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ファイル:4火星の叛逆者
二つのエゴ
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俺の右拳と、ヤツの右拳が激突し、爆発する。
爆風から鵞利場を守るために、能力を発動させる。
能力が薄くなったことにより、俺の拳は、アイツの翡翠によって弾かれる。
「どうした? 私はその女を庇いながら戦える様な人間では無いぞ!! さぁ本気で来い。」
そのまま拳は俺の左頬に届いた。
凄まじいGが俺の左頬を抉る。
「やっだあ!! ごのぐぞあま。」
俺は初めて彼女に汚い言葉を吐いた。
幼い頃に溜まっていた鬱憤を晴らす様に
"結局テメェは俺が好きなんじゃなくて、自分に従順に従ってくれる犬が好きなだけじゃねえか!! "
「『クソアマ』か……随分汚い言葉を覚えたな。」
俺は血を吐くと、負けずと汚い言葉を彼女に吐き捨てる。
「アバズレ!!クソ0ッチ!!鯖の0ッチ!! 」
その言葉を聞くと、彼女はため息をついた。
「……ったく。ガキじゃないんだから。あと鯖じゃない。サノバだ。」
彼女には全然聞いていないらしい。
「__尻軽はオマエだろ? 勝手に他の女に尻尾を振って。」
【伍ノ拳】
【白滝】
俺の背中に、彼女の手刀が素早く下ろされる。
「なっ!! 」
俺の眼でも、『能力』でも捉えることが出来なかった。
急にそこへと、存在が現れたのだ。
俺は集中力を高めて、再び彼女の気配を探る。
「グッ。」
今度は正面から、俺のハラワタに。
【蛇啌】
彼女の右手から放たれる開かれた大きな口が、俺の腹部に噛み付く。
またしても気配を察することが出来なかった。
俺が反応する頃には、彼女はもう俺の身体に触れている。
「なんて速さだ。」
俺は歯を食いしばりながら、気を失いそうになりながら、必死にその猛攻をこの身で受け切った。
「どうだ? 痛いだろう? 」
「なんてことないな。」
全身アザだらけ。
だが。不思議と立っていられる。
タフになった俺なら!!
やれる。
彼女はため息をついた。
「もう辞めておけ。オマエは私には勝てないよ。昔も今も。」
まだ辞めない。
世界なんてこの際どうでも良い。
鵞利場のために、彼女のために俺は倒れるわけにはいかない。
俺がまだまだヤル気であることを察すると、彼女はまたしても不敵に笑った。
「力? オマエは甘噛みって知っているか? 」
「分からねえな。アンタの言うことは何も。」
そう。彼女は手加減していたのだ。この俺に。
ならば彼女を本気にさせるしか、そうするしかない。
今度は俺が彼女に飛びかかった。
しかし、その攻撃ももちろん交わされてしまい。
後ろから脇腹に対して、ものすごい衝撃が飛んでくる。
視界がグルグルと周り、カフェの防護柵激突すると、彼女が脚を振り上げており、俺は蹴られたと言うことを認識した。
彼女は指を鳴らしながらゆっくりとこちらにやって来る。
「もう時間が無いんだ。このままじゃ手加減もしていられないぞ。」
「そればっかりだな。本当は俺を殴るのが怖いんじゃ無いか? 近所のガキンチョに家柄バカにされて、ハンゴロシにしちまった時みたいによ。」
背中から勢いよく突き上げられた。
反動で脊髄が軋んだ。
「……オマエこそ。さっきから…… 」
「私と闘う気がないのなら。大人しくその女を抱えて地球に帰れ!! 」
「そうしないのなら!! 」
「オマエたちを殺す!! 」
「北条力という人間が居なくなれば、私はもっと非情になれる。私たちを家畜の様に扱う下等生物どもをこの二本足で蹂躙できる醜悪な正義の体現者になれる。」
「なら。死ねねえな。どんなことがあっても!! 」
今までの攻撃で、俺は彼女の能力の仕組みを理解した。
彼女の元々の能力は、強力な念力だったはず。
俺の様に、能力の一部を本質と勘違いして使っていたか、それとも後から発現させた力か?
今の彼女は俺と同等以上の力を持っている。
高速で動いていたのではない。
俺の拳が、能力越しに、彼女の残骸へと触れた時に分かった。
彼女の能力は……
"瞬間移動。"
俺は能力を切ると、意識を集中させた。
聴覚で次元の歪みを聞き取る。
能力を発動する容量で、その発生源を探る。
「ここだ!! 」
発生した歪な磁界に俺の拳がクリーンヒットする。
だが、彼女の施している超重力アーマーが、俺の拳を明後日の方向へと捻じ曲げた。
「グッ。」
彼女は転移してきた時の慣性と、俺の拳のエネルギーで後ろに大きく吹き飛ぶと、さっきの俺と同じ様に血反吐を吐いた。
「まざかこんなに早く見破られるとはな。さすがと言ったところか。」
俺は捻れた右腕を無理やり元の位置に戻すと、指をほぐした。
"大丈夫だ。まだ動く。"
今ので感覚を覚えた俺は、再び身体の周りへと薄い膜を張る。
左上 後方五時の方向 頭上からの小手 下段ストレート
能力の種を理解することで、反応速度が上がった。
高速移動と瞬間移動の違いは、相手を線で捉えるか、点で捉えるかの違い。
本質を見誤っていた俺は、無駄な情報まで掴もうと必死になっていたわけだ。
右ストレート 後ろからの蹴り
正面からの足払いを避けると、そこにブレイクポイントを見出した。
"後、コンマ一秒で、アイツに隙が生まれる。"
【天岩流】
【玖ノ岩】
【双子岩】
右腕を右の腰に、左腕を左側頭に引き付ける。
俺の渾身の一撃が彼女の顔と腹を同時に抉った。
爆風から鵞利場を守るために、能力を発動させる。
能力が薄くなったことにより、俺の拳は、アイツの翡翠によって弾かれる。
「どうした? 私はその女を庇いながら戦える様な人間では無いぞ!! さぁ本気で来い。」
そのまま拳は俺の左頬に届いた。
凄まじいGが俺の左頬を抉る。
「やっだあ!! ごのぐぞあま。」
俺は初めて彼女に汚い言葉を吐いた。
幼い頃に溜まっていた鬱憤を晴らす様に
"結局テメェは俺が好きなんじゃなくて、自分に従順に従ってくれる犬が好きなだけじゃねえか!! "
「『クソアマ』か……随分汚い言葉を覚えたな。」
俺は血を吐くと、負けずと汚い言葉を彼女に吐き捨てる。
「アバズレ!!クソ0ッチ!!鯖の0ッチ!! 」
その言葉を聞くと、彼女はため息をついた。
「……ったく。ガキじゃないんだから。あと鯖じゃない。サノバだ。」
彼女には全然聞いていないらしい。
「__尻軽はオマエだろ? 勝手に他の女に尻尾を振って。」
【伍ノ拳】
【白滝】
俺の背中に、彼女の手刀が素早く下ろされる。
「なっ!! 」
俺の眼でも、『能力』でも捉えることが出来なかった。
急にそこへと、存在が現れたのだ。
俺は集中力を高めて、再び彼女の気配を探る。
「グッ。」
今度は正面から、俺のハラワタに。
【蛇啌】
彼女の右手から放たれる開かれた大きな口が、俺の腹部に噛み付く。
またしても気配を察することが出来なかった。
俺が反応する頃には、彼女はもう俺の身体に触れている。
「なんて速さだ。」
俺は歯を食いしばりながら、気を失いそうになりながら、必死にその猛攻をこの身で受け切った。
「どうだ? 痛いだろう? 」
「なんてことないな。」
全身アザだらけ。
だが。不思議と立っていられる。
タフになった俺なら!!
やれる。
彼女はため息をついた。
「もう辞めておけ。オマエは私には勝てないよ。昔も今も。」
まだ辞めない。
世界なんてこの際どうでも良い。
鵞利場のために、彼女のために俺は倒れるわけにはいかない。
俺がまだまだヤル気であることを察すると、彼女はまたしても不敵に笑った。
「力? オマエは甘噛みって知っているか? 」
「分からねえな。アンタの言うことは何も。」
そう。彼女は手加減していたのだ。この俺に。
ならば彼女を本気にさせるしか、そうするしかない。
今度は俺が彼女に飛びかかった。
しかし、その攻撃ももちろん交わされてしまい。
後ろから脇腹に対して、ものすごい衝撃が飛んでくる。
視界がグルグルと周り、カフェの防護柵激突すると、彼女が脚を振り上げており、俺は蹴られたと言うことを認識した。
彼女は指を鳴らしながらゆっくりとこちらにやって来る。
「もう時間が無いんだ。このままじゃ手加減もしていられないぞ。」
「そればっかりだな。本当は俺を殴るのが怖いんじゃ無いか? 近所のガキンチョに家柄バカにされて、ハンゴロシにしちまった時みたいによ。」
背中から勢いよく突き上げられた。
反動で脊髄が軋んだ。
「……オマエこそ。さっきから…… 」
「私と闘う気がないのなら。大人しくその女を抱えて地球に帰れ!! 」
「そうしないのなら!! 」
「オマエたちを殺す!! 」
「北条力という人間が居なくなれば、私はもっと非情になれる。私たちを家畜の様に扱う下等生物どもをこの二本足で蹂躙できる醜悪な正義の体現者になれる。」
「なら。死ねねえな。どんなことがあっても!! 」
今までの攻撃で、俺は彼女の能力の仕組みを理解した。
彼女の元々の能力は、強力な念力だったはず。
俺の様に、能力の一部を本質と勘違いして使っていたか、それとも後から発現させた力か?
今の彼女は俺と同等以上の力を持っている。
高速で動いていたのではない。
俺の拳が、能力越しに、彼女の残骸へと触れた時に分かった。
彼女の能力は……
"瞬間移動。"
俺は能力を切ると、意識を集中させた。
聴覚で次元の歪みを聞き取る。
能力を発動する容量で、その発生源を探る。
「ここだ!! 」
発生した歪な磁界に俺の拳がクリーンヒットする。
だが、彼女の施している超重力アーマーが、俺の拳を明後日の方向へと捻じ曲げた。
「グッ。」
彼女は転移してきた時の慣性と、俺の拳のエネルギーで後ろに大きく吹き飛ぶと、さっきの俺と同じ様に血反吐を吐いた。
「まざかこんなに早く見破られるとはな。さすがと言ったところか。」
俺は捻れた右腕を無理やり元の位置に戻すと、指をほぐした。
"大丈夫だ。まだ動く。"
今ので感覚を覚えた俺は、再び身体の周りへと薄い膜を張る。
左上 後方五時の方向 頭上からの小手 下段ストレート
能力の種を理解することで、反応速度が上がった。
高速移動と瞬間移動の違いは、相手を線で捉えるか、点で捉えるかの違い。
本質を見誤っていた俺は、無駄な情報まで掴もうと必死になっていたわけだ。
右ストレート 後ろからの蹴り
正面からの足払いを避けると、そこにブレイクポイントを見出した。
"後、コンマ一秒で、アイツに隙が生まれる。"
【天岩流】
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【双子岩】
右腕を右の腰に、左腕を左側頭に引き付ける。
俺の渾身の一撃が彼女の顔と腹を同時に抉った。
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