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ファイル:1 リべレイター・リベリオン
vs西郷 万城
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暗い暗い階段を出た俺たちは薄暗い裏路地へと出た。
そして鵞利場が振り返る。
「入るわよ。」
一度出たバーにもう一度入る理由。
俺も気がついていた。
あのフードの女は能力者だ。間違いない。
手錠の有無か?
違う。
裏社会の比較的強い能力の持ち主は、手錠などしていない。
だから公安も裏社会で能力者と無能力者を見分けるには、特別な機材が必要である。
あの女は、マスターが黒人であることを見抜いていた。
というか、黒人として認識しているのだ。
人種の壁がナノマシンによって撤廃されたこの世界で。
鵞利場が再び階段を降ろうとしたその刹那、俺は彼女を弾き飛ばすと、両手を繋ぐ鎖で、その要因をガッチリ受け止めた。
手錠に無理な力が働き、ペナルティが追加される。
が、手錠はなんとか壊れずに攻撃を受け止めてくれた。
「オブザーバー、ロックを解除してくれ。俺が先頭で攻撃を受け止める。」
「リミット・パージ。」
[承認:オブザーバー鵞利場小子]
手錠が音を立てて解除される。
次の攻撃が俺の心臓を狙っている。
【石火】
それを右拳で相殺
しようとした。
「ぐっ。」
握り拳に血が滲む。
"俺の能力が破られた…だと? "
鵞利場は能力で生体電気を操ると、死んでいる階段の電灯に光を灯した。
俺は飛び降りると、バーのドアを蹴り飛ばす。
「マスター!! 」
中は悲惨な状態だった。
さっきまで談笑していた野郎どもは無惨に斬り刻まれ、マスターがフードの女と、自分の獲物で、必死に抗戦している。
俺は彼女たちの間に無理やり割り込み、フード女の血濡れた短剣を体で弾く。
後ろに下がった反動で、彼女のフードが降ろされた。
俺は…俺はこの女を知っている。
九条と戦った時、弾き飛ばしたリベリオンのメンバーの一人だ。
「あら、どこでバレたのかしら? 」
___鈍色に光る刃が、こちらに飛んできている。
俺は反射的に、右腕で、それを弾こうと、した。
刃は俺の能力を軽々と貫通し、突き刺さる。
「んんッ。」
やはり痛みには慣れない。
いや、俺の人生は痛みとは無縁だった。
刃を飛ばしたのは、フード女ではない。
彼女は、目から血が垂れていた。
「万城、無理な能力行使は控えなさいって言ったでしょ? 」
「良いんですよ西郷さん。どうせ見えなくなるんですから、この目も。」
「だからリーダーは貴方のことを思って!! 」
「リーダーも貴方も、口ではそうやっていうんですよ。」
瞳が七色に瞬いている。
コイツも能力者か。
彼女は西郷という女から、俺の方に眼を向けると、答えた。
「そうよ。私がリベリオンの全てを見通す眼、万城千里。」
「【蛇紋流】」
【蛟竜毒蛇】
西郷が、俺の左視界に入る。
奇襲で、避けることも、武術で応用することもままならない。
先程のこともあり、恐怖で反射的に体が動いた。
先ほどまで俺の首があった場所に、毒蛇の牙が掻き立てられる。
体勢を崩した。
しかし、裏天岩流には、体勢を崩した状態で使える武術もある。
【滑昇__
そこで武術をキャンセルさせる。
鵞利場が割り込んできたからだ。
反動で今度こそ体勢を崩し、転がりながら、バーの防音壁へと後頭部をぶつける。
能力が、衝撃を吸収するが、三半規管が狂い、吐き気がやって来る。
「あぶねえぇだろオイ!! 」
そこに鋭い針が飛んでくる。
万城の飛ばした針だ。
身体のバネを利用して飛び上がる。
クルリと一回転し、地面に着地した。
攻撃を避けながら、上司の指示を聞く。
「このフード女は私がやるわ。貴方は向こうの魔眼持ちをお願い。」
それが一番良い。
この女は危険すぎる。
鵞利場との相性も、あまり良くないだろう。
俺はゆっくりと助走を始め、万城へと接近する。
無数の凶器が飛んでくる。
武術で威力を殺すことは出来ても、相殺することは出来ないだろう。
そもそも、俺の能力が破られるなんて!!
血濡れた刃が俺の頬を掠る。
女が頭を押さえた。
チャンスだ。
彼女との距離を一気に詰める。
「【裏天岩流】」
「【弐ノ岩】」
【穿石】
対象の腹部を穿つ、ボディーブロー
西郷がそこに割り込み、俺の攻撃を防ぐ。
「ほら、言わんこっちゃない。」
「コラ、はぁちなさい。」
横で西郷と交戦していた鵞利場が息を荒げている。
「チッ、ほんと使えないわねお前は。」
西郷は、太腿から別の武器を取り出すと、天井に穴を開けて、そのまま逃げていった。
緊張が解けて、腰が抜ける。
そうしているうちに、公安のサイレンが聞こえていた。
マスターがあたふたしている。
「大丈夫、貴方は私たちの協力者です。危害は加えません。」
鵞利場は満身創痍の身体で、階段を登っていった。
そして鵞利場が振り返る。
「入るわよ。」
一度出たバーにもう一度入る理由。
俺も気がついていた。
あのフードの女は能力者だ。間違いない。
手錠の有無か?
違う。
裏社会の比較的強い能力の持ち主は、手錠などしていない。
だから公安も裏社会で能力者と無能力者を見分けるには、特別な機材が必要である。
あの女は、マスターが黒人であることを見抜いていた。
というか、黒人として認識しているのだ。
人種の壁がナノマシンによって撤廃されたこの世界で。
鵞利場が再び階段を降ろうとしたその刹那、俺は彼女を弾き飛ばすと、両手を繋ぐ鎖で、その要因をガッチリ受け止めた。
手錠に無理な力が働き、ペナルティが追加される。
が、手錠はなんとか壊れずに攻撃を受け止めてくれた。
「オブザーバー、ロックを解除してくれ。俺が先頭で攻撃を受け止める。」
「リミット・パージ。」
[承認:オブザーバー鵞利場小子]
手錠が音を立てて解除される。
次の攻撃が俺の心臓を狙っている。
【石火】
それを右拳で相殺
しようとした。
「ぐっ。」
握り拳に血が滲む。
"俺の能力が破られた…だと? "
鵞利場は能力で生体電気を操ると、死んでいる階段の電灯に光を灯した。
俺は飛び降りると、バーのドアを蹴り飛ばす。
「マスター!! 」
中は悲惨な状態だった。
さっきまで談笑していた野郎どもは無惨に斬り刻まれ、マスターがフードの女と、自分の獲物で、必死に抗戦している。
俺は彼女たちの間に無理やり割り込み、フード女の血濡れた短剣を体で弾く。
後ろに下がった反動で、彼女のフードが降ろされた。
俺は…俺はこの女を知っている。
九条と戦った時、弾き飛ばしたリベリオンのメンバーの一人だ。
「あら、どこでバレたのかしら? 」
___鈍色に光る刃が、こちらに飛んできている。
俺は反射的に、右腕で、それを弾こうと、した。
刃は俺の能力を軽々と貫通し、突き刺さる。
「んんッ。」
やはり痛みには慣れない。
いや、俺の人生は痛みとは無縁だった。
刃を飛ばしたのは、フード女ではない。
彼女は、目から血が垂れていた。
「万城、無理な能力行使は控えなさいって言ったでしょ? 」
「良いんですよ西郷さん。どうせ見えなくなるんですから、この目も。」
「だからリーダーは貴方のことを思って!! 」
「リーダーも貴方も、口ではそうやっていうんですよ。」
瞳が七色に瞬いている。
コイツも能力者か。
彼女は西郷という女から、俺の方に眼を向けると、答えた。
「そうよ。私がリベリオンの全てを見通す眼、万城千里。」
「【蛇紋流】」
【蛟竜毒蛇】
西郷が、俺の左視界に入る。
奇襲で、避けることも、武術で応用することもままならない。
先程のこともあり、恐怖で反射的に体が動いた。
先ほどまで俺の首があった場所に、毒蛇の牙が掻き立てられる。
体勢を崩した。
しかし、裏天岩流には、体勢を崩した状態で使える武術もある。
【滑昇__
そこで武術をキャンセルさせる。
鵞利場が割り込んできたからだ。
反動で今度こそ体勢を崩し、転がりながら、バーの防音壁へと後頭部をぶつける。
能力が、衝撃を吸収するが、三半規管が狂い、吐き気がやって来る。
「あぶねえぇだろオイ!! 」
そこに鋭い針が飛んでくる。
万城の飛ばした針だ。
身体のバネを利用して飛び上がる。
クルリと一回転し、地面に着地した。
攻撃を避けながら、上司の指示を聞く。
「このフード女は私がやるわ。貴方は向こうの魔眼持ちをお願い。」
それが一番良い。
この女は危険すぎる。
鵞利場との相性も、あまり良くないだろう。
俺はゆっくりと助走を始め、万城へと接近する。
無数の凶器が飛んでくる。
武術で威力を殺すことは出来ても、相殺することは出来ないだろう。
そもそも、俺の能力が破られるなんて!!
血濡れた刃が俺の頬を掠る。
女が頭を押さえた。
チャンスだ。
彼女との距離を一気に詰める。
「【裏天岩流】」
「【弐ノ岩】」
【穿石】
対象の腹部を穿つ、ボディーブロー
西郷がそこに割り込み、俺の攻撃を防ぐ。
「ほら、言わんこっちゃない。」
「コラ、はぁちなさい。」
横で西郷と交戦していた鵞利場が息を荒げている。
「チッ、ほんと使えないわねお前は。」
西郷は、太腿から別の武器を取り出すと、天井に穴を開けて、そのまま逃げていった。
緊張が解けて、腰が抜ける。
そうしているうちに、公安のサイレンが聞こえていた。
マスターがあたふたしている。
「大丈夫、貴方は私たちの協力者です。危害は加えません。」
鵞利場は満身創痍の身体で、階段を登っていった。
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