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第18話 女神様、ラーメン屋台デビュー
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セラフィーラさんの鼻歌を聴きながら夜道を歩く。しっかり赤信号で止まることも覚えてくれたようだ。
「ご機嫌ですね」
「はい! ラーメンも屋台も私が生まれるずっと前からありましたから。最近は国を跨いで独自の発展を遂げたラーメンが流行っているそうですので、なおさら楽しみです」
最近?
何言ってんだと思ってあとで調べたら、ラーメンは幕末に中国から伝わり独自の進化を遂げて、1910年に日本初のラーメンブームが起こったとのこと。
100年前が最近ねぇ……。
「あの暖簾が屋台ですね」
「素敵です!」
遠くにこじんまりとした木製の屋台が見えた。日雇い帰りに発見して目をつけていたのだ。
隣に目を向けると、大興奮のセラフィーラさんが、
いない。
「あ゛っ! 走っちゃダメですよ!」
セラフィーラさんは小走りで屋台へ。その勢いのまま暖簾をくぐった。
ゴールテープじゃないんだから。
「っしゃっせー」
「どうも、しゃっせーです!」
郷に入ったら郷に従うセラフィーラさん。
「二人入れますか?」
「あいよー」
「はやとさーん早くこちらへ! 麺が伸びちゃいますよー!」
あなたまだラーメン頼んでないでしょ。
俺も遅れて屋台に入る。
「オススメを教えてください」
「うちは代々、醤油ラーメンが自慢だよ」
「じゃあ、醤油ラーメンでお願いします」
「では私も」
「あいよー」
初見の店は無難にオススメを頼むのが安泰だ。
「代々とおっしゃっていましたが、この屋台はいつ頃からあるのですか?」
「俺のひい爺ちゃんが始めた屋台で、100年くらい経つね」
「四代目なのですね。受け継がれる人の意思と技術。私には何も残せないので憧れます」
「そんな大層なもんじゃねぇさ」
神は子孫を残さない。知らぬ間に誕生し、新神教育のみを行うそうだ。
「お二人さん見ない顔だね」
「はい、一昨日引っ越して参りました。はやとさんとは同棲中です」
転生と追放を誰にも話さないという俺との約束をしっかり守ってくれた。
セラフィーラさんの成長が眩しい。
「アツアツだね」
「そうですか?」
セラフィーラさんはピンときていないご様子。
違和感を覚えた俺は、何気なくこれまで避けてきた禁断の質問をしてしまった。
「セラフィーラさん。同棲の意味を知ってますか?」
「同棲ですか? えーとたしか、人と人が一緒に住むこと、だったかと。同居やルームシェアとも言うそうです」
「そう……ですか…………」
「はやとさん?」
「いや、なんでもないです」
同棲とは、一般的に婚姻関係にない恋人同士が一緒に住むことを指す。
やはり、セラフィーラさんは同棲という言葉に対して、恋愛的な意味を見いだしていなかった。
薄々勘付いてはいたが、これはかなりこたえるな。
今は無理でも、いつかは振り向いてもらえるように頑張りたい。
「はいよー」
醤油ラーメンが二つ並んだ。
「いただきます!」
「はい、いただきます……」
箸を割り、ラーメンを啜る。
うまい。
鶏がらスープに醤油の和風タレが効いている。
「はやとさん。どうやって食べたらよろしいのでしょうか?」
セラフィーラさんがいつものように感想を言わないと思ったら、箸をグーで握り締めたまま固まっていた。
「あー箸ですか。まずこうやって上の箸は鉛筆を持つ要領で、下の箸は中指と薬指の間に入れて固定してください」
「えんぴつ……?」
あーそうだ鉛筆持ったことないわこの人。共通認識で伝えるのって難しい!
「上手に持てません。どうしましょう! 早くしないと伸びてしまいます!」
「あぁ、落ち着いてください! あのー代わりにフォークありますか?」
「はいよー」
「申し訳ございません。必ず研磨に励み、自家薬籠流の物にいたします」
箸程度の習得にそこまでの気概はいらない。
セラフィーラさんは悔しそうに片手で髪をかきあげながらラーメンをフォークですくって口へ運ぶ。
「美味しいです! このコクとしょっぱさがクセになりそうです。トッピングも色々あるのですね」
「うちは半熟煮卵とチャーシューにも気合い入れてるよ」
「これがあの、卵の全容なのですね! 厚みのあるチャーシューもとろってしています。焦げ目の部分も美味しいです」
ラーメンをうまく啜れないようで、ちょっとずつ口に入れている姿に癒される。
啜るという動作は普段から慣れていないと難しいらしい。
「今日は初めてお金を稼いで、そのお金でラーメンも食べれて幸せです。ずっと前からの夢でしたから。これからも二人で協力していきましょうね!」
「もちろんです」
そうやって真正面から言われると照れくさい。
セラフィーラさんは店主と打ち解けたようで、ラーメンについて根掘り葉掘り聞いては懇切丁寧に教えてもらっていた。
セラフィーラさんのコミュ力に脱帽。
◇
俺たちは佐々木公園の段ボールテントに帰宅した。
昨日はセラフィーラさんが先だったので、今日は俺が先にドラム缶風呂に入った。平等にローテーション。
セラフィーラさんが帰ってくるまで、テントでぼーっとくつろいでいる。
この生活も悪くない。
何気なく山田さんの朝の焼きおにぎりのメモの裏面を見た。
『今夜は台風に気を付けろ』
ぽつり、とテントに何かが当たった音がした。
連続的に発生するその音は次第に大きくなり、段ボールが染みていった。
「雨だ」
テントを出るとゴロゴロと雷が鳴った。
セラフィーラさんは今入浴中だけれど、連れ戻さないとまずい。
セラフィーラさんが野晒しにされる。
段ボール製のテントも危ない。
俺は急いでドラム缶風呂へと走った。
「ご機嫌ですね」
「はい! ラーメンも屋台も私が生まれるずっと前からありましたから。最近は国を跨いで独自の発展を遂げたラーメンが流行っているそうですので、なおさら楽しみです」
最近?
何言ってんだと思ってあとで調べたら、ラーメンは幕末に中国から伝わり独自の進化を遂げて、1910年に日本初のラーメンブームが起こったとのこと。
100年前が最近ねぇ……。
「あの暖簾が屋台ですね」
「素敵です!」
遠くにこじんまりとした木製の屋台が見えた。日雇い帰りに発見して目をつけていたのだ。
隣に目を向けると、大興奮のセラフィーラさんが、
いない。
「あ゛っ! 走っちゃダメですよ!」
セラフィーラさんは小走りで屋台へ。その勢いのまま暖簾をくぐった。
ゴールテープじゃないんだから。
「っしゃっせー」
「どうも、しゃっせーです!」
郷に入ったら郷に従うセラフィーラさん。
「二人入れますか?」
「あいよー」
「はやとさーん早くこちらへ! 麺が伸びちゃいますよー!」
あなたまだラーメン頼んでないでしょ。
俺も遅れて屋台に入る。
「オススメを教えてください」
「うちは代々、醤油ラーメンが自慢だよ」
「じゃあ、醤油ラーメンでお願いします」
「では私も」
「あいよー」
初見の店は無難にオススメを頼むのが安泰だ。
「代々とおっしゃっていましたが、この屋台はいつ頃からあるのですか?」
「俺のひい爺ちゃんが始めた屋台で、100年くらい経つね」
「四代目なのですね。受け継がれる人の意思と技術。私には何も残せないので憧れます」
「そんな大層なもんじゃねぇさ」
神は子孫を残さない。知らぬ間に誕生し、新神教育のみを行うそうだ。
「お二人さん見ない顔だね」
「はい、一昨日引っ越して参りました。はやとさんとは同棲中です」
転生と追放を誰にも話さないという俺との約束をしっかり守ってくれた。
セラフィーラさんの成長が眩しい。
「アツアツだね」
「そうですか?」
セラフィーラさんはピンときていないご様子。
違和感を覚えた俺は、何気なくこれまで避けてきた禁断の質問をしてしまった。
「セラフィーラさん。同棲の意味を知ってますか?」
「同棲ですか? えーとたしか、人と人が一緒に住むこと、だったかと。同居やルームシェアとも言うそうです」
「そう……ですか…………」
「はやとさん?」
「いや、なんでもないです」
同棲とは、一般的に婚姻関係にない恋人同士が一緒に住むことを指す。
やはり、セラフィーラさんは同棲という言葉に対して、恋愛的な意味を見いだしていなかった。
薄々勘付いてはいたが、これはかなりこたえるな。
今は無理でも、いつかは振り向いてもらえるように頑張りたい。
「はいよー」
醤油ラーメンが二つ並んだ。
「いただきます!」
「はい、いただきます……」
箸を割り、ラーメンを啜る。
うまい。
鶏がらスープに醤油の和風タレが効いている。
「はやとさん。どうやって食べたらよろしいのでしょうか?」
セラフィーラさんがいつものように感想を言わないと思ったら、箸をグーで握り締めたまま固まっていた。
「あー箸ですか。まずこうやって上の箸は鉛筆を持つ要領で、下の箸は中指と薬指の間に入れて固定してください」
「えんぴつ……?」
あーそうだ鉛筆持ったことないわこの人。共通認識で伝えるのって難しい!
「上手に持てません。どうしましょう! 早くしないと伸びてしまいます!」
「あぁ、落ち着いてください! あのー代わりにフォークありますか?」
「はいよー」
「申し訳ございません。必ず研磨に励み、自家薬籠流の物にいたします」
箸程度の習得にそこまでの気概はいらない。
セラフィーラさんは悔しそうに片手で髪をかきあげながらラーメンをフォークですくって口へ運ぶ。
「美味しいです! このコクとしょっぱさがクセになりそうです。トッピングも色々あるのですね」
「うちは半熟煮卵とチャーシューにも気合い入れてるよ」
「これがあの、卵の全容なのですね! 厚みのあるチャーシューもとろってしています。焦げ目の部分も美味しいです」
ラーメンをうまく啜れないようで、ちょっとずつ口に入れている姿に癒される。
啜るという動作は普段から慣れていないと難しいらしい。
「今日は初めてお金を稼いで、そのお金でラーメンも食べれて幸せです。ずっと前からの夢でしたから。これからも二人で協力していきましょうね!」
「もちろんです」
そうやって真正面から言われると照れくさい。
セラフィーラさんは店主と打ち解けたようで、ラーメンについて根掘り葉掘り聞いては懇切丁寧に教えてもらっていた。
セラフィーラさんのコミュ力に脱帽。
◇
俺たちは佐々木公園の段ボールテントに帰宅した。
昨日はセラフィーラさんが先だったので、今日は俺が先にドラム缶風呂に入った。平等にローテーション。
セラフィーラさんが帰ってくるまで、テントでぼーっとくつろいでいる。
この生活も悪くない。
何気なく山田さんの朝の焼きおにぎりのメモの裏面を見た。
『今夜は台風に気を付けろ』
ぽつり、とテントに何かが当たった音がした。
連続的に発生するその音は次第に大きくなり、段ボールが染みていった。
「雨だ」
テントを出るとゴロゴロと雷が鳴った。
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