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第4話 出会い
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side:フィオナ
「フィオナ様、お待ちしておりました。わたくしメイド長のポーラと申します。」
「ポーラさん、今日からお世話になるフィオナです。よろしくお願い致します。」
フィオナを出迎えたのは大柄な壮年の女性で、身長が160センチのフィオナが見上げなければいけないくらいの身長差がある。
「さっそく旦那様の御部屋まで案内します。」
メイド長のポーラに促されるまま、フィオナはブルーム公爵家の屋敷に足を踏み入れた。
屋敷内は外観同様に小ぢんまりとして地味な造りであったが、これまで見栄を張る為だけに無駄に広い屋敷に住んでいたフィオナとしては、前世の記憶も手伝ってとても住みやすく感じられた。
ポーラに案内されて部屋の前までやって来た。ドアが開け放たれていたのでフィオナはそのまま部屋の中に入る。
「お久し振りですルーファウス様。ヘンリー・フォルティエス公爵の二女フィオナです。本日からよろしくお願い致します。」
「・・・」
ルーファウス様は手に持って読んでいた書類から目を離し、ほんの一瞬私の方を見てまた書類に視線を戻した。
どうやら仕事中にお邪魔してしまったらしい。
ルーファウス様とは初対面という訳では無いけれど、挨拶程度しかした事が無い為どのように声をかけて良いのかが分からない。
「貴女は立って居るのが好きなのか?」
「お目汚しをしてしまい、申し訳ございません。」
「いや、、、そういう意味では無いんだが」
そう言ってこちらを見た私の旦那様になる御方、ルーファウス・ブルーム様は困ったような呆れたような表情をしていた。
少なくとも私に対して怒っては、、、無いよね?
助けを求めるように部屋の隅で控えているポーラさんを見ると、、、なんだか凄く嬉しそうにしているのは何故なんだろう?
ただ、ポーラさんに私を助ける気は無いらしく、微笑んだままその場から動く気配が無い。
うーん、困った。
でもこのままって訳には行かないし
「あの、ルーファウス様、部屋の隅に置いてある椅子を使わせて頂いて宜しいでしょうか?」
「構わない。」
さてと、椅子に座るのは良いけれどこのまはま部屋の隅に座るのは駄目よね、となると部屋の何処に椅子を持って行くかが問題ね
ルーファウス様の正面は流石に目障りよね?
となると少しずらしてルーファウス様の右斜め前、普通の声量で話が出来る距離にしよう!
「よいしょっと、失礼致します。」
「っ?!」
ん?
私が部屋の隅に置いてある椅子を持って来て座ると、ルーファウス様は何故だか驚いた表情をしている。
「貴女は自分で椅子を運ぶんだな」
あ゛っ!
これはやってしまったかもしれない(汗)
自分で椅子を運んで来て座るなんて、淑女としてはしたない行為と思われたよね?
「もっ、申し訳ございません。この程度の事で誰かの手を借りるなど思い付きもしませんでした。」
「いや、気にしないでくれ。ただ珍しいなと思っただけだから」
うーん
怒っては無いだろうけど、あきれられたかな?
ルーファウス様は驚いた時に一瞬表情が変わった以外は、ずっとポーカーフェイスで感情が読み取り難いなぁ。
相変わらずポーラさんは微笑ましくこちらを見ているだけだし
「えっと、お仕事の邪魔をしてもいけませんし、荷物の整理もありますからいったん失礼させて頂きますね」
「旅の疲れもあるだろう、夕食までゆっくりすると良い。ポーラ、後は頼んだ。」
「かしこまりました。」
「では失礼致します。」
そのまま部屋を出ると、私が使う部屋までポーラさんに案内してもらう。
「あの、ポーラさん、ルーファウス様は私を見て、変な女が来たと思われたでしょうか?」
「坊っちゃんは、、、いえ、御主人様はとても楽しそうにしてらっしゃいましたから、御心配は無用かと。
ふふっ、御主人様の事は生まれた時から知っているので、今でもつい『坊っちゃん』と呼んで怒られているんですよ」
へぇー
あれで楽しそうにしていたのか。
でも『坊っちゃん』と呼ばれて怒るルーファウス様の顔を想像すると、ちょっと可愛いかもしれない(笑)
つづく。
「フィオナ様、お待ちしておりました。わたくしメイド長のポーラと申します。」
「ポーラさん、今日からお世話になるフィオナです。よろしくお願い致します。」
フィオナを出迎えたのは大柄な壮年の女性で、身長が160センチのフィオナが見上げなければいけないくらいの身長差がある。
「さっそく旦那様の御部屋まで案内します。」
メイド長のポーラに促されるまま、フィオナはブルーム公爵家の屋敷に足を踏み入れた。
屋敷内は外観同様に小ぢんまりとして地味な造りであったが、これまで見栄を張る為だけに無駄に広い屋敷に住んでいたフィオナとしては、前世の記憶も手伝ってとても住みやすく感じられた。
ポーラに案内されて部屋の前までやって来た。ドアが開け放たれていたのでフィオナはそのまま部屋の中に入る。
「お久し振りですルーファウス様。ヘンリー・フォルティエス公爵の二女フィオナです。本日からよろしくお願い致します。」
「・・・」
ルーファウス様は手に持って読んでいた書類から目を離し、ほんの一瞬私の方を見てまた書類に視線を戻した。
どうやら仕事中にお邪魔してしまったらしい。
ルーファウス様とは初対面という訳では無いけれど、挨拶程度しかした事が無い為どのように声をかけて良いのかが分からない。
「貴女は立って居るのが好きなのか?」
「お目汚しをしてしまい、申し訳ございません。」
「いや、、、そういう意味では無いんだが」
そう言ってこちらを見た私の旦那様になる御方、ルーファウス・ブルーム様は困ったような呆れたような表情をしていた。
少なくとも私に対して怒っては、、、無いよね?
助けを求めるように部屋の隅で控えているポーラさんを見ると、、、なんだか凄く嬉しそうにしているのは何故なんだろう?
ただ、ポーラさんに私を助ける気は無いらしく、微笑んだままその場から動く気配が無い。
うーん、困った。
でもこのままって訳には行かないし
「あの、ルーファウス様、部屋の隅に置いてある椅子を使わせて頂いて宜しいでしょうか?」
「構わない。」
さてと、椅子に座るのは良いけれどこのまはま部屋の隅に座るのは駄目よね、となると部屋の何処に椅子を持って行くかが問題ね
ルーファウス様の正面は流石に目障りよね?
となると少しずらしてルーファウス様の右斜め前、普通の声量で話が出来る距離にしよう!
「よいしょっと、失礼致します。」
「っ?!」
ん?
私が部屋の隅に置いてある椅子を持って来て座ると、ルーファウス様は何故だか驚いた表情をしている。
「貴女は自分で椅子を運ぶんだな」
あ゛っ!
これはやってしまったかもしれない(汗)
自分で椅子を運んで来て座るなんて、淑女としてはしたない行為と思われたよね?
「もっ、申し訳ございません。この程度の事で誰かの手を借りるなど思い付きもしませんでした。」
「いや、気にしないでくれ。ただ珍しいなと思っただけだから」
うーん
怒っては無いだろうけど、あきれられたかな?
ルーファウス様は驚いた時に一瞬表情が変わった以外は、ずっとポーカーフェイスで感情が読み取り難いなぁ。
相変わらずポーラさんは微笑ましくこちらを見ているだけだし
「えっと、お仕事の邪魔をしてもいけませんし、荷物の整理もありますからいったん失礼させて頂きますね」
「旅の疲れもあるだろう、夕食までゆっくりすると良い。ポーラ、後は頼んだ。」
「かしこまりました。」
「では失礼致します。」
そのまま部屋を出ると、私が使う部屋までポーラさんに案内してもらう。
「あの、ポーラさん、ルーファウス様は私を見て、変な女が来たと思われたでしょうか?」
「坊っちゃんは、、、いえ、御主人様はとても楽しそうにしてらっしゃいましたから、御心配は無用かと。
ふふっ、御主人様の事は生まれた時から知っているので、今でもつい『坊っちゃん』と呼んで怒られているんですよ」
へぇー
あれで楽しそうにしていたのか。
でも『坊っちゃん』と呼ばれて怒るルーファウス様の顔を想像すると、ちょっと可愛いかもしれない(笑)
つづく。
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