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第58話 結婚式 その2
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side:フィオナ
私とルーファウス様は教会の後方から祭壇へ向かってゆっくりと歩いて行く。
両家の家族に見守られ、、、てはいないね。
こちらを見ているのはルーファウス様の御両親と姉のモニカ様、ドノバン団長とドミニクさん
そして満面の笑顔のリア様。
私の両親は相変わらず真っ直ぐ前を見つめたまま動かないし、リア様にガッチリと腕を組まれて最前列に座ってるルティーナお姉様に至っては
『結婚式が終わるまで倒れずに頑張って下さい!』と心の中でエールを贈くらいには魂が抜けた状態になっている。
あまりゆっくりしていると両親とルティーナお姉様が心配なので、ほんの少しだけ歩く速度を上げて祭壇へと急ぐ。
「ゴホンッ。えぇー、只今よりルーファウス・ブルームとフィオナ・フォルティエスの婚礼の儀を始める。2人とも手を聖典の上に置いて下さい。」
「「はい」」
神父さんに言われた通り、私とルーファウス様は祭壇に置かれた聖典の上に手を置く。
「なっ?!」
ん?
突然神父さんが何かに驚いたみたいだけど、天井から水でも落ちて来たのだろうか?
教会は天井が高いから、雨漏りしても専門の職人に依頼しなければいけなくて、直ぐに補修出来る訳では無い。
だから雨の日に教会で祈りを捧げる時は、フード付きの服を着てくるのが常識になっている。
「神父殿、大丈夫か?」
「え?、、あっ、はい、、大丈夫なのですが、なにせ初めての経験ですからどうして良いものか、、、」
ルーファウス様が神父さんに声をかけたけど様子がおかしい。少なくとも天井から水が落ちてきたとか、そういう事では無いだろう。
「あの、神父さん、体調が悪いなら遠慮せず仰って下さいね。」
「フィオナ様のお気遣いには感謝致しますが問題ありません。私は御二人に神からの言葉を伝えなければなりません。
覚悟は良いですか?」
神の言葉を代弁して私とルーファウス様に祝福の言葉を言うのが神父さんの役目ではあるけれど、覚悟する必要が何処にあるのだろうか?
「私は問題無い。フィオナも私と夫婦になる覚悟は出来ているか?」
「いいえ。覚悟など不要です。ルーファウス様と生涯を共に過ごす事はとても楽しそうですから、覚悟するような事などありません。」
「そうか。楽しく過ごせるように私も頑張るよ。という訳で神父殿、私とフィオナに問題は無い。式を続けて欲しい」
「かしこまりました。それでは神の御言葉を伝えます。
我、ルーファウスとフィオナを夫婦と認め心から祝福する。その代わりに我はアイスクリームを所望する」
は?
神父さんは何を言っているのだろうか?
確かに今日は結婚式に来てくれた皆さんに振る舞う為に、アイスクリームを持って来ている。
勿論、神父さんやシスターさん、メイドや護衛の人達の分も含めてだ。
だがしかし
神父さんもアイスクリームを食べたいからって、今このタイミングで言わなくてもいいと思う。
私の隣に居るルーファウス様もキョトンとしちゃってるし
「御二人が不快に思う気持ちは充分に理解致しますが、私は神の言葉をそのまま伝えただけですので(汗)」
それはそうだろう、結婚式で神父さんの役割は神の言葉を代弁して祝福する事なのだから。
「フィオナさーん、、、おーい、フィオナさーん」
むむっ!
何処からか私を呼ぶ声が聞こえる。
声の主を探すと、、、リア様が私に向かって手を振っている。
「あの、リア様、何か用ですか?」
「えっと、神父さんの言ってる事は本当だからそれを伝えたくて。その証拠に聖典を見てちょうだい」
「聖典?」
「「「「「「っ?!」」」」」
教会の中が一瞬にして静まりかえった。
元々喋ってる人なんか誰も居ないから静かではあったけど、教会内に居る人全員が息を止めたのが分かる。
だって、聖典がうっすら金色に光って点滅しているんだもの。
神父さんや王族には神からの御言葉『神託』が降りるって事は聞いた事がある。
でもそれって、そういう設定なだけでしょ?
神の存在を否定するつもりは全く無い。全く無いけれど、神ってなんと言うか目には見えない概念的な、、なんかこう、、、フワッとしてて、身近には居ない存在じゃないの?
「神父さん、神様にアイスクリームをお供えすれば良いって事ですか?」
「そうですね、しかし私にはアイスクリームなるものが何か分からないのですが」
「問題ありません。おーい、アリスさーん」
困惑している神父さんには悪いけどしばし放置させて貰って、教会の隅で控えていたアリスさんに声をかける。
「フィオナ様、聖典が光ってるんですけど!」
「ああ、うん、光ってて綺麗だよね。アイスクリーム持ってるよね?出して」
「えっと、綺麗とかそういう問題では、、、っていうか今からアイスクリーム食べるんですか?!さすがに駄目だと思うんですけど」
「私は結婚式の最中にアイスクリームを食べるような食いしん坊じゃないからね!
神様が所望してるって言うからお供えするだけだから」
「それなら良いですけど、、、はい、どうぞ」
アリスさんは肩から提げたクーラーボックスからアイスクリームを取り出して、小皿に入れて渡してくれる。
私は受け取ったお皿をそのまま聖典の前に置いた、すると
「「「「「おおっ!」」」」」
聖典が一層強くパァーーーッと光ってアイスクリームを入れたお皿が消えてしまった。
「我、満足♪だそうです。」
神父さんにはまた神の声が聞こえたのだろう。なんとも言えない表情をしながら神の御言葉を教えてくれる。
カランカラン
あっ
空になったお皿とスプーンが戻って来た。
とりあえずこれで無事に結婚式は終わりで良いのだろうか?
後でリア様に確認だ!
つづく。
私とルーファウス様は教会の後方から祭壇へ向かってゆっくりと歩いて行く。
両家の家族に見守られ、、、てはいないね。
こちらを見ているのはルーファウス様の御両親と姉のモニカ様、ドノバン団長とドミニクさん
そして満面の笑顔のリア様。
私の両親は相変わらず真っ直ぐ前を見つめたまま動かないし、リア様にガッチリと腕を組まれて最前列に座ってるルティーナお姉様に至っては
『結婚式が終わるまで倒れずに頑張って下さい!』と心の中でエールを贈くらいには魂が抜けた状態になっている。
あまりゆっくりしていると両親とルティーナお姉様が心配なので、ほんの少しだけ歩く速度を上げて祭壇へと急ぐ。
「ゴホンッ。えぇー、只今よりルーファウス・ブルームとフィオナ・フォルティエスの婚礼の儀を始める。2人とも手を聖典の上に置いて下さい。」
「「はい」」
神父さんに言われた通り、私とルーファウス様は祭壇に置かれた聖典の上に手を置く。
「なっ?!」
ん?
突然神父さんが何かに驚いたみたいだけど、天井から水でも落ちて来たのだろうか?
教会は天井が高いから、雨漏りしても専門の職人に依頼しなければいけなくて、直ぐに補修出来る訳では無い。
だから雨の日に教会で祈りを捧げる時は、フード付きの服を着てくるのが常識になっている。
「神父殿、大丈夫か?」
「え?、、あっ、はい、、大丈夫なのですが、なにせ初めての経験ですからどうして良いものか、、、」
ルーファウス様が神父さんに声をかけたけど様子がおかしい。少なくとも天井から水が落ちてきたとか、そういう事では無いだろう。
「あの、神父さん、体調が悪いなら遠慮せず仰って下さいね。」
「フィオナ様のお気遣いには感謝致しますが問題ありません。私は御二人に神からの言葉を伝えなければなりません。
覚悟は良いですか?」
神の言葉を代弁して私とルーファウス様に祝福の言葉を言うのが神父さんの役目ではあるけれど、覚悟する必要が何処にあるのだろうか?
「私は問題無い。フィオナも私と夫婦になる覚悟は出来ているか?」
「いいえ。覚悟など不要です。ルーファウス様と生涯を共に過ごす事はとても楽しそうですから、覚悟するような事などありません。」
「そうか。楽しく過ごせるように私も頑張るよ。という訳で神父殿、私とフィオナに問題は無い。式を続けて欲しい」
「かしこまりました。それでは神の御言葉を伝えます。
我、ルーファウスとフィオナを夫婦と認め心から祝福する。その代わりに我はアイスクリームを所望する」
は?
神父さんは何を言っているのだろうか?
確かに今日は結婚式に来てくれた皆さんに振る舞う為に、アイスクリームを持って来ている。
勿論、神父さんやシスターさん、メイドや護衛の人達の分も含めてだ。
だがしかし
神父さんもアイスクリームを食べたいからって、今このタイミングで言わなくてもいいと思う。
私の隣に居るルーファウス様もキョトンとしちゃってるし
「御二人が不快に思う気持ちは充分に理解致しますが、私は神の言葉をそのまま伝えただけですので(汗)」
それはそうだろう、結婚式で神父さんの役割は神の言葉を代弁して祝福する事なのだから。
「フィオナさーん、、、おーい、フィオナさーん」
むむっ!
何処からか私を呼ぶ声が聞こえる。
声の主を探すと、、、リア様が私に向かって手を振っている。
「あの、リア様、何か用ですか?」
「えっと、神父さんの言ってる事は本当だからそれを伝えたくて。その証拠に聖典を見てちょうだい」
「聖典?」
「「「「「「っ?!」」」」」
教会の中が一瞬にして静まりかえった。
元々喋ってる人なんか誰も居ないから静かではあったけど、教会内に居る人全員が息を止めたのが分かる。
だって、聖典がうっすら金色に光って点滅しているんだもの。
神父さんや王族には神からの御言葉『神託』が降りるって事は聞いた事がある。
でもそれって、そういう設定なだけでしょ?
神の存在を否定するつもりは全く無い。全く無いけれど、神ってなんと言うか目には見えない概念的な、、なんかこう、、、フワッとしてて、身近には居ない存在じゃないの?
「神父さん、神様にアイスクリームをお供えすれば良いって事ですか?」
「そうですね、しかし私にはアイスクリームなるものが何か分からないのですが」
「問題ありません。おーい、アリスさーん」
困惑している神父さんには悪いけどしばし放置させて貰って、教会の隅で控えていたアリスさんに声をかける。
「フィオナ様、聖典が光ってるんですけど!」
「ああ、うん、光ってて綺麗だよね。アイスクリーム持ってるよね?出して」
「えっと、綺麗とかそういう問題では、、、っていうか今からアイスクリーム食べるんですか?!さすがに駄目だと思うんですけど」
「私は結婚式の最中にアイスクリームを食べるような食いしん坊じゃないからね!
神様が所望してるって言うからお供えするだけだから」
「それなら良いですけど、、、はい、どうぞ」
アリスさんは肩から提げたクーラーボックスからアイスクリームを取り出して、小皿に入れて渡してくれる。
私は受け取ったお皿をそのまま聖典の前に置いた、すると
「「「「「おおっ!」」」」」
聖典が一層強くパァーーーッと光ってアイスクリームを入れたお皿が消えてしまった。
「我、満足♪だそうです。」
神父さんにはまた神の声が聞こえたのだろう。なんとも言えない表情をしながら神の御言葉を教えてくれる。
カランカラン
あっ
空になったお皿とスプーンが戻って来た。
とりあえずこれで無事に結婚式は終わりで良いのだろうか?
後でリア様に確認だ!
つづく。
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