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侵略者
ジェラート溶けちゃった
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彼女はジェラート屋の屋台の前に来ると、引換券を二枚店員に渡した。
「私はストロベリー。慎二は何にするの? 」
「んなら俺はチョコレートミントで。」
「じゃあコレ、スカイハイってのをお願いしまーす。」
無愛想な店員は、注文を受け取ると、バケットから無言でジェラートを取り出した。
スパチュラで大きな塊を掬うと、コーンの上に乗せる。
「キャー。」
甲高い悲鳴と共に、
「ドゴーン。」
向かいの高層ビルの最上階あたりで爆発が起こる。
俺はそれを見るや否や、車道に飛び出した。
「ピーッ。」
「おい、あぶねえだろバカ。」
俺は親切なおじさんのエルカミーノを飛び越え、大きく跳躍した。
「行けるか凛月? 」
---任せて慎二ッ---
腰から凛月を取り出すと、身体の磁場を変化させる。
久しぶりの能力施工で感覚がうまく掴めない。
それとも鍵穴が変わったせいでうまく力を扱えていないのか?
慣れない感覚を、力技で進む。
幸いにも労働のお陰で体力は衰えていなかった。
俺は最後の一歩を思いっきり蹴飛ばすと、空高く飛び上がり、屋上に着地する。
屋上では、見覚えのある人間が、正体不明の存在に追い詰められていた。
「慎二ッ。」
斥は片膝をついて、その場にうずくまっていた。
「困った。俺の能力が干渉できない人間がいるとはなぁ。」
「慎二、気をつけろ。ソイツは、詠唱も、術式も使わない。イキナリ技が発動するんだ。」
「解説ご苦労ッ!! 」
闖入者が両腕を天に掲げると、ビルにヒビが入り崩れ始める。
俺は慌てて磁力操作を使い、ビルを立て直そうとした。
下にはまだ、黒澄を含め、多くの人が残っている。
「能力がうまく使えねえ。」
すると斥が、顔を顰めて、右手をビルに打ち付けた。
「傾いた箇所が元に取り始める。」
「おおっとあぶね。」
闖入者が体勢を崩したその瞬間を俺は見逃さなかった。
地面を蹴り、奴の身体に刃を向ける。
「あぶねえなぁ。」
身体がゴムのように伸びて、俺は元いた場所まで弾き返された。
"身体を自由に操れるのか。この能力はクロだな。"
「今度はこっちの番だぜ。」
闖入者は屋上のコンクリートを、正体不明の力で持ち上げると、
それを砕いてこちらに飛ばしてくる。
粉塵が陽の光に反射して雪のように光っている。
"なんだ、何が起こっている? "
俺は反時計回りに移動し、重力操作を行なっている斥の前で仁王立ちした。
左手のチャクラムを盾のように翳して、未知術を発動させる。
---雷核---
コイルに電撃が走り、電流の壁が展開される。
飛び散った破片が、俺の頬を掠った、太もも、腕を掠り始める。
痛みは感じない。
が、
おかしな感覚だ。
傷が治らないってまぁ普通の感覚であろうに。
この違和感は、俺が普通では無かったからだ。
奴の攻撃が止む。
彼は再び俺に金剛の吹雪を浴びせるためにリロードを開始している。
---翔雷---
アンペールの法則を操作して、一瞬で彼との距離を詰める。
コレが、今、俺が使える最速の術式だ。
「そうこなくっちゃなぁ。」
俺は凛月で空を斬った。
"早すぎて見えなかった。"
辺りを見回し、彼が屋上から仰向けに落ちていくのを見た。
小太刀を放り投げると、凛月を操作して、それを闖入者へと飛ばす。
「ハハハハ、効かねえよそんな小細工。」
小太刀が反対側のビルに刺さる。
俺は屋上から飛び降りると、磁力操作をし、反対側の壁へと乗り移った。
そして体勢を整えると、壁を走り始める。
闖入者は俺に向けて右手を向けている。
俺がその場を離れるとほぼ同時に、迸る光が放出される。
「プラズマ? 」
神との激戦の中、奴が使ってきた能力とおそらく同じものだ。
看守に持って来てもらった、極東工業真書初級編が正しければ……
---雷神砲---
電子を横方向から当てて磁場を変化させる。
横にそれたプラズマが、違法駐車されていた車道の車に直撃し、大爆発を起こす。
「お前だろ、割田を倒したって言うのはよぉ。」
彼はプラズマを放ちながら、摩天楼を飛び回っている。
俺はそれを未知術で反らしながら、壁をつたい、彼を追いかける。
「大したことねえよな。」
「そう言うお前も、随分と小洒落た魔術具をもっていやがるな。」
彼は首を傾げた。
「魔術具? 」
「なんじゃそりゃ。」
"魔術具を知らない? "
「もしかして、お前は俺がジャーナルで何か武器を使っていると、お前は勘違いしてんのか? 」
「コレは俺の能力だよ。俺が生まれた時、俺に宿った力。」
「俺はお前らとは違う。」
「最っ強なんだよぉぉぉぉぉぉ。」
俺の小太刀が、後ろから彼の首を縛り上げる。
「捕らえたぞ!! 」
彼を鎖ごと引っ張り、ビルの壁に激突させる。
それを引き出して今度は車道に叩きつけようとした。
"奴がいない? "
縛り上げた小太刀から彼の姿が消えている。
「甘めめめえええんだよ!! 」
彼の両手から巨大なハンマーが出現する。
彼はそれを俺に向けて振り上げた
「ぐがぁっ。」
奴の攻撃が俺に直撃する。
内臓が激しく振動した。
俺が再び屋上に投げ返されると、彼は「チッ。」
と舌打ちをして、突然その場から姿を消した。
「少し遅かったようだな。」
「私たちも甘かったです。」
麻川たちがやって来た。
「慎二ッ!! 」
黒澄はジェラートを投げ捨てると、俺の元に走ってくる。
「また一人で無茶して!! 」
「一人じゃ無いさ。」
俺は斥を指差した。
麻川が能力を使い、ビルに応急処置を行う。
ビルの傾きが治った。
「麻川、例田は? 」
彼は首を横に振った。
「存在そのものが完全に消えている。例田の能力なら魔力残留すらも残るのに。」
「とりあえず救急車を。」
羽々斬が端末を取り出し、どこかへコールをしている。
そこで俺の意識は途切れた。
「私はストロベリー。慎二は何にするの? 」
「んなら俺はチョコレートミントで。」
「じゃあコレ、スカイハイってのをお願いしまーす。」
無愛想な店員は、注文を受け取ると、バケットから無言でジェラートを取り出した。
スパチュラで大きな塊を掬うと、コーンの上に乗せる。
「キャー。」
甲高い悲鳴と共に、
「ドゴーン。」
向かいの高層ビルの最上階あたりで爆発が起こる。
俺はそれを見るや否や、車道に飛び出した。
「ピーッ。」
「おい、あぶねえだろバカ。」
俺は親切なおじさんのエルカミーノを飛び越え、大きく跳躍した。
「行けるか凛月? 」
---任せて慎二ッ---
腰から凛月を取り出すと、身体の磁場を変化させる。
久しぶりの能力施工で感覚がうまく掴めない。
それとも鍵穴が変わったせいでうまく力を扱えていないのか?
慣れない感覚を、力技で進む。
幸いにも労働のお陰で体力は衰えていなかった。
俺は最後の一歩を思いっきり蹴飛ばすと、空高く飛び上がり、屋上に着地する。
屋上では、見覚えのある人間が、正体不明の存在に追い詰められていた。
「慎二ッ。」
斥は片膝をついて、その場にうずくまっていた。
「困った。俺の能力が干渉できない人間がいるとはなぁ。」
「慎二、気をつけろ。ソイツは、詠唱も、術式も使わない。イキナリ技が発動するんだ。」
「解説ご苦労ッ!! 」
闖入者が両腕を天に掲げると、ビルにヒビが入り崩れ始める。
俺は慌てて磁力操作を使い、ビルを立て直そうとした。
下にはまだ、黒澄を含め、多くの人が残っている。
「能力がうまく使えねえ。」
すると斥が、顔を顰めて、右手をビルに打ち付けた。
「傾いた箇所が元に取り始める。」
「おおっとあぶね。」
闖入者が体勢を崩したその瞬間を俺は見逃さなかった。
地面を蹴り、奴の身体に刃を向ける。
「あぶねえなぁ。」
身体がゴムのように伸びて、俺は元いた場所まで弾き返された。
"身体を自由に操れるのか。この能力はクロだな。"
「今度はこっちの番だぜ。」
闖入者は屋上のコンクリートを、正体不明の力で持ち上げると、
それを砕いてこちらに飛ばしてくる。
粉塵が陽の光に反射して雪のように光っている。
"なんだ、何が起こっている? "
俺は反時計回りに移動し、重力操作を行なっている斥の前で仁王立ちした。
左手のチャクラムを盾のように翳して、未知術を発動させる。
---雷核---
コイルに電撃が走り、電流の壁が展開される。
飛び散った破片が、俺の頬を掠った、太もも、腕を掠り始める。
痛みは感じない。
が、
おかしな感覚だ。
傷が治らないってまぁ普通の感覚であろうに。
この違和感は、俺が普通では無かったからだ。
奴の攻撃が止む。
彼は再び俺に金剛の吹雪を浴びせるためにリロードを開始している。
---翔雷---
アンペールの法則を操作して、一瞬で彼との距離を詰める。
コレが、今、俺が使える最速の術式だ。
「そうこなくっちゃなぁ。」
俺は凛月で空を斬った。
"早すぎて見えなかった。"
辺りを見回し、彼が屋上から仰向けに落ちていくのを見た。
小太刀を放り投げると、凛月を操作して、それを闖入者へと飛ばす。
「ハハハハ、効かねえよそんな小細工。」
小太刀が反対側のビルに刺さる。
俺は屋上から飛び降りると、磁力操作をし、反対側の壁へと乗り移った。
そして体勢を整えると、壁を走り始める。
闖入者は俺に向けて右手を向けている。
俺がその場を離れるとほぼ同時に、迸る光が放出される。
「プラズマ? 」
神との激戦の中、奴が使ってきた能力とおそらく同じものだ。
看守に持って来てもらった、極東工業真書初級編が正しければ……
---雷神砲---
電子を横方向から当てて磁場を変化させる。
横にそれたプラズマが、違法駐車されていた車道の車に直撃し、大爆発を起こす。
「お前だろ、割田を倒したって言うのはよぉ。」
彼はプラズマを放ちながら、摩天楼を飛び回っている。
俺はそれを未知術で反らしながら、壁をつたい、彼を追いかける。
「大したことねえよな。」
「そう言うお前も、随分と小洒落た魔術具をもっていやがるな。」
彼は首を傾げた。
「魔術具? 」
「なんじゃそりゃ。」
"魔術具を知らない? "
「もしかして、お前は俺がジャーナルで何か武器を使っていると、お前は勘違いしてんのか? 」
「コレは俺の能力だよ。俺が生まれた時、俺に宿った力。」
「俺はお前らとは違う。」
「最っ強なんだよぉぉぉぉぉぉ。」
俺の小太刀が、後ろから彼の首を縛り上げる。
「捕らえたぞ!! 」
彼を鎖ごと引っ張り、ビルの壁に激突させる。
それを引き出して今度は車道に叩きつけようとした。
"奴がいない? "
縛り上げた小太刀から彼の姿が消えている。
「甘めめめえええんだよ!! 」
彼の両手から巨大なハンマーが出現する。
彼はそれを俺に向けて振り上げた
「ぐがぁっ。」
奴の攻撃が俺に直撃する。
内臓が激しく振動した。
俺が再び屋上に投げ返されると、彼は「チッ。」
と舌打ちをして、突然その場から姿を消した。
「少し遅かったようだな。」
「私たちも甘かったです。」
麻川たちがやって来た。
「慎二ッ!! 」
黒澄はジェラートを投げ捨てると、俺の元に走ってくる。
「また一人で無茶して!! 」
「一人じゃ無いさ。」
俺は斥を指差した。
麻川が能力を使い、ビルに応急処置を行う。
ビルの傾きが治った。
「麻川、例田は? 」
彼は首を横に振った。
「存在そのものが完全に消えている。例田の能力なら魔力残留すらも残るのに。」
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