2 / 109
代行者
一番最初の啓示
しおりを挟む
次の日、私は何事もなかったように持ち場へ戻った。
あの女の手当が上手いのか、それとも私が丈夫なのか。
だが身体が丈夫であるかそうでないかというのは、どうでも良いことなのだ。彼ら神族が蔓延るこの世界では……
彼ら神族そうだ、まず君達には神族というものが何かを説明しなければならない。
君達は神と聞いて、神聖なものや、荘厳なものを想像するであろう。
私たちが、人の皮を被った獣だというのなら……そうだな、彼らは天使の皮を被った悪魔だ。
彼らには人間には無い力がある、魔法がある。それゆえに、彼らが世界を牛耳るのは容易かった。
彼らは周辺諸国へ侵略を繰り返すと、帝国歴1052年を神歴元年と改め、首都アグスを中心とし、グラン帝国を設立した。
それからというものの、神族は我ら人類を家畜とし、各地の収容所で飼っている。
私が今いるシベリアという場所も、その収容所の一つだ。
もはやこの世に、家畜以外の人類は存在しない。
あとは彼ら悪魔だけだ。
「逃げろ!!崩落するぞ。」
奥で坑夫たちの悲鳴が聞こえる。どこぞのバカが、水脈を引き当てたのだろう。
こういうことは割と良くあった。坑道内にガスが充満して、ダイナマイトを使った人間が、坑道ごと爆発四散したり、急に大雨が降り、坑道内の人間がそのまま閉じ込められたり。
だが、今回は違った。
と、私は何を悠長に考え事をしているのであろう。
井戸水は、すでに足首を飲み込んでいて……
なんだ??苦しいな。爆発、汚水による窒息死、餓死。いつか私は死ぬはずであろう。
なら、この死に方は、とても幸せなものなのではなかろうか??
私はここで死ぬ。死んでどうなるのであろうか??土に帰るのか??それとも転生するのであろうか------------------------ーーーーーーーーーーー_________________________________________________________________________
苦しく無い。
ここは……
黄昏に聳え立つ大理石の宮殿が見える。
私は、足を引きずり、足元の花たちを踏み抜きながら、宮殿の階段を登った。
"ここは天国か??私は多分死んだのであろう。だから今、私は大理石の階段を登っているのであろう。
宮殿の玉座に座っていたのは……
「やぁ迷える子羊ちゃん。こんにちは😃」
女とも男とも、老人とも子供とも言い難い容姿。
「アレ?? まだ夕方だよね。こんばんはにはまだ早い気がするんだが?? 」
私と同じ立場に立たされた者は、みんな同じ問いをしたであろう。
「あなたが神ですか??」
玉座に座っていた女?は首を横に振った。
「神か??カミならいるよ、私の隣にいる人間、彼こそがカミだよ。」
彼女に言われてようやく気がついた。二十代後半と思われる黒服の男が、じっと私を見ていた。
私は彼を見るやいなや、いきなり食いかかった。今思えば、あの時の私は、とても愚かだったと思われる。
「あなたが神ですか?? ならなぜ神族の横暴に対して見て見ぬふりを続けるのです?? なぜ人間を救わない??」
すると玉座のソレが、先に答えた。
「救えないのさ、僕達じゃ。だから言っただろ蝠岡、世界は電脳化しようって。これじゃエラーをデリートできないじゃ無いか。」
黒服は玉座のソレに、ため息混じりの言葉を返した。
「そうだ、デリート出来てしまうと困る。私も君も、いずれ奴ら大家族同盟に捕まる。その時、ボタン一つで私の創った世界がなかったことになってしまうのは我慢ならない。」
「それに、この計画は元々、奴らが主導したプロジェクトじゃないか。私は自分の責務を最後まで真っ当したまでのこと。梯子を外して来たのは奴らだ。まぁまざか、ソースまでそのまま書き換えられるとは思わなかったがな。私は一夜でテロリストに転身だ。」
玉座のソレは鼻で笑った。
「その腹いせに世界を一から作り上げるなんて、キミもキミだと思うけど。」
この方々は何を言っているのだろう。
「あの……神というのは、そんなにたくさんいらっしゃるのでしょうか?? 」
その問いに黒服が答えてくれた。
「神……か。私は神を見たことが無いから、いるとも言えないし、いないとも言えない。」
「さっき、玉座の方は、あなたをカミだと……」
玉座のソレは、肘掛けに顎をついた。
「で、キミ?やるのやらないの?? いや、別にキミじゃなくても良いんだよ。こんな役、キミじゃなくても務まるんだからさ。」
私は混乱してた。
「やる?? 何を。ちっぽけな私に何が出来る?? 」
「だ・か・ら神族のデリートだよ。神族を一人残らずこの世から葬り去ること。あ、サンプルに二、三体置いといてね。蝠岡くんがよりをかけて創った最・高・傑・作・もったいないでしょ?? 」
"この女? は何を言っているのであろう。私は虐げられる側の存在であったから、あんな薄暗い場所で、家畜の真似事をしていたのだ。奴らをこの世から一匹残らず葬り去れるなら、最初からそうしている。"
「おっ、キミの決意、確かに受け取ったよ。別に返事はいらない。だって僕が決めたから。そうだな。キミに奴等神族勝つための力をやろう。」
「はっ」
気がつくと、彼は坑道の外に立っていた。雪が降っている。寒い。
「私は確か、坑道で溺れて……ソレで。」
「なんだ生きているじゃないか。」
不意に、私の三メートル先で雷が落ちた。
凄まじい衝撃派とともに、死の匂いが周囲に広がっていく……
その波に触れた生物は、神族、人間関係なく「変異」していった。
あの女の手当が上手いのか、それとも私が丈夫なのか。
だが身体が丈夫であるかそうでないかというのは、どうでも良いことなのだ。彼ら神族が蔓延るこの世界では……
彼ら神族そうだ、まず君達には神族というものが何かを説明しなければならない。
君達は神と聞いて、神聖なものや、荘厳なものを想像するであろう。
私たちが、人の皮を被った獣だというのなら……そうだな、彼らは天使の皮を被った悪魔だ。
彼らには人間には無い力がある、魔法がある。それゆえに、彼らが世界を牛耳るのは容易かった。
彼らは周辺諸国へ侵略を繰り返すと、帝国歴1052年を神歴元年と改め、首都アグスを中心とし、グラン帝国を設立した。
それからというものの、神族は我ら人類を家畜とし、各地の収容所で飼っている。
私が今いるシベリアという場所も、その収容所の一つだ。
もはやこの世に、家畜以外の人類は存在しない。
あとは彼ら悪魔だけだ。
「逃げろ!!崩落するぞ。」
奥で坑夫たちの悲鳴が聞こえる。どこぞのバカが、水脈を引き当てたのだろう。
こういうことは割と良くあった。坑道内にガスが充満して、ダイナマイトを使った人間が、坑道ごと爆発四散したり、急に大雨が降り、坑道内の人間がそのまま閉じ込められたり。
だが、今回は違った。
と、私は何を悠長に考え事をしているのであろう。
井戸水は、すでに足首を飲み込んでいて……
なんだ??苦しいな。爆発、汚水による窒息死、餓死。いつか私は死ぬはずであろう。
なら、この死に方は、とても幸せなものなのではなかろうか??
私はここで死ぬ。死んでどうなるのであろうか??土に帰るのか??それとも転生するのであろうか------------------------ーーーーーーーーーーー_________________________________________________________________________
苦しく無い。
ここは……
黄昏に聳え立つ大理石の宮殿が見える。
私は、足を引きずり、足元の花たちを踏み抜きながら、宮殿の階段を登った。
"ここは天国か??私は多分死んだのであろう。だから今、私は大理石の階段を登っているのであろう。
宮殿の玉座に座っていたのは……
「やぁ迷える子羊ちゃん。こんにちは😃」
女とも男とも、老人とも子供とも言い難い容姿。
「アレ?? まだ夕方だよね。こんばんはにはまだ早い気がするんだが?? 」
私と同じ立場に立たされた者は、みんな同じ問いをしたであろう。
「あなたが神ですか??」
玉座に座っていた女?は首を横に振った。
「神か??カミならいるよ、私の隣にいる人間、彼こそがカミだよ。」
彼女に言われてようやく気がついた。二十代後半と思われる黒服の男が、じっと私を見ていた。
私は彼を見るやいなや、いきなり食いかかった。今思えば、あの時の私は、とても愚かだったと思われる。
「あなたが神ですか?? ならなぜ神族の横暴に対して見て見ぬふりを続けるのです?? なぜ人間を救わない??」
すると玉座のソレが、先に答えた。
「救えないのさ、僕達じゃ。だから言っただろ蝠岡、世界は電脳化しようって。これじゃエラーをデリートできないじゃ無いか。」
黒服は玉座のソレに、ため息混じりの言葉を返した。
「そうだ、デリート出来てしまうと困る。私も君も、いずれ奴ら大家族同盟に捕まる。その時、ボタン一つで私の創った世界がなかったことになってしまうのは我慢ならない。」
「それに、この計画は元々、奴らが主導したプロジェクトじゃないか。私は自分の責務を最後まで真っ当したまでのこと。梯子を外して来たのは奴らだ。まぁまざか、ソースまでそのまま書き換えられるとは思わなかったがな。私は一夜でテロリストに転身だ。」
玉座のソレは鼻で笑った。
「その腹いせに世界を一から作り上げるなんて、キミもキミだと思うけど。」
この方々は何を言っているのだろう。
「あの……神というのは、そんなにたくさんいらっしゃるのでしょうか?? 」
その問いに黒服が答えてくれた。
「神……か。私は神を見たことが無いから、いるとも言えないし、いないとも言えない。」
「さっき、玉座の方は、あなたをカミだと……」
玉座のソレは、肘掛けに顎をついた。
「で、キミ?やるのやらないの?? いや、別にキミじゃなくても良いんだよ。こんな役、キミじゃなくても務まるんだからさ。」
私は混乱してた。
「やる?? 何を。ちっぽけな私に何が出来る?? 」
「だ・か・ら神族のデリートだよ。神族を一人残らずこの世から葬り去ること。あ、サンプルに二、三体置いといてね。蝠岡くんがよりをかけて創った最・高・傑・作・もったいないでしょ?? 」
"この女? は何を言っているのであろう。私は虐げられる側の存在であったから、あんな薄暗い場所で、家畜の真似事をしていたのだ。奴らをこの世から一匹残らず葬り去れるなら、最初からそうしている。"
「おっ、キミの決意、確かに受け取ったよ。別に返事はいらない。だって僕が決めたから。そうだな。キミに奴等神族勝つための力をやろう。」
「はっ」
気がつくと、彼は坑道の外に立っていた。雪が降っている。寒い。
「私は確か、坑道で溺れて……ソレで。」
「なんだ生きているじゃないか。」
不意に、私の三メートル先で雷が落ちた。
凄まじい衝撃派とともに、死の匂いが周囲に広がっていく……
その波に触れた生物は、神族、人間関係なく「変異」していった。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる