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ファイル:3 優生思想のマッドサイエンティスト
ウボクの国へ
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鉄道。
平等社会にもある地中を走る鉄塊だ。
だが、この世界の鉄道とは、俺が想像していたものとは少し異なるものらしい。
「コレが? 鉄道? 」
「うん、鉄道って言うものは、地を這う鉄蛇のことを言うんだ。コレも極東の発明。」
どうやら、この世界の鉄道とは地上を走る鉄塊のことのようだ。
「うんでも、少し、北条の認識とは違うかもしれない。」
「鉄道って言うものはね、本来地上を走るものなんだそうだ。慎二が言ってた。」
「逆に地下を走る鉄道を見た時、僕はびっくりさせられたんだから。」
そう言われてみれば、そうかもしれない。
よく考えれば、車も、バスも、タクシーも地上を走っているのに、鉄道だけ地下を走っていることには、疑問を持っていなかった。
「でも何で、俺たちの世界じゃ、地上に鉄道が無いのだろうか? 」
カーミラは少し考えているようだ。
「コレは僕の憶測なんだけど、平等社会には、路線を確保できるほどの土地が存在しないんじゃないかな? 空に家が立ってるぐらいだしね。それなら、いっそ、空にレールを引くって言う考え方もできるだろうけど、コストが余計にかかってしまうだろうし。」
「後、極東のこの地域は、海抜が低いって言うのもあるかもしれない。」
「工事中に、海水が染み出して来たり、洪水で、地下が浸水したら大変だからね。」
このカーミラ・ブレイクという男は、一見バカそうに見えて、思考能力の富んだ人物だった。
いや、こういう面が馬鹿っぽく見えるのかもしれない。
俺たちはそんなことで、列車のホームまで足を運ぶと、俺は、レールに敷かれているあることに気がつく。
「なんだ? あの磁石みたいなもんは。」
「磁石だよ? 」
なんで線路に磁石があんだよ。
「この鉄道はね。モノポールって呼ばれている特殊な磁石で動くらしいんだ。だから、線路にも磁石が敷かれている。」
「なんだよ。そのモノ……って。」
「それがねぇ。慎二は勿体ぶって教えてくれなかったんだ。」
「ふん、知らねえだけだろ。いけすかねえガキだなアイツは。」
___まもなく、参番ホームに、特急ウボク行き、太宰府経由の列車が参ります。
___備前、周防方面にお越しの方は、次の急行、ヒノカズチにお乗り下さい。
明日コブシの聞いた駅員が、アナウンスを入れる。
俺はカーミラの真似をして、降りる人を待ってから、中に乗り込んだ。
極東の鉄道の内装は、平等社会のそれとは少し違うようで、椅子が対面に置かれている。
「なるほどなぁ。こっちの世界の鉄道は、外の景色がよく見えるわけだ。」
街は、溢れんばかりの光源で輝いていた。
平等社会は明るすぎて、昼と夜の区別もつかない。
睡眠障害になるモノだっているのだから。
「そうそう、せっかくだからと思って。」
俺はこの瞬間も、『見通しが良ければ、地下鉄のように、奇襲に遭うリスクも減らせるな。』と考えていた。
自分でも風情のない奴だと思ってしまう。
「よっこらせっと。」
俺は椅子に腰を下ろすと、肘掛けに手を添わせた。
「座り心地はどう? 」
「悪くないな。」
カーミラが俺と反対側の椅子に座る。
「ウボクまで何時間だ? 」
「半日。向こうに着くのは明日の朝だね。」
「寝てて良いいぞ。」
「僕は大丈夫だけど。」
「俺は、せっかくだし、極東の景色を堪能しておくことにするよ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
『弁当、弁当はいらんかねぇ? 」
おじさんが、車両内で弁当を売っていた。
「駅弁かぁ。鉄道に乗ることが分かっていれば……」
カーミラが残念そうに肩を落としている。
「ちょっと饅頭買ってくる。」
カーミラが席を立った。
いかなる場合でも、気を抜いてはならない。
俺たちの考察が正しければ、敵は間違いなく、このタイミングで襲いにくるはずだ。
招かれざる客の俺たちを。
カーミラが袋を手に二つ下げて座席に戻ってくる。
「ホラホラ見て、極東名物、鬼神饅頭。」
「慎二にも、写真おくろーっと。」
「ってアレ?オフラインか。」
「どうしたんだろう? 任務中かな? 」
「どうせ寝てるんだろう。もうこんな時間だしな。」
カーミラは袋包を取り出すと、紐を解いて、中から湯気がたちこめている白い玉を取り出した。
よくみると、鬼の顔が、焼き印されている。
ほのかな甘い匂いと、鼻口を撫でる湯気が、食欲をそそった。
「はい。蒸し饅頭。おいしいよ。」
俺は、その饅頭に噛み付くと、中の餡を味わった。
平等社会にもある地中を走る鉄塊だ。
だが、この世界の鉄道とは、俺が想像していたものとは少し異なるものらしい。
「コレが? 鉄道? 」
「うん、鉄道って言うものは、地を這う鉄蛇のことを言うんだ。コレも極東の発明。」
どうやら、この世界の鉄道とは地上を走る鉄塊のことのようだ。
「うんでも、少し、北条の認識とは違うかもしれない。」
「鉄道って言うものはね、本来地上を走るものなんだそうだ。慎二が言ってた。」
「逆に地下を走る鉄道を見た時、僕はびっくりさせられたんだから。」
そう言われてみれば、そうかもしれない。
よく考えれば、車も、バスも、タクシーも地上を走っているのに、鉄道だけ地下を走っていることには、疑問を持っていなかった。
「でも何で、俺たちの世界じゃ、地上に鉄道が無いのだろうか? 」
カーミラは少し考えているようだ。
「コレは僕の憶測なんだけど、平等社会には、路線を確保できるほどの土地が存在しないんじゃないかな? 空に家が立ってるぐらいだしね。それなら、いっそ、空にレールを引くって言う考え方もできるだろうけど、コストが余計にかかってしまうだろうし。」
「後、極東のこの地域は、海抜が低いって言うのもあるかもしれない。」
「工事中に、海水が染み出して来たり、洪水で、地下が浸水したら大変だからね。」
このカーミラ・ブレイクという男は、一見バカそうに見えて、思考能力の富んだ人物だった。
いや、こういう面が馬鹿っぽく見えるのかもしれない。
俺たちはそんなことで、列車のホームまで足を運ぶと、俺は、レールに敷かれているあることに気がつく。
「なんだ? あの磁石みたいなもんは。」
「磁石だよ? 」
なんで線路に磁石があんだよ。
「この鉄道はね。モノポールって呼ばれている特殊な磁石で動くらしいんだ。だから、線路にも磁石が敷かれている。」
「なんだよ。そのモノ……って。」
「それがねぇ。慎二は勿体ぶって教えてくれなかったんだ。」
「ふん、知らねえだけだろ。いけすかねえガキだなアイツは。」
___まもなく、参番ホームに、特急ウボク行き、太宰府経由の列車が参ります。
___備前、周防方面にお越しの方は、次の急行、ヒノカズチにお乗り下さい。
明日コブシの聞いた駅員が、アナウンスを入れる。
俺はカーミラの真似をして、降りる人を待ってから、中に乗り込んだ。
極東の鉄道の内装は、平等社会のそれとは少し違うようで、椅子が対面に置かれている。
「なるほどなぁ。こっちの世界の鉄道は、外の景色がよく見えるわけだ。」
街は、溢れんばかりの光源で輝いていた。
平等社会は明るすぎて、昼と夜の区別もつかない。
睡眠障害になるモノだっているのだから。
「そうそう、せっかくだからと思って。」
俺はこの瞬間も、『見通しが良ければ、地下鉄のように、奇襲に遭うリスクも減らせるな。』と考えていた。
自分でも風情のない奴だと思ってしまう。
「よっこらせっと。」
俺は椅子に腰を下ろすと、肘掛けに手を添わせた。
「座り心地はどう? 」
「悪くないな。」
カーミラが俺と反対側の椅子に座る。
「ウボクまで何時間だ? 」
「半日。向こうに着くのは明日の朝だね。」
「寝てて良いいぞ。」
「僕は大丈夫だけど。」
「俺は、せっかくだし、極東の景色を堪能しておくことにするよ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
『弁当、弁当はいらんかねぇ? 」
おじさんが、車両内で弁当を売っていた。
「駅弁かぁ。鉄道に乗ることが分かっていれば……」
カーミラが残念そうに肩を落としている。
「ちょっと饅頭買ってくる。」
カーミラが席を立った。
いかなる場合でも、気を抜いてはならない。
俺たちの考察が正しければ、敵は間違いなく、このタイミングで襲いにくるはずだ。
招かれざる客の俺たちを。
カーミラが袋を手に二つ下げて座席に戻ってくる。
「ホラホラ見て、極東名物、鬼神饅頭。」
「慎二にも、写真おくろーっと。」
「ってアレ?オフラインか。」
「どうしたんだろう? 任務中かな? 」
「どうせ寝てるんだろう。もうこんな時間だしな。」
カーミラは袋包を取り出すと、紐を解いて、中から湯気がたちこめている白い玉を取り出した。
よくみると、鬼の顔が、焼き印されている。
ほのかな甘い匂いと、鼻口を撫でる湯気が、食欲をそそった。
「はい。蒸し饅頭。おいしいよ。」
俺は、その饅頭に噛み付くと、中の餡を味わった。
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