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第27話 お買い物
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side:フィオナ
チンピラを憲兵に引き渡しに行ったスミスさんも戻って来て、私達はとあるお店に入った。
店内を見回す限り置いてある商品は魔力で動く魔道具っぽい。
残念ながら本物の魔道具を見た事が無いから自信は無いけれど、電気が存在しないこの世界で電化製品のような物があれば、それは魔力で動く魔道具だろう。
「店主、氷を作る物を探しているのだが」
「氷ですね。この辺りにあるのが最新の製氷機です。少々値は張りますが性能には自信がございますよ♪」
どうやらルーファウス様は製氷機を買うつもりらしい。昨夜出したアイスクリームはとても気に入った様子だったからね。
「うむ、フィオナ嬢これでアイスクリームは作れるだろうか?」
店主さんが勧めてくれたのは前世の記憶にあるような、水を入れておくだけで自動で四角い氷を作ってくれる業務用の『製氷機』だった。
ただし『製氷機』なだけあって氷しか作れない物だ。アイスクリームを作るのに氷は必要だけど、そこまで大量の氷は要らない。
「あの店主さん、冷蔵室と冷凍室がある道具はありませんか?」
「製氷で無くても宜しいのですか?」
「水を入れた器を冷凍室に入れておけば、中の水は凍りますよね?」
「ほぉほぉ、お嬢様はよくご存知ですね。製氷機よりは凍らせるのに時間がかかりますが問題無く凍りますよ。」
「ん?フィオナ嬢、製氷機で氷を作るのは駄目なのか?」
私と店主さんのやり取りを見てルーファウス様は疑問に思ったのだろう。
「駄目ではありません。毎日大量の氷が必要なら製氷機はとても便利な道具ですけど、6人分のアイスクリームを作る程度ならオーバースペックなんです。
なので冷蔵室におまけ程度の冷凍室が付いてる物があれば良いんですが」
「という事らしいが、店主どうだ?」
「勿論ございます。貴族の方々であっても、未だに『冷やす』という習慣が根付いていませんから需要は少ないのですけどね。」
という事で店主さんに案内されて倉庫のような場所に移動すると、なんとそこには
冷蔵庫だ、冷蔵庫がある!
冷蔵庫の高さはルーファウス様より少し低いから180センチくらい? 容量は500Lはあるかもしれない。
しかもこの冷蔵庫、観音開きの扉の内側に卵ポケットまであるぅー♪
冷やす習慣が根付いて無いのに卵ポケットの需要は無いと思うんだけど、もしかしたら冷蔵庫を設計した人も私のように『日本』で生活していた記憶のある人なのかもしれない。
「ふふっ、どうやらお嬢様の御要望には応えられたみたいですね。」
テンションが上がって冷蔵庫の隅々までじっくり見ていたら、店主さんに優しい笑顔を向けられてしまった(恥)
「フィオナ嬢、この四角い箱のような道具で良いのか?」
「はい、最高です♪でもこれ程の魔道具であれば値段もそれなりにするのでしょう?」
「お嬢様の仰る通りなのですが、先程も申しましたように『冷やす』という事が根付いていませんから、全く売れていません。高価な物なので購入出来るお客様が限定されているのもありますが
ですので条件次第で無料でお譲りしても良いと考えています。」
「むっ、無料ですか?!」
「せっかくの申し出で悪いが、正規の代金を払って購入させて貰おう。」
「おっと、私とした事が少し焦って説明を省略してしまい不信感を抱かせてしまいましたね、大変申し訳ありませんでした。」
『無料より高い物は無い』って言うのは、国や世界が違っても共通の認識だろうから、ルーファウス様が怪しんで警戒するのも当然だ。
でも店主さんが何を考えていたのかは気になる。
「ルーファウス様、店主の言う条件が何かを聞くだけ聞いてみませんか?」
「聞いたところで代金を払うのは決定だがな。まぁ良い、店主よ何を企んでいたんだ?」
「たいした事ではございません。この魔道具は冷蔵庫と言うのですが全く売れていない事は既に説明した通りです。
そこで、購入された方にはお知り合い等々に実際の使い心地を伝えて頂きたい、という事だけです。」
「え?!それだけなんですか?」
「はい、お嬢様、それだけでございます。それなりの家柄の御方が実際に冷蔵庫を使っていれば、それだけで冷蔵庫の宣伝になりますからね。
冷蔵庫を欲しいという方も現れるでしょう。勿論当店に来られたお客様の事は絶対に漏らす事は無いと、神に誓って御約束します。」
なるほど
携帯電話やネットは勿論、テレビやラジオすら無い世界だと情報の伝達手段は手紙、もしくは人から人への伝言しか無い。
そういう世界で何かの情報を拡散しようとするなら、王族や公爵や侯爵家の人達を利用するのが1番だ。
実際に毎年流行するドレスの色等は、王宮晩餐会で王妃様が着ていたからとか、舞踏会で何処かの御令嬢が着ていたからとかだから
ブルーム公爵家が冷蔵庫を持っていれば、どういう魔道具か気になってお店に見に来る人が増えるのは、子供でも予想出来る簡単な事だ。
その結果、冷蔵庫が1台でも売れれば店主にとって利益にはなるのだろう。
私としても日本では当たり前にあった便利な家電をもっと作って欲しいから、冷蔵庫の代金はキッチリと支払った上で、店主さんの条件は受け入れても良いと思う。
つづく。
チンピラを憲兵に引き渡しに行ったスミスさんも戻って来て、私達はとあるお店に入った。
店内を見回す限り置いてある商品は魔力で動く魔道具っぽい。
残念ながら本物の魔道具を見た事が無いから自信は無いけれど、電気が存在しないこの世界で電化製品のような物があれば、それは魔力で動く魔道具だろう。
「店主、氷を作る物を探しているのだが」
「氷ですね。この辺りにあるのが最新の製氷機です。少々値は張りますが性能には自信がございますよ♪」
どうやらルーファウス様は製氷機を買うつもりらしい。昨夜出したアイスクリームはとても気に入った様子だったからね。
「うむ、フィオナ嬢これでアイスクリームは作れるだろうか?」
店主さんが勧めてくれたのは前世の記憶にあるような、水を入れておくだけで自動で四角い氷を作ってくれる業務用の『製氷機』だった。
ただし『製氷機』なだけあって氷しか作れない物だ。アイスクリームを作るのに氷は必要だけど、そこまで大量の氷は要らない。
「あの店主さん、冷蔵室と冷凍室がある道具はありませんか?」
「製氷で無くても宜しいのですか?」
「水を入れた器を冷凍室に入れておけば、中の水は凍りますよね?」
「ほぉほぉ、お嬢様はよくご存知ですね。製氷機よりは凍らせるのに時間がかかりますが問題無く凍りますよ。」
「ん?フィオナ嬢、製氷機で氷を作るのは駄目なのか?」
私と店主さんのやり取りを見てルーファウス様は疑問に思ったのだろう。
「駄目ではありません。毎日大量の氷が必要なら製氷機はとても便利な道具ですけど、6人分のアイスクリームを作る程度ならオーバースペックなんです。
なので冷蔵室におまけ程度の冷凍室が付いてる物があれば良いんですが」
「という事らしいが、店主どうだ?」
「勿論ございます。貴族の方々であっても、未だに『冷やす』という習慣が根付いていませんから需要は少ないのですけどね。」
という事で店主さんに案内されて倉庫のような場所に移動すると、なんとそこには
冷蔵庫だ、冷蔵庫がある!
冷蔵庫の高さはルーファウス様より少し低いから180センチくらい? 容量は500Lはあるかもしれない。
しかもこの冷蔵庫、観音開きの扉の内側に卵ポケットまであるぅー♪
冷やす習慣が根付いて無いのに卵ポケットの需要は無いと思うんだけど、もしかしたら冷蔵庫を設計した人も私のように『日本』で生活していた記憶のある人なのかもしれない。
「ふふっ、どうやらお嬢様の御要望には応えられたみたいですね。」
テンションが上がって冷蔵庫の隅々までじっくり見ていたら、店主さんに優しい笑顔を向けられてしまった(恥)
「フィオナ嬢、この四角い箱のような道具で良いのか?」
「はい、最高です♪でもこれ程の魔道具であれば値段もそれなりにするのでしょう?」
「お嬢様の仰る通りなのですが、先程も申しましたように『冷やす』という事が根付いていませんから、全く売れていません。高価な物なので購入出来るお客様が限定されているのもありますが
ですので条件次第で無料でお譲りしても良いと考えています。」
「むっ、無料ですか?!」
「せっかくの申し出で悪いが、正規の代金を払って購入させて貰おう。」
「おっと、私とした事が少し焦って説明を省略してしまい不信感を抱かせてしまいましたね、大変申し訳ありませんでした。」
『無料より高い物は無い』って言うのは、国や世界が違っても共通の認識だろうから、ルーファウス様が怪しんで警戒するのも当然だ。
でも店主さんが何を考えていたのかは気になる。
「ルーファウス様、店主の言う条件が何かを聞くだけ聞いてみませんか?」
「聞いたところで代金を払うのは決定だがな。まぁ良い、店主よ何を企んでいたんだ?」
「たいした事ではございません。この魔道具は冷蔵庫と言うのですが全く売れていない事は既に説明した通りです。
そこで、購入された方にはお知り合い等々に実際の使い心地を伝えて頂きたい、という事だけです。」
「え?!それだけなんですか?」
「はい、お嬢様、それだけでございます。それなりの家柄の御方が実際に冷蔵庫を使っていれば、それだけで冷蔵庫の宣伝になりますからね。
冷蔵庫を欲しいという方も現れるでしょう。勿論当店に来られたお客様の事は絶対に漏らす事は無いと、神に誓って御約束します。」
なるほど
携帯電話やネットは勿論、テレビやラジオすら無い世界だと情報の伝達手段は手紙、もしくは人から人への伝言しか無い。
そういう世界で何かの情報を拡散しようとするなら、王族や公爵や侯爵家の人達を利用するのが1番だ。
実際に毎年流行するドレスの色等は、王宮晩餐会で王妃様が着ていたからとか、舞踏会で何処かの御令嬢が着ていたからとかだから
ブルーム公爵家が冷蔵庫を持っていれば、どういう魔道具か気になってお店に見に来る人が増えるのは、子供でも予想出来る簡単な事だ。
その結果、冷蔵庫が1台でも売れれば店主にとって利益にはなるのだろう。
私としても日本では当たり前にあった便利な家電をもっと作って欲しいから、冷蔵庫の代金はキッチリと支払った上で、店主さんの条件は受け入れても良いと思う。
つづく。
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