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幕間
ハッピーバースデーver静④
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そういうところが、雪ちゃんのいいところで、私が雪ちゃんに対してイライラする原因の一つでもあった。
あの子は綺麗すぎる。いい子過ぎる。雪ちゃんと一緒にいると……私が汚れているみたいに思えてしまう。私が意地悪な子のように思えてしまう。だから、イライラしてしまう事があった。ううん、今も……もちろんある。
そんな事もありながら、私はそのあともこっそりと雪ちゃんが誰とも付き合わないように裏で動き回った。
彼女に好意を寄せている男子が居れば、ひっそりと私がアプローチを掛けて彼らの好意を私に向けるように仕向けた。もちろん、好みじゃなければ付き合ったりはしなかったけれど。
それでも、全部が全部私に好意を向けていたら、雪ちゃんに勘繰られるかもしれない。だから、私は好みじゃない男の子だけは「雪ちゃんに気があるみたいだけど、どうかな?」と声を掛けたりするようになった。
といっても、雪ちゃんが付き合う事はなかったのだけれど。
(それでも、一度だけ……一度だけ本当に、雪ちゃんから男の子を奪いたいと思ったことがあったのよね)
そして、おそらくそれが私の考えを変えていった原因だと思う。
そう、あれは――――雪ちゃんが好きな人が出来たと……言ってきた時だ。
* * *
「私、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
そう言って、雪ちゃんが席を立った。いつもならトイレと言っていたのに、今日に限って――――亮さんという雪ちゃんの想い人がいる今日だけはトイレではなくてお手洗いと言った。それが、雪ちゃんが本気なんだと思わせる要因だった。
「うん。いってらっしゃい」
そう言って、私は雪ちゃんを見送った。トイレならすぐに戻ってくるかな……と思い、私はすぐに行動に移すことに決めたわ。
「あの、亮さん」
「なんですか?」
雪ちゃんが居た時は砕けた感じだったのに、いなくなった途端に他人行儀になってしまうのね。
それが、私と亮さんの心の距離なんだとはっきりと示された気がして、少しだけ悔しかったわ。私より雪ちゃんなの? という気持ちになった。
けれど、そうよね。だって、彼は私に出会うより前に雪ちゃんに出会ってしまったんだもの。
「良かったら、私ともメールアドレス交換してもらえませんか?」
彼からの心の距離がそれならば、私も同じくらいの距離から攻める方が警戒されないはず。そう思って、私も敬語で亮さんに問いかけた。
あの子は綺麗すぎる。いい子過ぎる。雪ちゃんと一緒にいると……私が汚れているみたいに思えてしまう。私が意地悪な子のように思えてしまう。だから、イライラしてしまう事があった。ううん、今も……もちろんある。
そんな事もありながら、私はそのあともこっそりと雪ちゃんが誰とも付き合わないように裏で動き回った。
彼女に好意を寄せている男子が居れば、ひっそりと私がアプローチを掛けて彼らの好意を私に向けるように仕向けた。もちろん、好みじゃなければ付き合ったりはしなかったけれど。
それでも、全部が全部私に好意を向けていたら、雪ちゃんに勘繰られるかもしれない。だから、私は好みじゃない男の子だけは「雪ちゃんに気があるみたいだけど、どうかな?」と声を掛けたりするようになった。
といっても、雪ちゃんが付き合う事はなかったのだけれど。
(それでも、一度だけ……一度だけ本当に、雪ちゃんから男の子を奪いたいと思ったことがあったのよね)
そして、おそらくそれが私の考えを変えていった原因だと思う。
そう、あれは――――雪ちゃんが好きな人が出来たと……言ってきた時だ。
* * *
「私、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
そう言って、雪ちゃんが席を立った。いつもならトイレと言っていたのに、今日に限って――――亮さんという雪ちゃんの想い人がいる今日だけはトイレではなくてお手洗いと言った。それが、雪ちゃんが本気なんだと思わせる要因だった。
「うん。いってらっしゃい」
そう言って、私は雪ちゃんを見送った。トイレならすぐに戻ってくるかな……と思い、私はすぐに行動に移すことに決めたわ。
「あの、亮さん」
「なんですか?」
雪ちゃんが居た時は砕けた感じだったのに、いなくなった途端に他人行儀になってしまうのね。
それが、私と亮さんの心の距離なんだとはっきりと示された気がして、少しだけ悔しかったわ。私より雪ちゃんなの? という気持ちになった。
けれど、そうよね。だって、彼は私に出会うより前に雪ちゃんに出会ってしまったんだもの。
「良かったら、私ともメールアドレス交換してもらえませんか?」
彼からの心の距離がそれならば、私も同じくらいの距離から攻める方が警戒されないはず。そう思って、私も敬語で亮さんに問いかけた。
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