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第十章 二番目の【女神】との契約
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とりあえず、【宗一郎】、
【フロンティア】、
【ミンストレル】、
【カプリース】、
のチームと協力関係を築く事は出来たが、彼等と一緒に行動するには少々、不便な事がある。
それは【一郎太】が彼等の前では【ガラティア】の【本名】で呼ぶことが出来ないと言うことだ。
【ガラティア】の【本名】が知られれば、【フロンティア】は反旗を翻すだろう。
お互いが、【本名】を知ったという事で、本当の殺し合いに発展するかも知れない。
なので、彼等とはお互いの【聖域】に対する情報交換をして別行動を取る事にした。
【一郎太】の方もこれまで行った、【第8ファーブラ(神話)】や【第115ホノル(名誉)】の【聖域】情報を伝えている。
代わりに彼等から、【第104ホノル(名誉)】と【第5ファーブラ(神話)】の【聖域】情報を教えてもらった。
ギブアンドテイクである。
まずは、彼等と別れた場所から近い方である【第104ホノル(名誉)】を目指した。
【第104ホノル(名誉)】で、【宗一郎】は【ミンストレル】と【カプリース】を手に入れたと言っていた。
【ホノル(名誉)】と言う条件でも、【一郎太】側の【ヴィエーラ】と【ヴェリアブル】と同じだったのである。
ここの【伝説】は以下の様なものになっている。
【第104ホノル(名誉)】/【王族婚姻伝説】
ある世では1つの王国が繁栄していた。
その王は子宝に恵まれ、127名の王子王女を授かった。
そして、王は、子供達にこう宣言する。
「余の後継者は、最も偉大な功績を残した者とする。
お前達でも良い。
お前達の伴侶でも良い。
とにかく、最も、国を栄させた者を次の王とする」
と。
これに王子王女達は過剰に反応した。
王子王女達は、パトロンとなり、様々な【勇者】達と契約した。
契約した【勇者】達はこぞって手柄を求めて冒険に出て行った。
これが、【勇者時代】の始まりとされている。
王子王女達は契約する【勇者】達を度々変えていたため、実際には1836名の【勇者】達と契約したとされている。
だが、最終的に名前が残ったのは、王子王女達と最後に契約した127名の【勇者】達だった。
という伝説が残っていた。
これも、【第115ホノル(名誉)】の【聖域】の時と同じ様に、【ガラティア】が、
「スティグマ・グラーティア(聖痕恩寵/せいこんおんちょう)っ」
と唱えて、【11女神】か【ガラティア】の信奉者が居ないか探ってから、その後で【一郎太】が【本名】を言い当てられるか試す事にした。
【第104ホノル(名誉)】には、現在68体分の【石像】が残っていたが、彼女の【信奉者】は居なかった。
それもそのはずである。
ここは、すでに、【宗一郎】と【フロンティア】が訪れている場所である。
【11女神】の【信奉者】ならば、同じ【11女神】の1柱である【フロンティア】が既に従者としているはずなのだ。
【ガラティア】自身を【信奉】する者は珍しいから、基本的にはもう居ないのである。
つまり、【一郎太】が直接【本名】を言い当てるしかないのだ。
これについては【第115ホノル(名誉)】についても同じ事が言える。
【フロンティア】達も【信奉者】を見つけられないからおあいこなのである。
結局、【一郎太】が、
「そっか。
駄目か。
じゃあ、僕の方が挑戦するよ。
1体目は……
そうだなぁ……
【ケント】っ
これでどうだ?
……駄目か。
じゃあ、2体目行くか。
2体目は……
【ジャッキー】っ
これでどうかな?
……う~ん、駄目か。
まだまだぁ……
3体目は……」
と言うように順番に【本名当て】をしていった。
が、結局、68体全ての【石像】の【名前】をハズしてしまった。
こんなものである。
無数にある【名前】の中から、本当の【名前】を言い当てるなど、【運命】や【奇跡】でも起こらない限りあり得ないのである。
それも最初の1回目ずつしか挑戦権が与えられないから、尚、当たらない。
簡単にいくのであれば誰も苦労はしないのである。
こうして、【第104ホノル(名誉)】は全て空振りに終わり、続く、【第5ファーブラ(神話)】の【聖域】を目指したのだった。
道中、【一郎太】は、
「ごめんね、みんな……」
と言った。
【ガラティア】は、
「どうされたのですか?」
と聞いた。
【一郎太】は、
「いや、何……
全然、不甲斐ない僕でごめんねって言うか……ね……」
と言った。
【ヴェリアブル】は、
「ははっ。
確かに頼りないリーダーではあるっすね」
と言った。
【ガラティア】は、
「【ヴェリアブル】っ。
口を慎みなさい」
とたしなめた。
【ヴェリアブル】は、
「すいません。
つい……」
と言った。
【一郎太】は、
「いや……
良いんだ【ガラティア】ちゃん。
確かに【ヴェリアブル】君の言うとおりだよ。
僕はこのチームを引っ張って行くものとして、頼りない。
情けない気分だ。
いつも何も出来ない」
と言った。
【ガラティア】は、
「そのような事はありません。
旦那様の優しさ。
励みになります。
ですから、私はがんばれるのです。
頼りにしているのです。
そんな旦那様ですから、私はあなたにお仕えしたいと思うのです。
なのでどうか、ご自分を低く評価なさらないでください。
お願いいたします」
と言った。
【一郎太】は、
「そうか。
……ごめんね。
愚痴みたいな事、言って。
わかった。
前向きに考えて見るよ。
これからどうしたら良いか?
その事も含めてね」
と言った。
そんな話をしながらだったが、【一郎太】のパーティーは団結力だけは増して言った。
お互い弱い所、思った所などを指摘しあい、それを改善しようと思って発言する。
それは組織として、良い方向に作用していた。
何でもかんでも肯定していた【ガラティア】だけではこうはならなかった。
時には【一郎太】にとって不利な発言をする【ヴェリアブル】達が居るからこそ、バランスが取れていたのだった。
居心地は悪くない。
そんなパーティーとなりつつあったのだ。
そうこう、話している内に、【一郎太】達は、【第5ファーブラ(神話)】の【聖域】にたどり着いた。
【第5ファーブラ(神話)】は以下の様な【神話】だった。
【季節神話】、
【時神話】、
【12月神話】、
――等だ。
【季節神話】とは、
季節を司る【女神達】で構成される【神話】だからだ。
【時神話】も
同じ様な意味で使われる。
【12月神話】とされるのは、【女神】の名前が、
(01)【ヤーヌャルス(1月)】、
(02)【フェブラーリウス(2月)】、
(03)【マルツュス(3月)】、
(04)【アプリーリス(4月)】、
(05)【マーユス(5月)】、
(06)【ユーニュス(6月)】、
(07)【ユリウス(7月)】、
(08)【アウグステュス(8月)】、
(09)【セプテーンベル(9月)】、
(10)【オクトーベル(10月)】、
(11)【ノヴェーンベル(11月)】、
(12)【デチェーンベル(12月)】、
と、12の月の名前になっているからだ。
それぞれの【唯一神】とされており、
年を通して、
1月には、【ヤーヌャルス(1月)】のみが、
2月には、【フェブラーリウス(2月)】のみが、
3月には、【マルツュス(3月)】のみが、
4月には、【アプリーリス(4月)】のみが、
5月には、【マーユス(5月)】のみが、
6月には、【ユーニュス(6月)】のみが、
7月には、【ユリウス(7月)】のみが、
8月には、【アウグステュス(8月)】のみが、
9月には、【セプテーンベル(9月)】のみが、
10月には、【オクトーベル(10月)】のみが、
11月には、【ノヴェーンベル(11月)】のみが、
12月には、【デチェーンベル(12月)】のみが、
――存在するとされている。
【神話】としては、それぞれの【唯一神】と【民】との交流が描かれていると言うものだ。
この【石像柱】で現在残っているのは、
(1)【フェブラーリウス(2月)】、
(2)【マーユス(5月)】、
(3)【ユーニュス(6月)】、
(4)【ユリウス(7月)】、
(5)【アウグステュス(8月)】、
(6)【セプテーンベル(9月)】、
(7)【ノヴェーンベル(11月)】、
(8)【デチェーンベル(12月)】、
の8柱だ。
【ヤーヌャルス(1月)】、
【マルツュス(3月)】、
【アプリーリス(4月)】、
【オクトーベル(10月)】、
の4柱はすでにパートナーを決めて、【人化】して居るため、この【聖域】には既に無い。
だが、【一郎太】は、残っている8柱分、挑戦する事が出来るという事になる。
【ガラティア】は【英雄】達の様に【スティグマ・グラーティア(聖痕恩寵/せいこんおんちょう)】で従者とする事は出来ない。
相手は同じ【女神】なのだ。
つまり、【ガラティア】や【11女神】の【信奉者】であるはずがないのだ。
【一郎太】は、
「じゃあ、挑戦するか。
まずは、【フェブラーリウス(2月)】からだ。
君の名は……
【レイア】だ。
どうだ……」
と言った。
しばらく待つ。
シーンと言う音が響く。
【ヴィエーラ】は、
「……反応しませんね。
駄目みたいです」
と言った。
【一郎太】は、
「そうだね。
じゃあ、次行こう。
次は【マーユス(5月)】。
君の名は……
【マリス】だ。
今度はどうだ?
………」
と言った。
今度もやはり、シーンという音が響いた。
続いて、
【ユーニュス(6月)】/【ステラ】と言ってみるがハズレ、
【アウグステュス(8月)】/【リサ】と言ってみるがハズレ、
【セプテーンベル(9月)】/【アニー】と言ってみるがハズレ、
【ノヴェーンベル(11月)】/【イオナ】と言ってみるがハズレた。
残す所、後1柱。
もう駄目かと言う諦めモードも少し出てきた。
【一郎太】は、
「やっぱり駄目か……
最後は、【デチェーンベル(12月)】。
君の名は……
【シェリア】だ。
どうだ?
駄目か……?」
と言った。
すると、意外や意外。
【石像柱】が突然光り出した。
【ガラティア】の時の様に頭に【名前】が浮かんだ訳では無いが、偶然、【本名】を言い当てたのだ。
「うわっ……
何だ?
何があったんだ?」
【一郎太】は動揺する。
デジャブか?
【ガラティア】の時と同じ反応をする。
光った【石像柱】を凝視する。
すると、頭のテッペンから順番に下の方へと、だんだん、【生身の肉体】に変わって行くのが見えた。
冷たい印象の【石像柱】から徐々に美しい肉体が出来上がっていく。
まるで、【ガラティア】の時の事をなぞらえる様に、同じ現象が起きていく。
やはり、余りにも美しい光景なので、
「うわぁぁぁ……」
と言った。
10分ほど経っただろうか?
それくらい時間をかけて【石像柱】は【人間】の様な姿に変わったのだった。
【石像柱】は、すぅ~っと目を開ける。
【一郎太】は、
「シェリア……ちゃん?」
と聞いた。
その【石像柱】は、
「はい。
そうです。
【シェリア】です。
ご主人様。
どうか、よろしくお願いします」
と答えた。
何と、最後の最後でミラクルが起こった。
2柱目の【女神】を【一郎太】はゲットしたのだった。
嬉しい誤算だった。
だが、そうなると、先に行った【第104ホノル(名誉)】の【聖域】の件が悔やまれる所だった。
【第104ホノル(名誉)】と【第115ホノル(名誉)】には、もう他に【11女神】や【ガラティア】の【信奉者】である【英雄】は居ない。
だが、【シェリア】か、彼女の属する【12季節唯一神(じゅうにきせつゆいいつしん)】の【信奉者】は居たかも知れない。
しかし、【一郎太】は、既に、【第104ホノル(名誉)】と【第115ホノル(名誉)】で【本名当て】に失敗している。
この場合、例え、【シェリア】か【12季節唯一神】の【信奉者】が居たとしても無効となる。
【一太郎】のパーティーに入れる権利は無くなるのである。
そう言う意味で悔やまれると表現したのだ。
この順番が逆だったら、【ガラティア】の後で【シェリア】も【スティグマ・グラーティア(聖痕恩寵/せいこんおんちょう)】を試す事が出来たのだ。
だが、前向きに考えれば、今後は、【英雄】達の【聖域】で【ガラティア】と【シェリア】の2回分ずつ、試す事が出来るという事だ。
それはすなわち、仲間を作るチャンスが増えると言う事を意味しているのだった。
少々惜しい事をしたが、こうして、【一郎太】のパーティーは、
(1)【一郎太】、
(2)【ガラティア】、
(3)【シェリア】、
(4)【ヴィエーラ】(【ガラティアの信奉者】)、
(5)【ヴェリアブル】(【ガラティアの信奉者】)、
――の5名となり、【女神】の【能力】も、【ガラティア】と【シェリア】の2柱の【力】が使える事になったのだった。
【シェリア】は、
「先輩方も、どうか、よろしくお願いしますね」
と言って挨拶した。
【ガラティア】は、
「よろしく。
私の名前は【ガラティア】。
身内以外の場合では、【フェスタア】と名乗っています。
あなたもその辺りの状況は理解出来ると思います。
共に、旦那様を守っていきましょう」
と言った。
【シェリア】は、
「はい、先輩。
私の名前は、【シェリア】です。
身内以外の場合では、【デチェーンベル】とお呼びください。
一緒に、ご主人様を盛り立てていきましょう」
と返した。
【ヴィエーラ】は、
「よろしくお願いします【シェリア】様。
私は【ガラティア】様の信奉者である【ヴィエーラ】と申します。
以後お見知り置きを」
と言った。
【シェリア】は、
「こちらこそ、よろしく【ヴィエーラ】さん。
仲良くやっていきましょう」
と言った。
【ヴェリアブル】は、
「あっしは【ヴェリアブル】です。
あっしの事もよろしくお願いしますよ【シェリア】様」
と言った。
【シェリア】は、
「えぇ。
よろしく。
じゃあ、悪いんですけど、私もあなた方【英雄】達の情報が知りたいのですが良いですか?」
と言った。
情報が知りたいと言うことは【ガラティア】がそうした様に、【ステータス・スキャンアイ】で探りを入れて良いかと聞いているのだ。
【ヴィエーラ】は、
「【ガラティア】様。
宜しいですか?」
と聞いた。
【ヴィエーラ】も【ヴェリアブル】も【ガラティア】の傘下なので、【ガラティア】の許可が居るのだ。
【ガラティア】は、
「かまいません。
味方同士、情報の共有はあった方が良いでしょう。
私の方はかまいません。
あなた方、次第です」
と言った。
【ヴィエーラ】は、
「ってことで私の方はオッケーです」
と言った。
【ヴェリアブル】も、
「あっしもです。
どうぞ、見ておくんなせい。
あっしの性癖とかね……」
と言ってウインクした。
忘れがちだが、【ヴェリアブル】は【変態道化師】である。
その性癖を【シェリア】が理解出来るかどうかが問題だった。
実際、【シェリア】は、
「【ステータス・スキャンアイ】っ」
と唱えて【ヴィエーラ】と【ヴェリアブル】の情報を得た。
そして、【ヴェリアブル】のステータスを確認して、
「ふぁ……」
と言って気を失った。
アブノーマル過ぎて、失神したのだ。
情報を共有する【一郎太】には文字情報のみが伝わるが、【シェリア】の様な【女神】には映像情報も同時に伝わる。
【ガラティア】は割と平気だったが、【シェリア】にとってはインパクトが強すぎたようだった。
しばらくして、【シェリア】は、
「う、うぅ~ん……
こ、ここは……?」
と言った。
【ガラティア】は、
「大丈夫だった?
あなた、気を失ったのよ」
と告げた。
【シェリア】は、
「はっ……
す、済みません。
私ったら……」
と言って詫びた。
【一郎太】は、
「ちょっと刺激が強かったのかな?
ホントに大丈夫?」
と心配した。
【シェリア】は、
「は、はい。
ご主人様。
ご迷惑をかけて申し訳ありません」
と更に詫びる。
【一郎太】は、
「大丈夫、大丈夫。
助け合って行こう。
僕らは仲間だ。
足りない分は他の人が補う。
それで行こう」
と言った。
【シェリア】は、
「ご主人様……」
と言って感動したのだった。
【フロンティア】、
【ミンストレル】、
【カプリース】、
のチームと協力関係を築く事は出来たが、彼等と一緒に行動するには少々、不便な事がある。
それは【一郎太】が彼等の前では【ガラティア】の【本名】で呼ぶことが出来ないと言うことだ。
【ガラティア】の【本名】が知られれば、【フロンティア】は反旗を翻すだろう。
お互いが、【本名】を知ったという事で、本当の殺し合いに発展するかも知れない。
なので、彼等とはお互いの【聖域】に対する情報交換をして別行動を取る事にした。
【一郎太】の方もこれまで行った、【第8ファーブラ(神話)】や【第115ホノル(名誉)】の【聖域】情報を伝えている。
代わりに彼等から、【第104ホノル(名誉)】と【第5ファーブラ(神話)】の【聖域】情報を教えてもらった。
ギブアンドテイクである。
まずは、彼等と別れた場所から近い方である【第104ホノル(名誉)】を目指した。
【第104ホノル(名誉)】で、【宗一郎】は【ミンストレル】と【カプリース】を手に入れたと言っていた。
【ホノル(名誉)】と言う条件でも、【一郎太】側の【ヴィエーラ】と【ヴェリアブル】と同じだったのである。
ここの【伝説】は以下の様なものになっている。
【第104ホノル(名誉)】/【王族婚姻伝説】
ある世では1つの王国が繁栄していた。
その王は子宝に恵まれ、127名の王子王女を授かった。
そして、王は、子供達にこう宣言する。
「余の後継者は、最も偉大な功績を残した者とする。
お前達でも良い。
お前達の伴侶でも良い。
とにかく、最も、国を栄させた者を次の王とする」
と。
これに王子王女達は過剰に反応した。
王子王女達は、パトロンとなり、様々な【勇者】達と契約した。
契約した【勇者】達はこぞって手柄を求めて冒険に出て行った。
これが、【勇者時代】の始まりとされている。
王子王女達は契約する【勇者】達を度々変えていたため、実際には1836名の【勇者】達と契約したとされている。
だが、最終的に名前が残ったのは、王子王女達と最後に契約した127名の【勇者】達だった。
という伝説が残っていた。
これも、【第115ホノル(名誉)】の【聖域】の時と同じ様に、【ガラティア】が、
「スティグマ・グラーティア(聖痕恩寵/せいこんおんちょう)っ」
と唱えて、【11女神】か【ガラティア】の信奉者が居ないか探ってから、その後で【一郎太】が【本名】を言い当てられるか試す事にした。
【第104ホノル(名誉)】には、現在68体分の【石像】が残っていたが、彼女の【信奉者】は居なかった。
それもそのはずである。
ここは、すでに、【宗一郎】と【フロンティア】が訪れている場所である。
【11女神】の【信奉者】ならば、同じ【11女神】の1柱である【フロンティア】が既に従者としているはずなのだ。
【ガラティア】自身を【信奉】する者は珍しいから、基本的にはもう居ないのである。
つまり、【一郎太】が直接【本名】を言い当てるしかないのだ。
これについては【第115ホノル(名誉)】についても同じ事が言える。
【フロンティア】達も【信奉者】を見つけられないからおあいこなのである。
結局、【一郎太】が、
「そっか。
駄目か。
じゃあ、僕の方が挑戦するよ。
1体目は……
そうだなぁ……
【ケント】っ
これでどうだ?
……駄目か。
じゃあ、2体目行くか。
2体目は……
【ジャッキー】っ
これでどうかな?
……う~ん、駄目か。
まだまだぁ……
3体目は……」
と言うように順番に【本名当て】をしていった。
が、結局、68体全ての【石像】の【名前】をハズしてしまった。
こんなものである。
無数にある【名前】の中から、本当の【名前】を言い当てるなど、【運命】や【奇跡】でも起こらない限りあり得ないのである。
それも最初の1回目ずつしか挑戦権が与えられないから、尚、当たらない。
簡単にいくのであれば誰も苦労はしないのである。
こうして、【第104ホノル(名誉)】は全て空振りに終わり、続く、【第5ファーブラ(神話)】の【聖域】を目指したのだった。
道中、【一郎太】は、
「ごめんね、みんな……」
と言った。
【ガラティア】は、
「どうされたのですか?」
と聞いた。
【一郎太】は、
「いや、何……
全然、不甲斐ない僕でごめんねって言うか……ね……」
と言った。
【ヴェリアブル】は、
「ははっ。
確かに頼りないリーダーではあるっすね」
と言った。
【ガラティア】は、
「【ヴェリアブル】っ。
口を慎みなさい」
とたしなめた。
【ヴェリアブル】は、
「すいません。
つい……」
と言った。
【一郎太】は、
「いや……
良いんだ【ガラティア】ちゃん。
確かに【ヴェリアブル】君の言うとおりだよ。
僕はこのチームを引っ張って行くものとして、頼りない。
情けない気分だ。
いつも何も出来ない」
と言った。
【ガラティア】は、
「そのような事はありません。
旦那様の優しさ。
励みになります。
ですから、私はがんばれるのです。
頼りにしているのです。
そんな旦那様ですから、私はあなたにお仕えしたいと思うのです。
なのでどうか、ご自分を低く評価なさらないでください。
お願いいたします」
と言った。
【一郎太】は、
「そうか。
……ごめんね。
愚痴みたいな事、言って。
わかった。
前向きに考えて見るよ。
これからどうしたら良いか?
その事も含めてね」
と言った。
そんな話をしながらだったが、【一郎太】のパーティーは団結力だけは増して言った。
お互い弱い所、思った所などを指摘しあい、それを改善しようと思って発言する。
それは組織として、良い方向に作用していた。
何でもかんでも肯定していた【ガラティア】だけではこうはならなかった。
時には【一郎太】にとって不利な発言をする【ヴェリアブル】達が居るからこそ、バランスが取れていたのだった。
居心地は悪くない。
そんなパーティーとなりつつあったのだ。
そうこう、話している内に、【一郎太】達は、【第5ファーブラ(神話)】の【聖域】にたどり着いた。
【第5ファーブラ(神話)】は以下の様な【神話】だった。
【季節神話】、
【時神話】、
【12月神話】、
――等だ。
【季節神話】とは、
季節を司る【女神達】で構成される【神話】だからだ。
【時神話】も
同じ様な意味で使われる。
【12月神話】とされるのは、【女神】の名前が、
(01)【ヤーヌャルス(1月)】、
(02)【フェブラーリウス(2月)】、
(03)【マルツュス(3月)】、
(04)【アプリーリス(4月)】、
(05)【マーユス(5月)】、
(06)【ユーニュス(6月)】、
(07)【ユリウス(7月)】、
(08)【アウグステュス(8月)】、
(09)【セプテーンベル(9月)】、
(10)【オクトーベル(10月)】、
(11)【ノヴェーンベル(11月)】、
(12)【デチェーンベル(12月)】、
と、12の月の名前になっているからだ。
それぞれの【唯一神】とされており、
年を通して、
1月には、【ヤーヌャルス(1月)】のみが、
2月には、【フェブラーリウス(2月)】のみが、
3月には、【マルツュス(3月)】のみが、
4月には、【アプリーリス(4月)】のみが、
5月には、【マーユス(5月)】のみが、
6月には、【ユーニュス(6月)】のみが、
7月には、【ユリウス(7月)】のみが、
8月には、【アウグステュス(8月)】のみが、
9月には、【セプテーンベル(9月)】のみが、
10月には、【オクトーベル(10月)】のみが、
11月には、【ノヴェーンベル(11月)】のみが、
12月には、【デチェーンベル(12月)】のみが、
――存在するとされている。
【神話】としては、それぞれの【唯一神】と【民】との交流が描かれていると言うものだ。
この【石像柱】で現在残っているのは、
(1)【フェブラーリウス(2月)】、
(2)【マーユス(5月)】、
(3)【ユーニュス(6月)】、
(4)【ユリウス(7月)】、
(5)【アウグステュス(8月)】、
(6)【セプテーンベル(9月)】、
(7)【ノヴェーンベル(11月)】、
(8)【デチェーンベル(12月)】、
の8柱だ。
【ヤーヌャルス(1月)】、
【マルツュス(3月)】、
【アプリーリス(4月)】、
【オクトーベル(10月)】、
の4柱はすでにパートナーを決めて、【人化】して居るため、この【聖域】には既に無い。
だが、【一郎太】は、残っている8柱分、挑戦する事が出来るという事になる。
【ガラティア】は【英雄】達の様に【スティグマ・グラーティア(聖痕恩寵/せいこんおんちょう)】で従者とする事は出来ない。
相手は同じ【女神】なのだ。
つまり、【ガラティア】や【11女神】の【信奉者】であるはずがないのだ。
【一郎太】は、
「じゃあ、挑戦するか。
まずは、【フェブラーリウス(2月)】からだ。
君の名は……
【レイア】だ。
どうだ……」
と言った。
しばらく待つ。
シーンと言う音が響く。
【ヴィエーラ】は、
「……反応しませんね。
駄目みたいです」
と言った。
【一郎太】は、
「そうだね。
じゃあ、次行こう。
次は【マーユス(5月)】。
君の名は……
【マリス】だ。
今度はどうだ?
………」
と言った。
今度もやはり、シーンという音が響いた。
続いて、
【ユーニュス(6月)】/【ステラ】と言ってみるがハズレ、
【アウグステュス(8月)】/【リサ】と言ってみるがハズレ、
【セプテーンベル(9月)】/【アニー】と言ってみるがハズレ、
【ノヴェーンベル(11月)】/【イオナ】と言ってみるがハズレた。
残す所、後1柱。
もう駄目かと言う諦めモードも少し出てきた。
【一郎太】は、
「やっぱり駄目か……
最後は、【デチェーンベル(12月)】。
君の名は……
【シェリア】だ。
どうだ?
駄目か……?」
と言った。
すると、意外や意外。
【石像柱】が突然光り出した。
【ガラティア】の時の様に頭に【名前】が浮かんだ訳では無いが、偶然、【本名】を言い当てたのだ。
「うわっ……
何だ?
何があったんだ?」
【一郎太】は動揺する。
デジャブか?
【ガラティア】の時と同じ反応をする。
光った【石像柱】を凝視する。
すると、頭のテッペンから順番に下の方へと、だんだん、【生身の肉体】に変わって行くのが見えた。
冷たい印象の【石像柱】から徐々に美しい肉体が出来上がっていく。
まるで、【ガラティア】の時の事をなぞらえる様に、同じ現象が起きていく。
やはり、余りにも美しい光景なので、
「うわぁぁぁ……」
と言った。
10分ほど経っただろうか?
それくらい時間をかけて【石像柱】は【人間】の様な姿に変わったのだった。
【石像柱】は、すぅ~っと目を開ける。
【一郎太】は、
「シェリア……ちゃん?」
と聞いた。
その【石像柱】は、
「はい。
そうです。
【シェリア】です。
ご主人様。
どうか、よろしくお願いします」
と答えた。
何と、最後の最後でミラクルが起こった。
2柱目の【女神】を【一郎太】はゲットしたのだった。
嬉しい誤算だった。
だが、そうなると、先に行った【第104ホノル(名誉)】の【聖域】の件が悔やまれる所だった。
【第104ホノル(名誉)】と【第115ホノル(名誉)】には、もう他に【11女神】や【ガラティア】の【信奉者】である【英雄】は居ない。
だが、【シェリア】か、彼女の属する【12季節唯一神(じゅうにきせつゆいいつしん)】の【信奉者】は居たかも知れない。
しかし、【一郎太】は、既に、【第104ホノル(名誉)】と【第115ホノル(名誉)】で【本名当て】に失敗している。
この場合、例え、【シェリア】か【12季節唯一神】の【信奉者】が居たとしても無効となる。
【一太郎】のパーティーに入れる権利は無くなるのである。
そう言う意味で悔やまれると表現したのだ。
この順番が逆だったら、【ガラティア】の後で【シェリア】も【スティグマ・グラーティア(聖痕恩寵/せいこんおんちょう)】を試す事が出来たのだ。
だが、前向きに考えれば、今後は、【英雄】達の【聖域】で【ガラティア】と【シェリア】の2回分ずつ、試す事が出来るという事だ。
それはすなわち、仲間を作るチャンスが増えると言う事を意味しているのだった。
少々惜しい事をしたが、こうして、【一郎太】のパーティーは、
(1)【一郎太】、
(2)【ガラティア】、
(3)【シェリア】、
(4)【ヴィエーラ】(【ガラティアの信奉者】)、
(5)【ヴェリアブル】(【ガラティアの信奉者】)、
――の5名となり、【女神】の【能力】も、【ガラティア】と【シェリア】の2柱の【力】が使える事になったのだった。
【シェリア】は、
「先輩方も、どうか、よろしくお願いしますね」
と言って挨拶した。
【ガラティア】は、
「よろしく。
私の名前は【ガラティア】。
身内以外の場合では、【フェスタア】と名乗っています。
あなたもその辺りの状況は理解出来ると思います。
共に、旦那様を守っていきましょう」
と言った。
【シェリア】は、
「はい、先輩。
私の名前は、【シェリア】です。
身内以外の場合では、【デチェーンベル】とお呼びください。
一緒に、ご主人様を盛り立てていきましょう」
と返した。
【ヴィエーラ】は、
「よろしくお願いします【シェリア】様。
私は【ガラティア】様の信奉者である【ヴィエーラ】と申します。
以後お見知り置きを」
と言った。
【シェリア】は、
「こちらこそ、よろしく【ヴィエーラ】さん。
仲良くやっていきましょう」
と言った。
【ヴェリアブル】は、
「あっしは【ヴェリアブル】です。
あっしの事もよろしくお願いしますよ【シェリア】様」
と言った。
【シェリア】は、
「えぇ。
よろしく。
じゃあ、悪いんですけど、私もあなた方【英雄】達の情報が知りたいのですが良いですか?」
と言った。
情報が知りたいと言うことは【ガラティア】がそうした様に、【ステータス・スキャンアイ】で探りを入れて良いかと聞いているのだ。
【ヴィエーラ】は、
「【ガラティア】様。
宜しいですか?」
と聞いた。
【ヴィエーラ】も【ヴェリアブル】も【ガラティア】の傘下なので、【ガラティア】の許可が居るのだ。
【ガラティア】は、
「かまいません。
味方同士、情報の共有はあった方が良いでしょう。
私の方はかまいません。
あなた方、次第です」
と言った。
【ヴィエーラ】は、
「ってことで私の方はオッケーです」
と言った。
【ヴェリアブル】も、
「あっしもです。
どうぞ、見ておくんなせい。
あっしの性癖とかね……」
と言ってウインクした。
忘れがちだが、【ヴェリアブル】は【変態道化師】である。
その性癖を【シェリア】が理解出来るかどうかが問題だった。
実際、【シェリア】は、
「【ステータス・スキャンアイ】っ」
と唱えて【ヴィエーラ】と【ヴェリアブル】の情報を得た。
そして、【ヴェリアブル】のステータスを確認して、
「ふぁ……」
と言って気を失った。
アブノーマル過ぎて、失神したのだ。
情報を共有する【一郎太】には文字情報のみが伝わるが、【シェリア】の様な【女神】には映像情報も同時に伝わる。
【ガラティア】は割と平気だったが、【シェリア】にとってはインパクトが強すぎたようだった。
しばらくして、【シェリア】は、
「う、うぅ~ん……
こ、ここは……?」
と言った。
【ガラティア】は、
「大丈夫だった?
あなた、気を失ったのよ」
と告げた。
【シェリア】は、
「はっ……
す、済みません。
私ったら……」
と言って詫びた。
【一郎太】は、
「ちょっと刺激が強かったのかな?
ホントに大丈夫?」
と心配した。
【シェリア】は、
「は、はい。
ご主人様。
ご迷惑をかけて申し訳ありません」
と更に詫びる。
【一郎太】は、
「大丈夫、大丈夫。
助け合って行こう。
僕らは仲間だ。
足りない分は他の人が補う。
それで行こう」
と言った。
【シェリア】は、
「ご主人様……」
と言って感動したのだった。
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