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サウスランドへ
拘束
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僕は着地して、ドレイクの横に立つ。
ドレイクが拳を突き出して来たので、僕もそれを返した。
「コレが、魔王の幹部っちゅう奴か? 」
「たぶん……そうだと思う。僕もあんまり戦ったことは無かったから。」
「決めた。ウチも魔王を倒す。」
一瞬意味を理解できなかった。
「売られた喧嘩は必ず返す。ウチらのセオリーや。」
そうだ、フォース。
僕が声を上げる前に、ドレイクは、木の根元で倒れているフォースの元へと走っていった。
肋が何本か逝っている。
背中にはべっとりと血が付いていた。
「オイ、アスィール。回復魔術は使えんのか? 」
多分、治癒魔術では間に合わない。
というか、身体に余計な負荷を掛けて余計にフォースを苦しめてしまうかもしれない。
僕は額に汗をかきながら、恐る恐るドレイクへと問うた。
「ドレイクは? 」
「……ウチが有神者に見えるか? 」
アスピを呼びにアジトまで戻るか……
いや、それじゃ間に合わない。
「姐さ~ん。」
ドレイクは下っぱ達の悲鳴を聞き取ると、苦虫を噛み締める様な顔をして、それから火中へと走っていた。
今、彼を救えるのは僕だけだ。
正直、神とか信じてなかったけど。
今はそれ以外に頼れる存在が無かった。
宗教とは、そういう人間にこそ、本当に必要な存在なのだ。
僕は今、そういう人間になっている。
--- 次元の腕---
神様、どうか!!
俺に力を
貴方の奇跡を
ほんの少しでも良いから
僕に分けてください
フォースを助けて
---傷快---
僕の両手が碧く光り、それと同時にフォースの傷がどんどん癒えていく。
治癒とは違う、生物代謝とは違う、特殊な現象がフォースを治した。
「このままじゃ埒が空かん。」
ドレイクは下っぱ達を庇いながら、魔族や魔物達を切り刻んでいく。
その過程で、彼女の顔はどんどん赤黒く染まっていった。
禍々しい魔族の血を、ドレイクに纏わりつく光が浄化していく。
「魔導砲 撃て。」
光の杭は、ドレイクの海賊帽子を吹き飛ばすと、背後の魔獣を、額から脊椎、尻尾までを貫き、灰へと返した。
「全軍、突撃!! 」
ドレイク怯むことも、驚くこともなく、そそくさと走って来た。
「みろ、ポートの国旗や。」
僕もドレイクも、予想外の増援に安堵することは無かった。
僕たちがディアブロスを倒した後、あまりにもタイミングが良すぎる。
僕もドレイクも、お尋ねモノの身である以上、なんの咎めもなく見逃してくれるわけが無い。
「ふんッ。」
危険を察知したフォースが勢いよく起き上がる。
そして、ドレイクと目を合わせた。
互いに無言だ。
ドレイクの顔が次第に紅くなる。
今のドレイクは役に立たない。
僕がどうするべきか考えないと。
「居たぞ。捕まえろ。」
僕は二人を担ぎ、逃げようとした。
[ファイアー・アロー]
一人の術士の魔術が、ガッチリ僕の左脚を捉える。
僕は痛みに悶えながら、地に落ちた。
* * *
「起きろ、王の御前であるぞ!! 」
兵士に籠手で叩かれ、鈍痛で目覚めた。
両手の自由が効かない。
ドゥルガも、乙姫も当然没収されていた。
「やめろ、手荒にしろとは命令していない。」
目の前の厳格な漢は、頭の上に冠を乗せて、紅色のマントを被っている。
「申し遅れた。私がポート王だ。この様な形で王宮に招いてしまって申し訳ない。」
「なんというか……落ち着いているな。ソナタたちは。」
周りを見渡すと、アスピも、フォースも、ドレイクも捕まっていた。
「あいにく、慣れているもんでね。こういう扱いは。」
「貴様っ!! 」
「コラ、待ちなさい。縄を解け。彼らと話をしたい。」
縄を外された瞬間、全身に痛みが走る。
節々が痛い。
「我々を試したな。」
一番最初に口を開いたのはフォースだった。
「すまない。君たちの手配書はビギニア王たちから受け取っている。」
「だからこそ、君達の本質を知りたかった。だから試した。」
ドレイクが眉を顰める。
「モノは言いようやな。ウチらがディアブロスを倒さんかったら見殺しにする気やったんやろ? 」
「そうだ。」
ドレイクが、他の兵士たちに押さえられる。
「アンタのせいで、村も、兄弟達も、フォースも、みんな失うところやったんや。」
「アスィールが回復魔術を使ってくれんかったら!! 」
周りでどよめきが起こる。
そして、フォースもアスピも驚いていた。
どういうことだ?
「アスィール。アンタも神に認められたのよ。」
ポート王は咳払いをすると、僕の方をジッと見た。
しばらく。
それから口を開いた。
「君は教会での洗礼や、修行の経験はあるかね? 」
僕には、セカンドに孤児院から連れ出される以前の記憶が無い。
だけど、それなら以前も回復魔術を使えていた筈だし、それは無いと思う。
「いいえ?その様な経験は全く。」
僕の顔に、紅い液体が降り掛かる。
「王の体に傷をつけたな。死罪じゃ済まんぞ。」
兵士は腰を抜かすと、口をパクパクさせながら、ズルズルと後ずさる。
「やめろ、彼は恩赦する。剣を下ろせ。」
彼はメイド達に右手を差し出し、傷を介抱されながら、僕たちと会話を続ける。
「お前の兄、ディアストもそうだった。」
「教会に信仰を示さなくても、生まれつき回復魔術が使えた。」
「攻撃魔術の最少年齢はだいたい五歳ぐらい。」
「この意味が分かるな。」
アスピはコックリ頷いた。
「はい、兄さんは生まれつき神の……アプスーの奇跡が使えました。」
生まれつき?
ならば、ディアストがあの年齢まで生かされていた理由は……
「勇者の親族は皆そうだ。自身の家族が勇者であることを隠そうとする。無論私でもな。」
僕はアスピを覆うように前へと出た。
皆が警戒する。
ただ、一人、王を除いて。
「僕が勇者だとしたら……どうするの? 処刑する? それともビギニアに引き渡す? 」
「ソナタに力を貸そう。」
震えていた足に力が入らなくなり、膝を突く。
「私に膝付いている時間など無いぞ。」
「オイ、伝説の武具一式を持ってこい。」
兵士達が、顔を真っ赤にしながら、ドゥルガ、乙姫、アペシュ、それから、真紅の鎧と、空色の靴を持って来た。
「コレはソナタに託す。どうか魔王を倒してくれ。」
王が僕に頭を下げる。
僕はどうしたら良いか分からなくて慌てふためいた。
「もうええやろ。ウチの兄弟達を解放してもらおか? 」
王は頭を上げると、ドレイクを睨んだ。
「王に命令するな。それは私が決めることだ。」
「彼らには、海軍として、我が国の兵士になってもらう。」
ドレイクは胡散臭そうな目で彼を見た。
「使えんで、アイツら。」
執事の一人が声を上げた。
「悪人を、役人として起用するなんて、私も納得できません。」
「悪人かどうか、使えるかどうかは、私がこの目で見て判断する。」
「なぜか分かるか? 」
執事は頭を下げて答える。
「ポート王が、王たる所以です。」
そこへドレイクの部下達が入って来た。
「おい、アンタら、ウチ無しでやっていけるわけないやろ? 」
「姐さんは寝相は悪いし、髪の手入れも出来ないし、料理も出来ない。正直もう疲れましたよ。」
王の御前でそんなデリカシーのない事を言われたドレイクがどうなるかは、想像するまでもない。
「貴様らぁッ!! 」
「姐さん、魔王を倒すんだって?行って来なよ。アイ・フリードみたいな立派な海賊になるんだろ? 」
ポート王は僕に一枚の手紙を差し出した。
「ビギニア王から、お前宛の手紙が届いている。今すぐ戻ってくるようにとな。」
ドレイクが拳を突き出して来たので、僕もそれを返した。
「コレが、魔王の幹部っちゅう奴か? 」
「たぶん……そうだと思う。僕もあんまり戦ったことは無かったから。」
「決めた。ウチも魔王を倒す。」
一瞬意味を理解できなかった。
「売られた喧嘩は必ず返す。ウチらのセオリーや。」
そうだ、フォース。
僕が声を上げる前に、ドレイクは、木の根元で倒れているフォースの元へと走っていった。
肋が何本か逝っている。
背中にはべっとりと血が付いていた。
「オイ、アスィール。回復魔術は使えんのか? 」
多分、治癒魔術では間に合わない。
というか、身体に余計な負荷を掛けて余計にフォースを苦しめてしまうかもしれない。
僕は額に汗をかきながら、恐る恐るドレイクへと問うた。
「ドレイクは? 」
「……ウチが有神者に見えるか? 」
アスピを呼びにアジトまで戻るか……
いや、それじゃ間に合わない。
「姐さ~ん。」
ドレイクは下っぱ達の悲鳴を聞き取ると、苦虫を噛み締める様な顔をして、それから火中へと走っていた。
今、彼を救えるのは僕だけだ。
正直、神とか信じてなかったけど。
今はそれ以外に頼れる存在が無かった。
宗教とは、そういう人間にこそ、本当に必要な存在なのだ。
僕は今、そういう人間になっている。
--- 次元の腕---
神様、どうか!!
俺に力を
貴方の奇跡を
ほんの少しでも良いから
僕に分けてください
フォースを助けて
---傷快---
僕の両手が碧く光り、それと同時にフォースの傷がどんどん癒えていく。
治癒とは違う、生物代謝とは違う、特殊な現象がフォースを治した。
「このままじゃ埒が空かん。」
ドレイクは下っぱ達を庇いながら、魔族や魔物達を切り刻んでいく。
その過程で、彼女の顔はどんどん赤黒く染まっていった。
禍々しい魔族の血を、ドレイクに纏わりつく光が浄化していく。
「魔導砲 撃て。」
光の杭は、ドレイクの海賊帽子を吹き飛ばすと、背後の魔獣を、額から脊椎、尻尾までを貫き、灰へと返した。
「全軍、突撃!! 」
ドレイク怯むことも、驚くこともなく、そそくさと走って来た。
「みろ、ポートの国旗や。」
僕もドレイクも、予想外の増援に安堵することは無かった。
僕たちがディアブロスを倒した後、あまりにもタイミングが良すぎる。
僕もドレイクも、お尋ねモノの身である以上、なんの咎めもなく見逃してくれるわけが無い。
「ふんッ。」
危険を察知したフォースが勢いよく起き上がる。
そして、ドレイクと目を合わせた。
互いに無言だ。
ドレイクの顔が次第に紅くなる。
今のドレイクは役に立たない。
僕がどうするべきか考えないと。
「居たぞ。捕まえろ。」
僕は二人を担ぎ、逃げようとした。
[ファイアー・アロー]
一人の術士の魔術が、ガッチリ僕の左脚を捉える。
僕は痛みに悶えながら、地に落ちた。
* * *
「起きろ、王の御前であるぞ!! 」
兵士に籠手で叩かれ、鈍痛で目覚めた。
両手の自由が効かない。
ドゥルガも、乙姫も当然没収されていた。
「やめろ、手荒にしろとは命令していない。」
目の前の厳格な漢は、頭の上に冠を乗せて、紅色のマントを被っている。
「申し遅れた。私がポート王だ。この様な形で王宮に招いてしまって申し訳ない。」
「なんというか……落ち着いているな。ソナタたちは。」
周りを見渡すと、アスピも、フォースも、ドレイクも捕まっていた。
「あいにく、慣れているもんでね。こういう扱いは。」
「貴様っ!! 」
「コラ、待ちなさい。縄を解け。彼らと話をしたい。」
縄を外された瞬間、全身に痛みが走る。
節々が痛い。
「我々を試したな。」
一番最初に口を開いたのはフォースだった。
「すまない。君たちの手配書はビギニア王たちから受け取っている。」
「だからこそ、君達の本質を知りたかった。だから試した。」
ドレイクが眉を顰める。
「モノは言いようやな。ウチらがディアブロスを倒さんかったら見殺しにする気やったんやろ? 」
「そうだ。」
ドレイクが、他の兵士たちに押さえられる。
「アンタのせいで、村も、兄弟達も、フォースも、みんな失うところやったんや。」
「アスィールが回復魔術を使ってくれんかったら!! 」
周りでどよめきが起こる。
そして、フォースもアスピも驚いていた。
どういうことだ?
「アスィール。アンタも神に認められたのよ。」
ポート王は咳払いをすると、僕の方をジッと見た。
しばらく。
それから口を開いた。
「君は教会での洗礼や、修行の経験はあるかね? 」
僕には、セカンドに孤児院から連れ出される以前の記憶が無い。
だけど、それなら以前も回復魔術を使えていた筈だし、それは無いと思う。
「いいえ?その様な経験は全く。」
僕の顔に、紅い液体が降り掛かる。
「王の体に傷をつけたな。死罪じゃ済まんぞ。」
兵士は腰を抜かすと、口をパクパクさせながら、ズルズルと後ずさる。
「やめろ、彼は恩赦する。剣を下ろせ。」
彼はメイド達に右手を差し出し、傷を介抱されながら、僕たちと会話を続ける。
「お前の兄、ディアストもそうだった。」
「教会に信仰を示さなくても、生まれつき回復魔術が使えた。」
「攻撃魔術の最少年齢はだいたい五歳ぐらい。」
「この意味が分かるな。」
アスピはコックリ頷いた。
「はい、兄さんは生まれつき神の……アプスーの奇跡が使えました。」
生まれつき?
ならば、ディアストがあの年齢まで生かされていた理由は……
「勇者の親族は皆そうだ。自身の家族が勇者であることを隠そうとする。無論私でもな。」
僕はアスピを覆うように前へと出た。
皆が警戒する。
ただ、一人、王を除いて。
「僕が勇者だとしたら……どうするの? 処刑する? それともビギニアに引き渡す? 」
「ソナタに力を貸そう。」
震えていた足に力が入らなくなり、膝を突く。
「私に膝付いている時間など無いぞ。」
「オイ、伝説の武具一式を持ってこい。」
兵士達が、顔を真っ赤にしながら、ドゥルガ、乙姫、アペシュ、それから、真紅の鎧と、空色の靴を持って来た。
「コレはソナタに託す。どうか魔王を倒してくれ。」
王が僕に頭を下げる。
僕はどうしたら良いか分からなくて慌てふためいた。
「もうええやろ。ウチの兄弟達を解放してもらおか? 」
王は頭を上げると、ドレイクを睨んだ。
「王に命令するな。それは私が決めることだ。」
「彼らには、海軍として、我が国の兵士になってもらう。」
ドレイクは胡散臭そうな目で彼を見た。
「使えんで、アイツら。」
執事の一人が声を上げた。
「悪人を、役人として起用するなんて、私も納得できません。」
「悪人かどうか、使えるかどうかは、私がこの目で見て判断する。」
「なぜか分かるか? 」
執事は頭を下げて答える。
「ポート王が、王たる所以です。」
そこへドレイクの部下達が入って来た。
「おい、アンタら、ウチ無しでやっていけるわけないやろ? 」
「姐さんは寝相は悪いし、髪の手入れも出来ないし、料理も出来ない。正直もう疲れましたよ。」
王の御前でそんなデリカシーのない事を言われたドレイクがどうなるかは、想像するまでもない。
「貴様らぁッ!! 」
「姐さん、魔王を倒すんだって?行って来なよ。アイ・フリードみたいな立派な海賊になるんだろ? 」
ポート王は僕に一枚の手紙を差し出した。
「ビギニア王から、お前宛の手紙が届いている。今すぐ戻ってくるようにとな。」
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