上の階のおにいちゃん

08

「もう一回挿れるね」
その言葉の意味を奏斗が理解するより早く、ぬくりと尚の指が奏斗に差し込まれた。奏斗の秘所は、抵抗なくそれを受け入れていく。
「ひあっ」
痛くはない。けれど妙な違和感に奏斗は思わず悲鳴のような声があげた。ぞわぞわとしたなにかが触れられている場所を中心に身体中に広がってきて、奏斗はぶるりと身震いした。
思わずすがる目つきで見上げた尚の眼が欲望にギラついている。奏斗に痴態を晒させたいと。
「お、……おにいちゃん……」
「ここ、柔らかくなってきてる」
声を震わす奏斗の後穴を尚の指がゆっくりとかき回す。一度浅く引き抜いて、もう一度押し込む。その度にくちょ、くちょと控えめな水音が立った。
「やっ、そんな……指、だ、め……んぅ♡」
（こんなの、変になるよぉ……）
奏斗は手近にあった枕をぎゅっと握りしめた。思わず軽く反り返る胸元に、尚が口づける。
「だめ？」
からかうような口調で問いかけながら一層深く指を挿し入れる。そのとき、尚の指が、奏斗の中の何かに触れた。
「はあっ、あーっ♡」
ずくんとした痛いような痒いような痺れが、奏斗の全身を駆け巡った。
「あっ♡あっ♡♡」
（なに、これ。声、とまんない）
尚の指がそこをこするたび、あられもない声が口をつく。枕を握る手に力がこもり、白く色を変えていた。
「はっ♡あっ♡あ♡」
「ここ？」
尚は奏斗に寄り添うように横に寝転がると、奏斗の後頭部に片手を回し頬を寄せた。尚の荒い吐息が耳にかかる。揺れる空気にふるりと奏斗が身をすくませた。
「は♡♡」
「いいところ」
耳元で低い声で囁かれて奏斗はうっとりとため息のような吐息をこぼす。尚と触れ合っている腕が熱くて気持ちいい。
「えっ……あっ♡」
「ここ」
そういいながら、尚の指がぐりぐりとその場所を刺激した。リズミカルにとんとんと触れられると、その度に奏斗の身体がびくびくと震え、色づいた唇が甘い叫びを漏らした。
「あっ♡はんっ♡♡」
「ここぐりぐりすると気持ちいいよ」
（そんなにとんとんされるとじんじんする）
「あっ♡♡あっ♡♡」
（なんかわかんない。おしりのなかなのに、びりびりしてきもちいい）
「あぅ♡んっ♡♡」
「奏斗」
尚の腕が、悶える奏斗の胸を抱き込み引き寄せるように抱き締め、それと同時に増やされた指が深く指を差し込まれた。
「あーっ♡♡」
奏斗の身体の中の膨らんだ場所を指で挟むようにして刺激されると、堪らなかった。
「あんっ♡♡あっ、そこ♡♡」
気持ちいいと無意識にもじもじとくねる腰つきが誘うようでいやらしい。
「ふふ。こっちもイイって」
尚が目を向けた先には、また健気に勃ちあがり包皮の隙間から透明な汁を垂らし始めた幼いペニスが捉えられていた。奏斗が腰をくねらせるたびにふるふると揺れるさまが愛らしい。
扇情的すぎる姿に尚は思わず起き上がり、気づいた時にはそれを口に含んでいた。温かくぬめる口内にすっぽりと包まれた奏斗は初めて知ったあまりの気持ちよさに絶叫した。
「あーっ♡♡」
舌で転がすようにもみくちゃにされ吸われるペニスと、内側からの突き上げ。敏感な場所を同時にいじられる経験などなかった奏斗は、快感の大波に簡単に翻弄されていた。
「や、や♡りょうほう、だめぇっ♡♡」
（おちんちんの先っぽ、ぺろぺろされてる。ぬるぬる、きもちいいよぅ♡）
「きもちいい♡♡きもちいいぃ♡へんになっちゃう♡♡」
（おしりのなかびりびりするし、ちんちんとけそう）
「おにいちゃん♡♡きもちい♡♡きもちいくてだめ♡だめ♡♡すぐきちゃう♡♡いい♡きもちいいのきちゃう、きちゃうよ♡またイっちゃう♡♡」
回らぬ舌で絶頂すると言い募るのに興奮した尚は、より一層ペニスをもみくちゃに舐めほぐし、陰嚢までも咥えこんだ。
「いいっ♡♡イイから♡♡イっちゃうの♡おにいちゃん、おれ、おれ♡」
奏斗の脚に力がこもり軽く浮き上がった。指先が震えている。
「おにいちゃん、ぐりぐりだめぇ♡♡」
（きもちいいよう♡♡♡おちんちんもおしりも♡イきたい♡♡もっとして♡♡）
「きもちい♡イく♡イくからして♡♡おにいちゃん、してっ♡♡」
奏斗のおねだりに尚はぐちょぐちょと卑猥な音をさせながら、奏斗の二ヶ所の秘所を責め立てた。捏ねまわしじっくりと愛しむと奏斗がぶるぶると震えだした。
「きもちいん♡ひんっ、イく♡イくぅ♡♡おれイっちゃうぅ♡♡ンンーッ♡♡♡」
ペニスへの刺激で絶頂へ到達することを覚えたばかりの身体は、その予兆を正確に捉えられるようになっていた。込み上げてくるような熱の塊は、後穴に与えられる刺激でも同じだった。
ぎゅっとつま先を丸めてビクン、ビクンと断続的に跳ねる身体は、奏斗が前立腺でも上り詰めたことを如実に伝えていた。
「……あ♡」
「おしりでもすぐにイけるなんて、すごいね奏斗」
「はっ、あ♡尚にいちゃ……♡♡」
奏斗はそのまま、尚の暖かい胸に抱き寄せられその腕にすっぽりと包みこまれた。