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報復
不審死
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三人でハーキマの宿屋を後にした。
「あの宿屋の娘とは仲が良いのか? 」
俺はリームに聞いた。
「腐れ縁よ。ヤテンも私も。」
「後、双薔もね。」
ちょっと意外だった。
というのも、俺が彼女と対峙したのは、中の悪魔が出てきていた時だけであり、中に元の人格が残っていたことすら知らなかったからだ。
彼女にも彼女の生活が存在していて、家族がおり、友人がいたことに驚いた。
が、美奈も皇后になる前は普通の少女だった。
そう考えると不思議ではないのかもしれない。
俺はふと、掲示板に貼り付けられている注意書きを見た。
そしてMに言われたことを思い出す。
「俺たちをここに呼んだのは……」
ヤテンが答える。
「お前の考えている通りだよ。」
「ここ最近、術式の特定できない変死体が増えた。」
「こんな時に首脳会談なんてな、何か起こるとしか思わなえぜ。」
「俺たちは反対したんだぜ首脳会談を。」
彼はため息をついた。
「目撃情報の資料とかは無いか? 」
「それなら騎士団が教会と協力して穴が開くほど調査がされたみたいだから問題ない。」
「それより問題なのは。」
俺は続きが気になった。
「なんだ? 」
「調査隊を派遣したんだ。この頃事件が多すぎるからな。帝国の周りに何か潜んでいるじゃないかと思って。」
俺は察した。
「帰ってこないんだな。」
「そうだ。探しに行くにも、帝国内の護衛で手一杯で捜索に人員を割くことも出来ない。」
「そもそもおかしいんだ。証拠が何も残らないなんて。」
間違いない、この事例も。
「外の人間だ。」
リームが俺たちの肩を叩いた。
「違法売春。摘発しに行くわよ。」
ふと彼女が指差す方を見ると、他のセル帝国と違う服を着た色白の女が男を裏路地に連れ込もうとしている。
ヤテンは難しい顔をした。
俺はヤテンに訊いた。
「この国も売春は違法なのか? 」
「まぁな。だが今はそんなことで、書類を書かされる時間も余裕も無いんだよ。強盗とか殺人と違って直接的な実害も無い。」
リームがそれを否定した。
「実害ならあるわ。あの女、見たところこの国の人間では無いし、この国で性病が蔓延すれば、医療施設が逼迫しちゃう。」
「ホラ、行くわよ!! 」
俺はリームに耳を引っ張られる。
「ええ? 俺も行くんですか? 」
「どっちにしろでしょ。お前みたいな危険人物を一人にして置けない。操作に協力しなさい台与鬼子。」
俺たち三人は、彼らが入った路地とは、別の路地に入ると、壁を登り始めた。
すると彼女たちは、裏路地の廃墟に入っていくところで、ヤテンと俺は、それをマジマジと見る。
後ろからゲンコツが飛んできたところで、帯の縄を締め直して、再び調査を再開する。
五分後、出てきたのは女だけだった。
「おかしい。男はなぜ出てこない。」
リームが見下すような目で言葉を吐き捨てた。
「果てて立ち上がれないんでしょ。」
「それにしても、そんな無防備な客を廃墟に放置して立ち去るか? 」
とりあえず俺たちがやることは一つ。
目の前で行われた違法行為を取り締まるということ。
それだけ。
俺は立ち去ろうとしている女の前に飛び降りる。
「ちょっと待ってくれるかなお姉さん。」
ヤテンたちが、廃墟に入り、男を拘束しようとしている。
「なーにボウヤ? キミも気持ちよくしてあげようか? 」
「それは、男の安否を確認してからかな。」
腰の凛月を取り出した。
犯行が確認できない理由。
それは犯人が売春を装って人を殺しているからだ。
奥から険しい顔で女を睨みつけるヤテンたちが出てくる。
「黒だ台与鬼子。ソイツをとっ捕まえろ。出来ないなら殺せ。」
「ハァ。見つかっちゃったのなら仕方ないわね。貴方たちも私のコレクションにしてあげるわ。」
太ももから血濡れた凶器を取り出して、俺に奮ってくる。
後ろではリームが、極東産のエネルギーボックス片手に、悪魔術を行使しようとしていた。
放たれた風の刃を、突如現れた火の壁が相殺する。
「私は忠告したわよ。西郷女鳥。」
眼鏡をかけた女が、本のページを捲りながら、ゆっくりと降りてくる。
「禁欲主義の平等社会じゃこんなこと出来ないじゃない。楽しむべきよ。」
「それは結構だけど……私に手間をかけさせないでくれるかしら。リーダーから貴方を任されている私の身にもなってほしい。」
「すべこべうるさいわよ炎道。」
「ようはコイツらを殺してしまえば、全て丸く収まるわけでしょ? 」
「奴らは私たちの超能力を感知する能力が無いみたいだし。」
「殺してあのお猿さんと共に廃墟の中に放っちゃいましょう。」
炎道がため息をついた。
「私を巻き込まないでほしいんだけど。」
「まぁ私も退屈していたし。」
「容赦はしないけどなァ。」
彼女は能力で地面を爆発させ、その力で彼ら二人に飛びかかる。
西郷という女がその隙に壁を登り始め、急降下すると、俺に蹴りをお見舞いしてきた。
「ボウヤの相手は私よ。」
再び能力者との戦闘が始まる。
「あの宿屋の娘とは仲が良いのか? 」
俺はリームに聞いた。
「腐れ縁よ。ヤテンも私も。」
「後、双薔もね。」
ちょっと意外だった。
というのも、俺が彼女と対峙したのは、中の悪魔が出てきていた時だけであり、中に元の人格が残っていたことすら知らなかったからだ。
彼女にも彼女の生活が存在していて、家族がおり、友人がいたことに驚いた。
が、美奈も皇后になる前は普通の少女だった。
そう考えると不思議ではないのかもしれない。
俺はふと、掲示板に貼り付けられている注意書きを見た。
そしてMに言われたことを思い出す。
「俺たちをここに呼んだのは……」
ヤテンが答える。
「お前の考えている通りだよ。」
「ここ最近、術式の特定できない変死体が増えた。」
「こんな時に首脳会談なんてな、何か起こるとしか思わなえぜ。」
「俺たちは反対したんだぜ首脳会談を。」
彼はため息をついた。
「目撃情報の資料とかは無いか? 」
「それなら騎士団が教会と協力して穴が開くほど調査がされたみたいだから問題ない。」
「それより問題なのは。」
俺は続きが気になった。
「なんだ? 」
「調査隊を派遣したんだ。この頃事件が多すぎるからな。帝国の周りに何か潜んでいるじゃないかと思って。」
俺は察した。
「帰ってこないんだな。」
「そうだ。探しに行くにも、帝国内の護衛で手一杯で捜索に人員を割くことも出来ない。」
「そもそもおかしいんだ。証拠が何も残らないなんて。」
間違いない、この事例も。
「外の人間だ。」
リームが俺たちの肩を叩いた。
「違法売春。摘発しに行くわよ。」
ふと彼女が指差す方を見ると、他のセル帝国と違う服を着た色白の女が男を裏路地に連れ込もうとしている。
ヤテンは難しい顔をした。
俺はヤテンに訊いた。
「この国も売春は違法なのか? 」
「まぁな。だが今はそんなことで、書類を書かされる時間も余裕も無いんだよ。強盗とか殺人と違って直接的な実害も無い。」
リームがそれを否定した。
「実害ならあるわ。あの女、見たところこの国の人間では無いし、この国で性病が蔓延すれば、医療施設が逼迫しちゃう。」
「ホラ、行くわよ!! 」
俺はリームに耳を引っ張られる。
「ええ? 俺も行くんですか? 」
「どっちにしろでしょ。お前みたいな危険人物を一人にして置けない。操作に協力しなさい台与鬼子。」
俺たち三人は、彼らが入った路地とは、別の路地に入ると、壁を登り始めた。
すると彼女たちは、裏路地の廃墟に入っていくところで、ヤテンと俺は、それをマジマジと見る。
後ろからゲンコツが飛んできたところで、帯の縄を締め直して、再び調査を再開する。
五分後、出てきたのは女だけだった。
「おかしい。男はなぜ出てこない。」
リームが見下すような目で言葉を吐き捨てた。
「果てて立ち上がれないんでしょ。」
「それにしても、そんな無防備な客を廃墟に放置して立ち去るか? 」
とりあえず俺たちがやることは一つ。
目の前で行われた違法行為を取り締まるということ。
それだけ。
俺は立ち去ろうとしている女の前に飛び降りる。
「ちょっと待ってくれるかなお姉さん。」
ヤテンたちが、廃墟に入り、男を拘束しようとしている。
「なーにボウヤ? キミも気持ちよくしてあげようか? 」
「それは、男の安否を確認してからかな。」
腰の凛月を取り出した。
犯行が確認できない理由。
それは犯人が売春を装って人を殺しているからだ。
奥から険しい顔で女を睨みつけるヤテンたちが出てくる。
「黒だ台与鬼子。ソイツをとっ捕まえろ。出来ないなら殺せ。」
「ハァ。見つかっちゃったのなら仕方ないわね。貴方たちも私のコレクションにしてあげるわ。」
太ももから血濡れた凶器を取り出して、俺に奮ってくる。
後ろではリームが、極東産のエネルギーボックス片手に、悪魔術を行使しようとしていた。
放たれた風の刃を、突如現れた火の壁が相殺する。
「私は忠告したわよ。西郷女鳥。」
眼鏡をかけた女が、本のページを捲りながら、ゆっくりと降りてくる。
「禁欲主義の平等社会じゃこんなこと出来ないじゃない。楽しむべきよ。」
「それは結構だけど……私に手間をかけさせないでくれるかしら。リーダーから貴方を任されている私の身にもなってほしい。」
「すべこべうるさいわよ炎道。」
「ようはコイツらを殺してしまえば、全て丸く収まるわけでしょ? 」
「奴らは私たちの超能力を感知する能力が無いみたいだし。」
「殺してあのお猿さんと共に廃墟の中に放っちゃいましょう。」
炎道がため息をついた。
「私を巻き込まないでほしいんだけど。」
「まぁ私も退屈していたし。」
「容赦はしないけどなァ。」
彼女は能力で地面を爆発させ、その力で彼ら二人に飛びかかる。
西郷という女がその隙に壁を登り始め、急降下すると、俺に蹴りをお見舞いしてきた。
「ボウヤの相手は私よ。」
再び能力者との戦闘が始まる。
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