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第6章EX 常夏と蒼い海 ─少年のリスタート─
90・3時間目 白い砂浜、真夏の海
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夏の海と言ったら、やっぱりこの言葉を言わなければいけないだろう。
ワイワイと人々の談笑をBGMに俺たちは、白い砂浜に蒼く光る海に心を弾ませながら、焼きそばを食べていた。
こういう時、いつも思うのだが、家で食べる焼きそばとこういう場で食べる焼きそばは何か違いがあるのだろうか。
こちらで食べる焼きそばは、家で食べる焼きそばよりも、格段に美味しく感じる。
俺は、熟考しながら、焼きそばを口に入れていた。
ソースのコクと独特の食欲をそそる匂いが普段は何か考えている時は止まる箸を動かす。
遼太郎は、焼きそばを食べていて暑くなったのかラッシュガードを脱いだ。
「いや~、ご飯食べてると熱くなるね」
「日陰にいてこれだからね。もう少し早く来ていれば少しは涼しかったかもね」
そんなやり取りをしながら、俺たちは焼きそばをすすった。
「あの子、男の子だったの!?」
「嘘‼ 男の娘!?」
「別に悪くないよね。ナンパしよう!」
俺たちが焼きそばを食べ終えた頃、そんな会話が聞こえて、裕太と遼太郎は逆ナンをしにきた女性たちを断り続ける時間となった。
ちなみに、俺には誰一人声をかけられることはなかった。
泣きたい。
──
裕太たちがナンパから逃れ、すぐに俺たちは入水することにした。
「やっぱり、海っていいよな。気持ちいいし、涼しいわ」
青い海に白い砂浜とはこのこと。
海、最高だろ。
「だねぇ。敦志、三石、海と言えば……?」
裕太の問いに俺と遼太郎は顔を見合わせる。
お互い、不敵に笑って、
「「ビーチバレーだろ‼」」
そう言った。
裕太はいつから持っていたんだとツッコミをいれたくなるタイミングでバレーボールをどこからか取り出した。
「ほいっ!」
裕太は、おもむろにそれを雲ひとつない空に向かって投げた。
ボールは上空を舞い、俺の手元に来る。
すぐさま、トスをして、遼太郎に繋いだ。
遼太郎は、豪快に腕を振り上げて、裕太に向かってスパイクを打つ。
ダンッと心地よい打撃音が響いた。
「うわっと!」
裕太は、遼太郎の勢いのあるスパイクに少し驚いたものの、難なくキャッチした。
「三石って、スパイク上手いんだね。バレー習っていたのかい?」
遼太郎は、裕太の質問に首を横に振った。
「ううん。俺はスポーツはやっていなかったな。でも、体育の授業は普通に活躍していたよ。楽しんだよね~!」
俺はそれを聞いて、遼太郎は本格的に習えば、プロも夢じゃないのではと思ってしまう。
俺は体育の授業と言えば、サッカーでは、サッカー部の全力シュートが顔面に直撃し、鼻血騒ぎ。
体操では、体が固すぎて全くできず。
活躍できる競技と言えば、ソフトボールくらいだった。
遼太郎も裕太もすげぇな。
改めて、二人のスペックの高さに俺は驚かされる。
今までの俺だったら、それに比べて俺は……等と暗い思考に落ちていたのだろうが、今は、俺には俺が出来ることがあると前向きに捉えることが出来る。
「よしっ、次は俺がサーブ役するわ」
「それじゃあ、順番に回して行こう!」
こうして、俺たちは昼頃までビーチバレーを楽しむのだった。
ワイワイと人々の談笑をBGMに俺たちは、白い砂浜に蒼く光る海に心を弾ませながら、焼きそばを食べていた。
こういう時、いつも思うのだが、家で食べる焼きそばとこういう場で食べる焼きそばは何か違いがあるのだろうか。
こちらで食べる焼きそばは、家で食べる焼きそばよりも、格段に美味しく感じる。
俺は、熟考しながら、焼きそばを口に入れていた。
ソースのコクと独特の食欲をそそる匂いが普段は何か考えている時は止まる箸を動かす。
遼太郎は、焼きそばを食べていて暑くなったのかラッシュガードを脱いだ。
「いや~、ご飯食べてると熱くなるね」
「日陰にいてこれだからね。もう少し早く来ていれば少しは涼しかったかもね」
そんなやり取りをしながら、俺たちは焼きそばをすすった。
「あの子、男の子だったの!?」
「嘘‼ 男の娘!?」
「別に悪くないよね。ナンパしよう!」
俺たちが焼きそばを食べ終えた頃、そんな会話が聞こえて、裕太と遼太郎は逆ナンをしにきた女性たちを断り続ける時間となった。
ちなみに、俺には誰一人声をかけられることはなかった。
泣きたい。
──
裕太たちがナンパから逃れ、すぐに俺たちは入水することにした。
「やっぱり、海っていいよな。気持ちいいし、涼しいわ」
青い海に白い砂浜とはこのこと。
海、最高だろ。
「だねぇ。敦志、三石、海と言えば……?」
裕太の問いに俺と遼太郎は顔を見合わせる。
お互い、不敵に笑って、
「「ビーチバレーだろ‼」」
そう言った。
裕太はいつから持っていたんだとツッコミをいれたくなるタイミングでバレーボールをどこからか取り出した。
「ほいっ!」
裕太は、おもむろにそれを雲ひとつない空に向かって投げた。
ボールは上空を舞い、俺の手元に来る。
すぐさま、トスをして、遼太郎に繋いだ。
遼太郎は、豪快に腕を振り上げて、裕太に向かってスパイクを打つ。
ダンッと心地よい打撃音が響いた。
「うわっと!」
裕太は、遼太郎の勢いのあるスパイクに少し驚いたものの、難なくキャッチした。
「三石って、スパイク上手いんだね。バレー習っていたのかい?」
遼太郎は、裕太の質問に首を横に振った。
「ううん。俺はスポーツはやっていなかったな。でも、体育の授業は普通に活躍していたよ。楽しんだよね~!」
俺はそれを聞いて、遼太郎は本格的に習えば、プロも夢じゃないのではと思ってしまう。
俺は体育の授業と言えば、サッカーでは、サッカー部の全力シュートが顔面に直撃し、鼻血騒ぎ。
体操では、体が固すぎて全くできず。
活躍できる競技と言えば、ソフトボールくらいだった。
遼太郎も裕太もすげぇな。
改めて、二人のスペックの高さに俺は驚かされる。
今までの俺だったら、それに比べて俺は……等と暗い思考に落ちていたのだろうが、今は、俺には俺が出来ることがあると前向きに捉えることが出来る。
「よしっ、次は俺がサーブ役するわ」
「それじゃあ、順番に回して行こう!」
こうして、俺たちは昼頃までビーチバレーを楽しむのだった。
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