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再会
3.試験 と アリサ?
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「では、始めっ!!」
合図と同時に突撃する槍士、穂先を俺に向け確りと腰を沈めている
重心を落とし槍を突き出す戦い方は速度重視のスタイルだ
俺の水月に突き出される穂先、突き刺さり肉を抉り脊髄を砕く軌道と威力…
そのはずだった…
「本気を出せ、そんな軽い突きじゃ負傷もしない」
穂先の少し手前の柄を確りと掴む血色の悪い手
そのピアノを奏でそうな手指からは考えられない力で槍の進行を止めていた
この時、アーラは知らない
前世の身体数値の平均値がこの世界の平均値では無い事に
この世界のステータスは、前世に比べると…途轍も無く低い事に
唯でさえ前世で無双出来たステータス、様々な経験で得た点数で飛躍したそれは…
「行くぞっ、ハアァァァッ!!」
1度離れ、立て直した槍士
先程の様子見とは違う確実に本気で殺すつもりの突き
闘技場に集まっている冒険者の殆どが視認出来ないはずの、確殺の一撃…
「だから本気を出せ、弱い」
そう、確殺の一撃…だった
先程同様に止められた穂先は血に濡れることなく、少し萎えて見える
「うそ…だろ?」
「エリックの、槍を止めた? 2度も…」
「うっそ!!」
槍士にエリゼとパーティーの剣士と魔法士2人、審査員をしていた受付嬢
果ては辺りの冒険者に至るまで、その異様な光景に目を見張っていた
槍士はもう一度引いて、間を取る
そして、3度目ともなる構えを取りアーラ…否、怪物と対峙した
「言ったぞ、死んでも後悔するなよ」
宣言後、穂先を地面スレスレまで下げて両手の感覚を少し拡げる
柄の端に小指を添えるようにして持ち左を前に半身になる、その構えは異様であり同時に脅威を知らしめた
「まさかっ、止めろエリック!!」
剣士の呼び掛けを無視して槍士は再3度の突撃を決行する
土埃を上げる踏み込み 何処までも沈み重心の下がっていく身体
射程内に怪物が入ったと同時、地面に擦れるが如く低空を滑っていた穂先が跳ねた
半身から正面へ 身体全身の弾機と重心移動により穂先に集中する体重という威力
穂先に近い手は離され全ての威力を乗せた槍を片手にすることで射程を伸ばす
猛然と進む穂先は音速を超え衝撃波を飛ばし、先にある物…空気さえも貫き穿いていく
パーティーの危機を何度も救いB級中位までのし上がって来た技
竜の鱗を貫き、鎧山亀の鎧の如き甲羅をも穿ってきた
今までの経験と積み重ねた鍛錬の集大成、必殺の一撃とも言える…秘技
人に放てば忽ち大穴を穿たれ、贓物を衝撃波で乱され…死に絶えた
どんなの相手でも、どんなの物でも 退けて自分の実力を上へと突き上げた
これ以上の技を2度と生み出せないと確信までした、自身の叡智結晶
「喰らえっ!!」
そんな、技でさえも…無力
「中々だな、でも…軍将の方が強かった」
音速を超えた槍さえも容易く止め、手指どころか服さえも傷1つ無いアーラ
攻撃をした当の本人でさえも、服が裂け右の肘から先が血だらけというのに
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
闘技場に居た全員が、目撃していた
「試験は、終了します…希望者は明日もう一度来るように」
そう言って受付嬢に札を渡された
見るに、本人確認に近い何かだろう
エリゼと呆然となる闘技場を抜け街道に出る
「アンタ、凄いね…役職は?」
「斥候 兼 支援魔法士」
「ふぅん、提案なんだけど もし冒険者になれたらパーティー組まない?」
「いや、お前とパーティー組むとその胸みたいに」
「「堕落しそうだから」」
「言うと思ったわ、こんっの下衆め!!」
「お前なかなか硬いメンタルしてるな、だから」
「「胸も柔らかいのが付かないんだよ」」
「もう、慣れたよ アンタには」
「ご苦労さん」
「ねぇ、夕飯一緒にどう」
「俺は無一文だ」
「そうか、でも時間的にアンタなら今から1食分くらい稼げるんじゃない?」
「ブラッドグリズリーでも売れば金になるか?」
「いや、それはA級上位じゃん 中古でも良いなら結構立派な家買えちゃうよ」
「分かった、じゃあ集合は何処にする?」
「彼処の噴水に夜の鐘が鳴ったらね」
「分かった」
そこで別れて森にでは無く商会に向かう
適当に大きめの商会の中に入り売却口の受付嬢に話し掛ける
「素材を売りたい」
「はい、では商会カードをお出しください」
「持って無いな」
「はぁ? じゃあ、買取は出来かねます」
「そうか、ブラッドグリズリーなんだけどな」
「ブラッドグリズリー!? 少々お待ち下さい!!」
「いや、お前の態度も気に入らないし別のカードの必要無いところに行く」
「っ!! す、すみません 謝罪致します」
「今のお前は、俺にじゃなくて俺を追い払おうとした自分に謝っただろ」
「!?」
「ほらな、まぁ商会カードやらを知らずに来た俺も悪い 大人しく帰るとするよ」
出口に向かって踵を返す
「…本当に、本当にお待ちいただけないでしょうか ギルマスを呼んで参ります」
「良いぞ」
「有難う御座いますっ!!」
暫く待っているとギルマスと共に戻って来た受付嬢に案内され応接室に着いた
この熊にカードを持っていないと言う無理を押し通すほどの価値が有るとは思えないのだが…
だって、前世の熊系でも最下等種のデッドベアに劣るぞ?
「ブラッドグリズリーを売りに来たとは本当か?」
「あぁ、急ぎで金が欲しいのでな無理を言わせてもらう」
「じゃあ、出してもらえるかい?」
応接室の空いたスペースに目掛けて魔法を放つ
「『無限収納』」
派手な音を立てながら床に落ちる巨熊
毛並みは艶る血色で死してもなお光り続ける目は未だ獰猛だ
「ほう、空間魔法か」
「正確には闇魔法だ、原理を知れば応用法もいずれな」
「そうか…この素材だが、傷も無く新鮮だ 解体の手数料を差し引いて金貨3枚と大銀貨5枚」
「それで良い、売れて金になれば充分だ」
「有難う、助かるよ」
確りと硬貨を受け取り懐に入れる
次いでに勧めてきた登録も済まし商会カードも貰っておいた
「なぁミーナ、この世界チョロ過ぎないか?」
『えぇ、アーラ様の元いた世界とは全体的に戦闘能力が落ちますね
前世での最強格の龍種は、この世界では《古代種》と言われています
国家総力でも厳しいと言われており世界に数匹しか存在しておりません』
「あの龍種がか、前世じゃ3匹に取り囲まれたが…」
『アーラ様はこの世界では異常な強さを誇っています
ステータスの数値ですが、この世界の平均を前世の換算すると…オール20ですね』
「は?」
『前世でも命を代償にしましたが神に匹敵する魔王を消滅させたアーラ様にはぬる過ぎるかも知れません』
「そうか…それならアリサも無事そうだな」
『はい、この世界ではお2人を下せるのは神くらいかと
まぁ、搦手無しでの話ですがね…アーラ様は代償を受けなくて良いので神くらいな』
「その先は言わなくていい、質問だがアリサの種族とかは分かるか?」
『はい、ですがお答えすることは出来ません』
「じゃあ、安否は?」
『流石に、此方が被害を受けるのは嫌ですので程度で教えます
犯されそうになったり死にそうでしたら通知致します』
「当たり前だ、消すぞ」
『はい、心得ております』
又、ミーナと会話しながら歩いていると噴水が見えた
見渡すと少し豪勢な服装の太った男がエリゼと言い争っていた
但し、エリゼは強く出れず男はそれを卑見している
「どうした、まな板」
「あ、アーラ!!」
「むっ、お前かアーラという餓鬼は!! 此奴は俺の女だ、近寄るな蛆め!!」
「騒ぐな豚、この国の貴族はお前みたいな下品な者しか居ないのか?」
「何っ!? 私は侯爵だぞ、恥をしれ下民め!! この国から追放だ!!」
「煩いと言ってるだろクソ豚が、死にたくないなら口を慎め」
「私を殺すだと!!そんな事をすれば処刑だ!!」
「騒ぐな、誰が俺直々に手を下すと言った…処刑されるのは、お前だよ」
「私が処刑だと!?出来るわけないだろ!!」
「ほら、『王紋』だ
豚でも分かるだろ、俺には王族が付いてる
王と侯爵、どっちが上か…分かるよな?」
「何で…王紋をっ」
「魔人国からの国賓だ、俺の進言次第ではこの国に宣戦布告も可能
戦力差は大きいこの国は抵抗も出来ず滅ぼされる訳だ…
攻めて欲しくなければ、とお前の首でも要求しよう
国と1人の侯爵、どっちを選ぶかは…分かるよな?」
「そ、そんな…ち、違うんだ!!これは!!」
「もういい、この女に手を出さないと誓い去れ」
「ひいぃぃぃぃっっ!!!」
重鈍な足音を派手に奏でて遠ざかって行く豚
腹の肉が揺れ脂汗を散らし走る姿は大変醜い
「アンタ、国賓だったんだな
助けてくれてありが」
「礼はいい、後慣れない敬語も止めろ似合わん」
「助かる、敬語は苦手なんだよ」
「だろうな、胸を付けるのと同様で苦手そうだ」
「魔人国の奴は煽るのが好きなのか?」
「さぁな、俺は魔人国の国賓じゃないし」
「え?」
「国賓ではあるが魔人国とは関係無い、虚仮威しだ」
「ふぅん、じゃあ行こうよ 国賓を満足させるほどの店じゃないけどね」
案内された店は庶民的ではあるが少し上品な店だった
店員は全員エルフ、席は何席かごとで区切られており個室みたいだ
エリゼが予約しておいたようで2人用の個室に通された
「防音の魔法か、手の込んでる店だな」
「アンタ、これを見抜けるって凄いな」
「見抜く? 防音の個室を売りにしてないのか?」
「王族貴族とか商人とかが極秘で交渉とか会合とかする時に使うからさ
防音の魔法って知ってたら対策されるしね、完全案内制だし」
「そうか、結構良いな」
「良かったよ、気に入ってもらえて」
暫く料理や酒を楽しみエリゼが酔ってきた
酔ったら饒舌になるようで、色々と語ってくれた
「アタシはね、最近里から出てきたんだよ」
「ほう」
「いやね、里に珍しいエルフが急に来てさぁ」
「珍しいエルフ?」
「そう、耳が丸くて身体も豊満で人族みたいなんだよ、でも魔力はエルフなの
文献では昔にも何人か居て、凄い才能なんだって
それはもう活躍したよ、人助けもするし自己犠牲も厭わない人格者さ
私はそいつが来るまで里じゃあ1番の弓士だったんだけどね…
皆そいつに流れたさ、嫌になって…冒険者で活躍して見返してやるって出てきたんだ」
「自己犠牲も厭わない人格者…おい、そいつの名前は?」
「え?えーっと、アリサだったっ」
「本当か?」
「え?うん」
「里の場所を教えろ」
「え?どうし」
「教えろ」
「ダメだよ、里の場所は教えたら規則に違」
「『強制従属化』、里の場所を教えろ」
「この王都から北にある【大妖精の森林】の奥地、魔狂の森方面」
「…そうか」
「っ!! なんだ、これ アンタ何をやって」
「すまない、アリサに会わなきゃいけないんだ…絶対に」
「…でも里にはエルフしか入れないよ?」
「なら里を潰すまでだ」
「…そうか、じゃあ着いて行くよ 里を滅ぼされる訳にはいかないからね」
「勝手にしろ」
合図と同時に突撃する槍士、穂先を俺に向け確りと腰を沈めている
重心を落とし槍を突き出す戦い方は速度重視のスタイルだ
俺の水月に突き出される穂先、突き刺さり肉を抉り脊髄を砕く軌道と威力…
そのはずだった…
「本気を出せ、そんな軽い突きじゃ負傷もしない」
穂先の少し手前の柄を確りと掴む血色の悪い手
そのピアノを奏でそうな手指からは考えられない力で槍の進行を止めていた
この時、アーラは知らない
前世の身体数値の平均値がこの世界の平均値では無い事に
この世界のステータスは、前世に比べると…途轍も無く低い事に
唯でさえ前世で無双出来たステータス、様々な経験で得た点数で飛躍したそれは…
「行くぞっ、ハアァァァッ!!」
1度離れ、立て直した槍士
先程の様子見とは違う確実に本気で殺すつもりの突き
闘技場に集まっている冒険者の殆どが視認出来ないはずの、確殺の一撃…
「だから本気を出せ、弱い」
そう、確殺の一撃…だった
先程同様に止められた穂先は血に濡れることなく、少し萎えて見える
「うそ…だろ?」
「エリックの、槍を止めた? 2度も…」
「うっそ!!」
槍士にエリゼとパーティーの剣士と魔法士2人、審査員をしていた受付嬢
果ては辺りの冒険者に至るまで、その異様な光景に目を見張っていた
槍士はもう一度引いて、間を取る
そして、3度目ともなる構えを取りアーラ…否、怪物と対峙した
「言ったぞ、死んでも後悔するなよ」
宣言後、穂先を地面スレスレまで下げて両手の感覚を少し拡げる
柄の端に小指を添えるようにして持ち左を前に半身になる、その構えは異様であり同時に脅威を知らしめた
「まさかっ、止めろエリック!!」
剣士の呼び掛けを無視して槍士は再3度の突撃を決行する
土埃を上げる踏み込み 何処までも沈み重心の下がっていく身体
射程内に怪物が入ったと同時、地面に擦れるが如く低空を滑っていた穂先が跳ねた
半身から正面へ 身体全身の弾機と重心移動により穂先に集中する体重という威力
穂先に近い手は離され全ての威力を乗せた槍を片手にすることで射程を伸ばす
猛然と進む穂先は音速を超え衝撃波を飛ばし、先にある物…空気さえも貫き穿いていく
パーティーの危機を何度も救いB級中位までのし上がって来た技
竜の鱗を貫き、鎧山亀の鎧の如き甲羅をも穿ってきた
今までの経験と積み重ねた鍛錬の集大成、必殺の一撃とも言える…秘技
人に放てば忽ち大穴を穿たれ、贓物を衝撃波で乱され…死に絶えた
どんなの相手でも、どんなの物でも 退けて自分の実力を上へと突き上げた
これ以上の技を2度と生み出せないと確信までした、自身の叡智結晶
「喰らえっ!!」
そんな、技でさえも…無力
「中々だな、でも…軍将の方が強かった」
音速を超えた槍さえも容易く止め、手指どころか服さえも傷1つ無いアーラ
攻撃をした当の本人でさえも、服が裂け右の肘から先が血だらけというのに
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
闘技場に居た全員が、目撃していた
「試験は、終了します…希望者は明日もう一度来るように」
そう言って受付嬢に札を渡された
見るに、本人確認に近い何かだろう
エリゼと呆然となる闘技場を抜け街道に出る
「アンタ、凄いね…役職は?」
「斥候 兼 支援魔法士」
「ふぅん、提案なんだけど もし冒険者になれたらパーティー組まない?」
「いや、お前とパーティー組むとその胸みたいに」
「「堕落しそうだから」」
「言うと思ったわ、こんっの下衆め!!」
「お前なかなか硬いメンタルしてるな、だから」
「「胸も柔らかいのが付かないんだよ」」
「もう、慣れたよ アンタには」
「ご苦労さん」
「ねぇ、夕飯一緒にどう」
「俺は無一文だ」
「そうか、でも時間的にアンタなら今から1食分くらい稼げるんじゃない?」
「ブラッドグリズリーでも売れば金になるか?」
「いや、それはA級上位じゃん 中古でも良いなら結構立派な家買えちゃうよ」
「分かった、じゃあ集合は何処にする?」
「彼処の噴水に夜の鐘が鳴ったらね」
「分かった」
そこで別れて森にでは無く商会に向かう
適当に大きめの商会の中に入り売却口の受付嬢に話し掛ける
「素材を売りたい」
「はい、では商会カードをお出しください」
「持って無いな」
「はぁ? じゃあ、買取は出来かねます」
「そうか、ブラッドグリズリーなんだけどな」
「ブラッドグリズリー!? 少々お待ち下さい!!」
「いや、お前の態度も気に入らないし別のカードの必要無いところに行く」
「っ!! す、すみません 謝罪致します」
「今のお前は、俺にじゃなくて俺を追い払おうとした自分に謝っただろ」
「!?」
「ほらな、まぁ商会カードやらを知らずに来た俺も悪い 大人しく帰るとするよ」
出口に向かって踵を返す
「…本当に、本当にお待ちいただけないでしょうか ギルマスを呼んで参ります」
「良いぞ」
「有難う御座いますっ!!」
暫く待っているとギルマスと共に戻って来た受付嬢に案内され応接室に着いた
この熊にカードを持っていないと言う無理を押し通すほどの価値が有るとは思えないのだが…
だって、前世の熊系でも最下等種のデッドベアに劣るぞ?
「ブラッドグリズリーを売りに来たとは本当か?」
「あぁ、急ぎで金が欲しいのでな無理を言わせてもらう」
「じゃあ、出してもらえるかい?」
応接室の空いたスペースに目掛けて魔法を放つ
「『無限収納』」
派手な音を立てながら床に落ちる巨熊
毛並みは艶る血色で死してもなお光り続ける目は未だ獰猛だ
「ほう、空間魔法か」
「正確には闇魔法だ、原理を知れば応用法もいずれな」
「そうか…この素材だが、傷も無く新鮮だ 解体の手数料を差し引いて金貨3枚と大銀貨5枚」
「それで良い、売れて金になれば充分だ」
「有難う、助かるよ」
確りと硬貨を受け取り懐に入れる
次いでに勧めてきた登録も済まし商会カードも貰っておいた
「なぁミーナ、この世界チョロ過ぎないか?」
『えぇ、アーラ様の元いた世界とは全体的に戦闘能力が落ちますね
前世での最強格の龍種は、この世界では《古代種》と言われています
国家総力でも厳しいと言われており世界に数匹しか存在しておりません』
「あの龍種がか、前世じゃ3匹に取り囲まれたが…」
『アーラ様はこの世界では異常な強さを誇っています
ステータスの数値ですが、この世界の平均を前世の換算すると…オール20ですね』
「は?」
『前世でも命を代償にしましたが神に匹敵する魔王を消滅させたアーラ様にはぬる過ぎるかも知れません』
「そうか…それならアリサも無事そうだな」
『はい、この世界ではお2人を下せるのは神くらいかと
まぁ、搦手無しでの話ですがね…アーラ様は代償を受けなくて良いので神くらいな』
「その先は言わなくていい、質問だがアリサの種族とかは分かるか?」
『はい、ですがお答えすることは出来ません』
「じゃあ、安否は?」
『流石に、此方が被害を受けるのは嫌ですので程度で教えます
犯されそうになったり死にそうでしたら通知致します』
「当たり前だ、消すぞ」
『はい、心得ております』
又、ミーナと会話しながら歩いていると噴水が見えた
見渡すと少し豪勢な服装の太った男がエリゼと言い争っていた
但し、エリゼは強く出れず男はそれを卑見している
「どうした、まな板」
「あ、アーラ!!」
「むっ、お前かアーラという餓鬼は!! 此奴は俺の女だ、近寄るな蛆め!!」
「騒ぐな豚、この国の貴族はお前みたいな下品な者しか居ないのか?」
「何っ!? 私は侯爵だぞ、恥をしれ下民め!! この国から追放だ!!」
「煩いと言ってるだろクソ豚が、死にたくないなら口を慎め」
「私を殺すだと!!そんな事をすれば処刑だ!!」
「騒ぐな、誰が俺直々に手を下すと言った…処刑されるのは、お前だよ」
「私が処刑だと!?出来るわけないだろ!!」
「ほら、『王紋』だ
豚でも分かるだろ、俺には王族が付いてる
王と侯爵、どっちが上か…分かるよな?」
「何で…王紋をっ」
「魔人国からの国賓だ、俺の進言次第ではこの国に宣戦布告も可能
戦力差は大きいこの国は抵抗も出来ず滅ぼされる訳だ…
攻めて欲しくなければ、とお前の首でも要求しよう
国と1人の侯爵、どっちを選ぶかは…分かるよな?」
「そ、そんな…ち、違うんだ!!これは!!」
「もういい、この女に手を出さないと誓い去れ」
「ひいぃぃぃぃっっ!!!」
重鈍な足音を派手に奏でて遠ざかって行く豚
腹の肉が揺れ脂汗を散らし走る姿は大変醜い
「アンタ、国賓だったんだな
助けてくれてありが」
「礼はいい、後慣れない敬語も止めろ似合わん」
「助かる、敬語は苦手なんだよ」
「だろうな、胸を付けるのと同様で苦手そうだ」
「魔人国の奴は煽るのが好きなのか?」
「さぁな、俺は魔人国の国賓じゃないし」
「え?」
「国賓ではあるが魔人国とは関係無い、虚仮威しだ」
「ふぅん、じゃあ行こうよ 国賓を満足させるほどの店じゃないけどね」
案内された店は庶民的ではあるが少し上品な店だった
店員は全員エルフ、席は何席かごとで区切られており個室みたいだ
エリゼが予約しておいたようで2人用の個室に通された
「防音の魔法か、手の込んでる店だな」
「アンタ、これを見抜けるって凄いな」
「見抜く? 防音の個室を売りにしてないのか?」
「王族貴族とか商人とかが極秘で交渉とか会合とかする時に使うからさ
防音の魔法って知ってたら対策されるしね、完全案内制だし」
「そうか、結構良いな」
「良かったよ、気に入ってもらえて」
暫く料理や酒を楽しみエリゼが酔ってきた
酔ったら饒舌になるようで、色々と語ってくれた
「アタシはね、最近里から出てきたんだよ」
「ほう」
「いやね、里に珍しいエルフが急に来てさぁ」
「珍しいエルフ?」
「そう、耳が丸くて身体も豊満で人族みたいなんだよ、でも魔力はエルフなの
文献では昔にも何人か居て、凄い才能なんだって
それはもう活躍したよ、人助けもするし自己犠牲も厭わない人格者さ
私はそいつが来るまで里じゃあ1番の弓士だったんだけどね…
皆そいつに流れたさ、嫌になって…冒険者で活躍して見返してやるって出てきたんだ」
「自己犠牲も厭わない人格者…おい、そいつの名前は?」
「え?えーっと、アリサだったっ」
「本当か?」
「え?うん」
「里の場所を教えろ」
「え?どうし」
「教えろ」
「ダメだよ、里の場所は教えたら規則に違」
「『強制従属化』、里の場所を教えろ」
「この王都から北にある【大妖精の森林】の奥地、魔狂の森方面」
「…そうか」
「っ!! なんだ、これ アンタ何をやって」
「すまない、アリサに会わなきゃいけないんだ…絶対に」
「…でも里にはエルフしか入れないよ?」
「なら里を潰すまでだ」
「…そうか、じゃあ着いて行くよ 里を滅ぼされる訳にはいかないからね」
「勝手にしろ」
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