテミス、怪我なんてシンさんに、、、いえ、貴女の旦那様がなんとかしてくれるわよ♪」


確かにシンさんは創造神様と仲良く会話をするようなとんでもない人だから、大抵の事はなんとかしてくれるだろうけど、出来れば怪我はしないように加減をして欲しい。

でも懐かしいなぁ

まだ私が幼かった頃、ルナ叔母さんとステファニー様が、我が家に遊びに来た時に、ステファニー様がお腹が空いたと言い出したから

ルナ叔母さん、ステファニー様、私の3人で厨房に摘まみ食いに行ったのよね

まぁ直ぐにグロリアさんに見付かって追いかけ回されたんだけど

でもその後で

お母様から無言で笑顔を向けられるというお仕置きを受けて、ステファニー様とルナ叔母さんは泣き出しちゃうし

私も背筋が凍り付いてまったく動けなくなった、、、ブルッ!

いっ、今思い出しても背筋が寒くなって来た(汗)


「それで、アルテミスはいつからあんな凄い魔法を使えるようになったのかしら?」

「えっと、初めてシンさんと会って一緒にお酒を飲んだ時ですね。話の流れで私の魔法をシンさんに見せる事になって、そしたら直ぐに魔法の使い方が間違っている事に気付いたんです。」

「まぁシンさんだからねぇ(笑)でも、そんなに早くに魔法の才能があると分かっていたのなら、私にも教えなさい!」

「ごめんなさい。お父様の魔法に比べると威力も精度も全然だったから。シンさんは魔法の性質が違うから比べる意味は無いと言ってくれたんですけど、池の水を凍らせるくらいの威力になるまでは内緒にしておきたくて」


ぎゅぅぅ!

あれ?

顔が柔らかい感触の何かに覆われたと思ったら、急に目の前が暗くなって、、、綺麗な花畑が見えるぅー♪

あぁ~、でも何故か意識も遠くなってるような、、、


「ぷはぁっ!、、、はぁ、、はぁ、、、」

「はい、お帰りなさいアルテミス♪」

「え?、、、あっ、はい、ただいま、、、?」

「ふふっ、まったく馬鹿な子ね。でもそんなふうに考えてしまうくらいのプレッシャーを与えた大馬鹿なお母さんを許してちょうだい」

「私はお母さんとお父さんのどちらからも何もされて無いから、許すとかは出来ないんだけど」

「そうだとしても、もっと違うやり方はあったはず。シンさんと出会って気付かされる事が本当に多かったわ」

「ふふっ、私の旦那様は神様と楽しげにお話出来る凄い方なんですよ。お母様では太刀打ち出来ません♪」

「十二家が協力しても無理でしょうね。でも本当にシンさんと結婚して良いの?最初の結婚と違って、今度はアルテミスの意志で選べるのよ」

「私はシンさんが良いです。私の意志で選べると言うのなら、他の人は絶対に選びません!」

「あらあら、頑固な所は私に似てしまったのかしら?苦労するわよ」

「シンさんと一緒なら凄く楽しそうだから大丈夫です。ちなみに、結婚したら私の1番はシンさんになります。
シンさんの利益を損ねるような事は、たとえお母様であっても許しませんからね」

「望むところね!私の1番はピスケス領に住まう全ての領民の幸せ、その為には娘の旦那であろうと容赦無く利用するんだから!」

「ぷっ」

「ふふっ」

「「あはははははは♪」」



「ウィーンの老舗洋菓子店の『ザッハトルテ』どうぞ!」

「「「やったぁー♪」」」


「あら?屋台から随分楽しそうな声が聞こえるわね」

「シンさんの声で『ザッハトルテ』と聞こえましたけど、お母様はザッハトルテが何か知ってますか?」

「全然分からないわね」

「ええっ?!」

「シンさんが出す物の1つや2つで驚いてたら体が保たないわよ。
まぁ屋台に残っている3人が喜ぶ物と言えば甘味でしょうけどね。こうしちゃ居られないわ、戻るわよアルテミス!」


ふふっ

走って屋台に戻るお母様は楽しそうだなぁ

あっ!

ザッハトルテがどのような甘味か分からないけれど、屋台に残っている3人とお母様であれば、一瞬で完食してしまうのでは、、、


「ちょっ、ちょっと待って下さいお母様ぁー、私もザッハトルテを食べますからねぇー!」


あなたにおすすめの小説

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 日曜日以外、1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします! 2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております! こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!! 2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?! なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!! こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。 どうしよう、欲が出て来た? …ショートショートとか書いてみようかな? 2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?! 欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい… 2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?! どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう… 2026年2月12日 お気に入り登録800人達成?!! なんということでしょう!ユーディリア達が愛されてる…!!!

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?