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第2章【交わる二人の歯車】
16罪 好きな人は大好きな友達の恋人でした③
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「……やっぱり、ヴェル君も静を選ぶんだね」
私の周りの人は、みんな静を好きになる。静を選ぶ。そんなのわかりきっていたことだったのに、どうしてこんなにも心が苦しいんだろうか。
そんな風に負の感情に翻弄されながら、私の意識は深い闇の彼方に落ちていった。
* * *
「満足か? 静ちゃん」
「ええ、とーっても満足よ」
不機嫌そうな声でヴェルが静に問いかければ、静は満面の笑みを浮かべて頷いた。雪の部屋を後にした二人はある程度距離を歩いたところで立ち止まっていた。
「なんで……そんなに雪ちゃんを傷つけるんだよ」
「別に傷付けたくて傷付けてるわけじゃないわ」
言っている意味が分からないと言わんばかりの視線をヴェルは静に向けた。その視線を真っすぐ受けて、静はクスっと笑みを零すとペロリと舌なめずりをした。
「誰かの一番になれると思っている雪ちゃんに、真実を提示してあげただけよ?」
「……は?」
「私は自分の美しさを保つために頑張っているの。一番になれるのは当たり前なのよ。だから、一番になろうとしてる雪ちゃんに、私の方が上なんだって教えてあげてるだけ」
(……意味が、わからない。静ちゃんと雪ちゃんは友達なんじゃないかの……?)
静の言わんとしていることがヴェルには全く理解できなかった。一番になれるのが当たり前で、雪よりも静の方が上だと知らしめるためにした行動だと言葉としては理解出来るが、感情が追い付かない。
「だって、ヴェルくんだって雪ちゃんより私を選んだじゃない? そういうことよ」
「それはあんたが……!」
「そうね。私がヴェルくんの弱みを握っているから仕方なく……だものね」
ヴェルの反論の言葉に、静はにたりと笑みを浮かべ激情の思いを宿すヴェルの瞳を真っすぐ見つめた。
「でも、雪ちゃんはそんな事知らないわよ。つまり、雪ちゃんは“私には敵わない”って真実を提示されたってことね」
「――――っ」
静の言う通りで、ヴェルは何も言えなかった。ただ拳をギュッと握りしめてハラワタが煮えたぎる思いを必死に抑えた。静のその考えを強行できるように手助けしてしまったのは、間違いなくヴェルだ。
誰かの一番になれると思った雪の心を粉々に打ち砕いたのは、間違いなく告白を断ったヴェル自身だ。
私の周りの人は、みんな静を好きになる。静を選ぶ。そんなのわかりきっていたことだったのに、どうしてこんなにも心が苦しいんだろうか。
そんな風に負の感情に翻弄されながら、私の意識は深い闇の彼方に落ちていった。
* * *
「満足か? 静ちゃん」
「ええ、とーっても満足よ」
不機嫌そうな声でヴェルが静に問いかければ、静は満面の笑みを浮かべて頷いた。雪の部屋を後にした二人はある程度距離を歩いたところで立ち止まっていた。
「なんで……そんなに雪ちゃんを傷つけるんだよ」
「別に傷付けたくて傷付けてるわけじゃないわ」
言っている意味が分からないと言わんばかりの視線をヴェルは静に向けた。その視線を真っすぐ受けて、静はクスっと笑みを零すとペロリと舌なめずりをした。
「誰かの一番になれると思っている雪ちゃんに、真実を提示してあげただけよ?」
「……は?」
「私は自分の美しさを保つために頑張っているの。一番になれるのは当たり前なのよ。だから、一番になろうとしてる雪ちゃんに、私の方が上なんだって教えてあげてるだけ」
(……意味が、わからない。静ちゃんと雪ちゃんは友達なんじゃないかの……?)
静の言わんとしていることがヴェルには全く理解できなかった。一番になれるのが当たり前で、雪よりも静の方が上だと知らしめるためにした行動だと言葉としては理解出来るが、感情が追い付かない。
「だって、ヴェルくんだって雪ちゃんより私を選んだじゃない? そういうことよ」
「それはあんたが……!」
「そうね。私がヴェルくんの弱みを握っているから仕方なく……だものね」
ヴェルの反論の言葉に、静はにたりと笑みを浮かべ激情の思いを宿すヴェルの瞳を真っすぐ見つめた。
「でも、雪ちゃんはそんな事知らないわよ。つまり、雪ちゃんは“私には敵わない”って真実を提示されたってことね」
「――――っ」
静の言う通りで、ヴェルは何も言えなかった。ただ拳をギュッと握りしめてハラワタが煮えたぎる思いを必死に抑えた。静のその考えを強行できるように手助けしてしまったのは、間違いなくヴェルだ。
誰かの一番になれると思った雪の心を粉々に打ち砕いたのは、間違いなく告白を断ったヴェル自身だ。
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