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接点と関係性
9; 本当の理由
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「私は、弓道部に所属してたの。
ここら辺って田舎出しさ、周りに道場や教室もあってねお母さんの勧めで小さい頃からやってたの。」
「今はもう居ないんだけどね…。」
あぁこんなに全部思い出すのも久しぶりかも知れない
な。
私がこんなに笑わ無くなったのはあれからだろうか・
中学校2年生の時にお父さんが運転してた車が事故に巻き込まれて、勿論、私やお母さんも乗ってた。
運転席や助手席はグチャグチャになってて、後ろは強い衝撃だけですんだ。
だから私は気を失うことも無く、私のお母さんとお父さんがフロントガラスの破片が至るところに刺さってて大量の出血だった。
もしかしたら顔も少し潰れてたかもしれない。
その後私は祖母の家で暮らすことになった。
祖母はとても優しい人だった。
だからこそ、あの時の事を思い出しても少しは楽だったのかな。
けど、持病があって1年後に他界してしまった。
私は祖母の家で1人で今も暮らす許可が出て、そこから近いこの学校に来た。
ちょうど弓道部もあったしね。
小さい頃から弓道をやっててね、遠くにある的を狙い続けたからなのか、とても的が近くにあるように見え始めて、中学1年生の時には1度も外さずに矢を討ったの。
はじめは皆、すごいね!って言ってくれてた。
けど、余りにも外さないし、気持ち悪がられたのよ。
レギュラーだった先輩は外されて、私がその中に入った。
次第に周りからは無視されてね、それでも気にしなかった。
でもそれが良くなかったのかも知れない。
ある日、私は先輩に呼び出されて弓を支える左肩を痛められた。
「...。」
「...見る?」
「君が見せてもいいなら」
「もうここまで話してるし、別に平気だよ。」
プップッ
ワイシャツを下ろしてもチューブトップの下着だから見せても問題ないかな
「...!?
ちょっと待って、えっ、あっ、ワイシャツここで下ろして平気なの?」
「まあ、見せても前も見える下着じゃないから平気かなって...」
「いや、それでも他の男子に見れたらまずいからこれ着て。」
「...セーター?」
「着たら見せれないから胸をそれで一応隠しといて。」
「ありがとう。」
この傷、人に見せるの初めてかもな...
「...見える? 左肩の所に余り大きくもないけど...」
「うん、見えるよ。 まだ痛い?」
「普段は平気。 たまに痛くなるけどね」
「そっか...」
スッ
月詠のこの傷、何かの形に似てるな
「?! ちょっ、まっ、何してんの?!」
「何って、傷痕をなぞっる。」
「いや、そうじゃなくて... 恥ずかしいんだけど。」
「あっ、ごめん。」
びっくりした...
まさか更科が傷痕を触ってくると思わなかったから。
ちょっとくすぐったかったし...
「この傷はね、矢を思いっきり肩に刺されたの。
でも深くなかったみたいで、筋肉とか神経は大丈夫だったみたい。
そんな事があったから私は中学は転校して、その後、気分転換にって両親が旅行を考えてくれたんだけど、事故で亡くなっちゃった。」
「それでも、お母さんが勧めてくれた弓道を続けたくて、無理してはダメって言われたのにずっと練習してたらね、高校1年の冬に、肩があがらなくて1度も矢を射ることが出来なくなってしまったの。
それ以来、弓を持つことも、袴着ることも嫌になっちゃってね、部活辞めちゃったのよ。」
暗い雰囲気が嫌で少し笑って話したのだけれども、笑えてるかな...
「そんな悲しそうに笑うなよ。
辛いなら辛いって苦しいって素直に言っていい。
笑いたくないのに笑わなくていい。
僕は、楽しそうに笑う月詠の笑顔がみたい。
だから、今だって笑わないで今まで抱え込んでたものを僕に全部言って欲しい。」
なんで彼はこんなにも私に優しくするんだろう。
ここまでしてくれる人なんて家族以外に居たかな?
何でも見透かされそうだと、怪我のせいで色々言われて、親戚にも邪険に扱われたのに...
話してもいいのかな?
僕を頼れ...その言葉を信じていいかな?
「...なんで、一生懸命に練習してたのに...肩を痛められて、もう弓道だって出来なくなって...お母さん達も死んじゃって...なんでよ...私は悪いことしてないのに...」
「ずっと弓道やりたかったのに...肩だって痛むの...痛いの...全部、全部思い出すの...痛みと同時に...辛いよ...苦しいよ...」
「月詠...」
あぁ、なんだか急に暖かいものに包まれた...
これは更科だ。
私のことを抱きしめてくれてる。
「月詠、僕は君の悲しみを全部理解して挙げれるわけじゃないけど、君の苦しみを聞いて、受け止める事はできる。だから、辛くなったら何時でもこうやって話して。」
「...さら、更科っ わた、私...」
「うん、ずっと誰にも言わず頑張って抱え込んできたんだよね。 大丈夫、これからは僕がちゃんと月詠のことを見てるから。 すぐ、話を聞いて上げるから。」
「うん、ありがと...ありがと...話聞いてくれて。
仲良くしてくれようとして、心配してくれて、今もこうやって抱きしめてくれてありがとう。」
「泣き止むまでこうやってしててあげるから、沢山泣いていいよんだよ。」
「うん、ありがと...っ」
こんなに泣くのはいつぶりだろうか...
人前でこんなに泣いたことがあっただろうか...
こうやって誰かに相談した事も無かったのに、彼に話せることが、目の前で泣くことが出来たのは、彼が偽りのない優しい笑顔をするからなのか。
ただ私は今、彼の胸の中で子供みたいに沢山泣けることが嬉しいと思った...。
ここら辺って田舎出しさ、周りに道場や教室もあってねお母さんの勧めで小さい頃からやってたの。」
「今はもう居ないんだけどね…。」
あぁこんなに全部思い出すのも久しぶりかも知れない
な。
私がこんなに笑わ無くなったのはあれからだろうか・
中学校2年生の時にお父さんが運転してた車が事故に巻き込まれて、勿論、私やお母さんも乗ってた。
運転席や助手席はグチャグチャになってて、後ろは強い衝撃だけですんだ。
だから私は気を失うことも無く、私のお母さんとお父さんがフロントガラスの破片が至るところに刺さってて大量の出血だった。
もしかしたら顔も少し潰れてたかもしれない。
その後私は祖母の家で暮らすことになった。
祖母はとても優しい人だった。
だからこそ、あの時の事を思い出しても少しは楽だったのかな。
けど、持病があって1年後に他界してしまった。
私は祖母の家で1人で今も暮らす許可が出て、そこから近いこの学校に来た。
ちょうど弓道部もあったしね。
小さい頃から弓道をやっててね、遠くにある的を狙い続けたからなのか、とても的が近くにあるように見え始めて、中学1年生の時には1度も外さずに矢を討ったの。
はじめは皆、すごいね!って言ってくれてた。
けど、余りにも外さないし、気持ち悪がられたのよ。
レギュラーだった先輩は外されて、私がその中に入った。
次第に周りからは無視されてね、それでも気にしなかった。
でもそれが良くなかったのかも知れない。
ある日、私は先輩に呼び出されて弓を支える左肩を痛められた。
「...。」
「...見る?」
「君が見せてもいいなら」
「もうここまで話してるし、別に平気だよ。」
プップッ
ワイシャツを下ろしてもチューブトップの下着だから見せても問題ないかな
「...!?
ちょっと待って、えっ、あっ、ワイシャツここで下ろして平気なの?」
「まあ、見せても前も見える下着じゃないから平気かなって...」
「いや、それでも他の男子に見れたらまずいからこれ着て。」
「...セーター?」
「着たら見せれないから胸をそれで一応隠しといて。」
「ありがとう。」
この傷、人に見せるの初めてかもな...
「...見える? 左肩の所に余り大きくもないけど...」
「うん、見えるよ。 まだ痛い?」
「普段は平気。 たまに痛くなるけどね」
「そっか...」
スッ
月詠のこの傷、何かの形に似てるな
「?! ちょっ、まっ、何してんの?!」
「何って、傷痕をなぞっる。」
「いや、そうじゃなくて... 恥ずかしいんだけど。」
「あっ、ごめん。」
びっくりした...
まさか更科が傷痕を触ってくると思わなかったから。
ちょっとくすぐったかったし...
「この傷はね、矢を思いっきり肩に刺されたの。
でも深くなかったみたいで、筋肉とか神経は大丈夫だったみたい。
そんな事があったから私は中学は転校して、その後、気分転換にって両親が旅行を考えてくれたんだけど、事故で亡くなっちゃった。」
「それでも、お母さんが勧めてくれた弓道を続けたくて、無理してはダメって言われたのにずっと練習してたらね、高校1年の冬に、肩があがらなくて1度も矢を射ることが出来なくなってしまったの。
それ以来、弓を持つことも、袴着ることも嫌になっちゃってね、部活辞めちゃったのよ。」
暗い雰囲気が嫌で少し笑って話したのだけれども、笑えてるかな...
「そんな悲しそうに笑うなよ。
辛いなら辛いって苦しいって素直に言っていい。
笑いたくないのに笑わなくていい。
僕は、楽しそうに笑う月詠の笑顔がみたい。
だから、今だって笑わないで今まで抱え込んでたものを僕に全部言って欲しい。」
なんで彼はこんなにも私に優しくするんだろう。
ここまでしてくれる人なんて家族以外に居たかな?
何でも見透かされそうだと、怪我のせいで色々言われて、親戚にも邪険に扱われたのに...
話してもいいのかな?
僕を頼れ...その言葉を信じていいかな?
「...なんで、一生懸命に練習してたのに...肩を痛められて、もう弓道だって出来なくなって...お母さん達も死んじゃって...なんでよ...私は悪いことしてないのに...」
「ずっと弓道やりたかったのに...肩だって痛むの...痛いの...全部、全部思い出すの...痛みと同時に...辛いよ...苦しいよ...」
「月詠...」
あぁ、なんだか急に暖かいものに包まれた...
これは更科だ。
私のことを抱きしめてくれてる。
「月詠、僕は君の悲しみを全部理解して挙げれるわけじゃないけど、君の苦しみを聞いて、受け止める事はできる。だから、辛くなったら何時でもこうやって話して。」
「...さら、更科っ わた、私...」
「うん、ずっと誰にも言わず頑張って抱え込んできたんだよね。 大丈夫、これからは僕がちゃんと月詠のことを見てるから。 すぐ、話を聞いて上げるから。」
「うん、ありがと...ありがと...話聞いてくれて。
仲良くしてくれようとして、心配してくれて、今もこうやって抱きしめてくれてありがとう。」
「泣き止むまでこうやってしててあげるから、沢山泣いていいよんだよ。」
「うん、ありがと...っ」
こんなに泣くのはいつぶりだろうか...
人前でこんなに泣いたことがあっただろうか...
こうやって誰かに相談した事も無かったのに、彼に話せることが、目の前で泣くことが出来たのは、彼が偽りのない優しい笑顔をするからなのか。
ただ私は今、彼の胸の中で子供みたいに沢山泣けることが嬉しいと思った...。
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