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第4章 夢
第4章 第18話 もう一度
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俺は、頬をつねってみた。
夢なら目が覚めると思ったからだ。
痛い。
でも、視界は一向にぼんやりともしない。
夢じゃない。
タイムリープをしたのか。
ならば、改めて思おう。
過去を変えようじゃないか。
俺が、あの子が生きて、とても可愛い中学生になっていることを望もうじゃないか。
学校が、終わり、夏場の暑い空気が身体中に入ってくる。
感覚もしっかりある。
やはり、ここは、タイムリープ後の世界なのだ。
ならば、俺が、やることはひとつ。
あの子が死なないために。
自殺まで追い詰めた、あいつらに社会的死を与えてやる。
証拠を掴み、学校中に、言いふらしてやる。
メラメラと闘志が出てきた。
まずは、アイテムを手に入れなければならない。
言語の証拠として、俺は、コンビニに、録音レコーダーを買いに行った。
スマホはこの時は持っていなかったのだ。
そして、もうひとつ、ドンキホーテでカメラ・録音機能がついたボールペンを買った。
これで、今月の小遣いを使い果たしてしまったが、そんな事はどうでもいい。
だって、過去なのだから。
そして、翌日。
俺は、放課後彼女と一緒に帰っている時に、最近大丈夫かと聞いてみた。
相変わらず、笑顔なのだが、この笑顔を勘違いしたから、一度目はダメだった。
「実はね、私、好きな人が出来て。その人は、皆に好かれてるから、きっと私じゃ付き合えない。」
なんて事を言っている名前も思い出せない彼女。
その人のせいで彼女は、あいつらからいじめを受けるのだろうか。
「...単刀直入に聞くけど、いじめられてない?いじめじゃなくても、からかわれたりとか。」
...
沈黙が続く。
きっと、言葉を選んでいるのだろう。
周りを不安にしないために。
「...実はね、私、谷村さん達にいじめられているの。」
今は、夏服。
彼女の死亡日も、あの日が起きたのも、夏の間だ。
もうすぐなのではないか。
俺が、タイムリープする前からいじめられている。
「...いじめられて、人を信じられない気持ちもあると思う。だけど、俺を信じてほしい。」
彼女は、目を見開き、驚いていた。
「実はさ、俺もずっと好きだった子がいて、その子は自分の気持ちを口に出すのが下手だから、助けて好感度をあげたくてさ。」
彼女は、その瞬間、泣いた。
俺の肩に、すがり付いて、俺は、泣き止むのを待つ。
かつて、いじめられ、痛みが体に襲いかかっているのにも関わらず、俺にハンカチをくれ、泣き止むのを待ってくれた彼女のように。
俺は、ひたすらに大丈夫、大丈夫と言い、彼女の頭を撫でる。
「ずっと、辛かったよな。よく頑張った。」
彼女に、ハンカチを渡す。
青色の水玉模様のハンカチだ。
涙を拭きながら、彼女は、言った。
「三島君まで、巻き込んでしまってごめんね。でも、助けてくれるって言ってくれて、とても嬉しかった。」
「俺も気づけなくてごめん。」
俺は、言う。誓う。
ー彼女の未来を幸せにするー
夢なら目が覚めると思ったからだ。
痛い。
でも、視界は一向にぼんやりともしない。
夢じゃない。
タイムリープをしたのか。
ならば、改めて思おう。
過去を変えようじゃないか。
俺が、あの子が生きて、とても可愛い中学生になっていることを望もうじゃないか。
学校が、終わり、夏場の暑い空気が身体中に入ってくる。
感覚もしっかりある。
やはり、ここは、タイムリープ後の世界なのだ。
ならば、俺が、やることはひとつ。
あの子が死なないために。
自殺まで追い詰めた、あいつらに社会的死を与えてやる。
証拠を掴み、学校中に、言いふらしてやる。
メラメラと闘志が出てきた。
まずは、アイテムを手に入れなければならない。
言語の証拠として、俺は、コンビニに、録音レコーダーを買いに行った。
スマホはこの時は持っていなかったのだ。
そして、もうひとつ、ドンキホーテでカメラ・録音機能がついたボールペンを買った。
これで、今月の小遣いを使い果たしてしまったが、そんな事はどうでもいい。
だって、過去なのだから。
そして、翌日。
俺は、放課後彼女と一緒に帰っている時に、最近大丈夫かと聞いてみた。
相変わらず、笑顔なのだが、この笑顔を勘違いしたから、一度目はダメだった。
「実はね、私、好きな人が出来て。その人は、皆に好かれてるから、きっと私じゃ付き合えない。」
なんて事を言っている名前も思い出せない彼女。
その人のせいで彼女は、あいつらからいじめを受けるのだろうか。
「...単刀直入に聞くけど、いじめられてない?いじめじゃなくても、からかわれたりとか。」
...
沈黙が続く。
きっと、言葉を選んでいるのだろう。
周りを不安にしないために。
「...実はね、私、谷村さん達にいじめられているの。」
今は、夏服。
彼女の死亡日も、あの日が起きたのも、夏の間だ。
もうすぐなのではないか。
俺が、タイムリープする前からいじめられている。
「...いじめられて、人を信じられない気持ちもあると思う。だけど、俺を信じてほしい。」
彼女は、目を見開き、驚いていた。
「実はさ、俺もずっと好きだった子がいて、その子は自分の気持ちを口に出すのが下手だから、助けて好感度をあげたくてさ。」
彼女は、その瞬間、泣いた。
俺の肩に、すがり付いて、俺は、泣き止むのを待つ。
かつて、いじめられ、痛みが体に襲いかかっているのにも関わらず、俺にハンカチをくれ、泣き止むのを待ってくれた彼女のように。
俺は、ひたすらに大丈夫、大丈夫と言い、彼女の頭を撫でる。
「ずっと、辛かったよな。よく頑張った。」
彼女に、ハンカチを渡す。
青色の水玉模様のハンカチだ。
涙を拭きながら、彼女は、言った。
「三島君まで、巻き込んでしまってごめんね。でも、助けてくれるって言ってくれて、とても嬉しかった。」
「俺も気づけなくてごめん。」
俺は、言う。誓う。
ー彼女の未来を幸せにするー
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