セーブして掘られてロードする 〜ドスケベ淫乱勇者・ジークの冒険譚〜

卯月ひすい

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魔術師アッシュ編

第16話 (2/4)

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「……魔術紋まじゅつもん、か?」

 ロイが静かに問いかける。

「そーそー。意外と博識だな、聖騎士サマ」
「騎士団内にも、魔力が伸び悩んで彫る者がいた。俺も、知識だけはある」

「首元やお袖からちょっと見えてるの、気になってましたけど……まさか、全身とは」
「あれあれ? イリアちゃん、オレのことそんなに見てくれてたの?」

 三人が会話を交わす中、俺は、息を飲んでいた。
 言葉を失っていた。

 ――いや待て。
 ちょっと待てッ!!!

 

(ドスケベなのは、てめえの身体じゃねえか……っ!!!!!)


 肩、胸、腹、背中、腰。
 まるで全身を這う呪いのような、幾何学模様の黒い紋様。
 神秘と危うさ、緻密さと暴力性――そのすべてが、脳に直接刺さってくる。

(っっっっっべえええええええ!!!! エッッッッッロ!!!!)

 エロい。いや、エロすぎる。

 性的じゃないのに、エロい。むしろ、性的でないからこそエロい。

 見てるだけで股間が熱を持つ。下腹がじんじんする。神秘と背徳が入り混じる、禁断の構造美。なんだこれ、芸術か? チンポの神殿か?

 口が乾く。舌が張り付く。

「えっと、それ……魔術の強化のために、彫ってるのか?」

 やっとの思いで質問を絞り出すと、アッシュは当然といった顔で頷いた。

「おう。ここが魔力増幅で――」

 彼はさらっと、自分の二の腕の紋様をなぞる。
 その指が、ゆっくりと胸筋を通って、鎖骨へ。

「この辺が大規模魔術の時の安定化で――」

 ごくりと喉が鳴る。

 えっ、それ、乳首の上すれすれ……通って……?

「あと……こっちが精密制御用だな」

 ひねった身体から見える、背中に回り込む紋様。引き締まった腰に刻まれた流線が、尾骨のあたりで交差していて――

(それ尻まで行ってない!?……尻にまで魔術紋……!? エッッッッッ……!?!?!?!?)

 限界がきた。
 勃ちそう。

 いや、もう7割くらい勃ってる。ていうかギリギリまでタオルで誤魔化してるだけで、完全にフル勃起直前。

(あああああああもう無理!!! お願いだから、それ以上動かないでくれ!!!!!)

 説明なんぞ聞こえちゃいない。
 タオルの下で、俺の神聖な勇者棒が、ただただ神に祈りを捧げていた。


「それだけ刻むと……自前の魔術回路と干渉しませんか?」

 イリアの問いに、アッシュはあっさり答える。

「まあ、フツーは魔力暴走して死ぬな。オレは根性と才能でカバーしたけど」

(さらっと言うなバケモン!!!)

 俺の横で、ロイが合点がいったという風に「ああ」と呟いた。

「公衆浴場にあまり来ないのは……それが理由だったのか」
「おうよ~。別にオレはどう見られようと気にしねえけど、癒されに来てる奴を不快にしたら悪ぃからな」


 ――おうふ。

見た目:◎(エロい)
背徳感:◎ (エロい)
魔術的才能:◎ (すごい)
公共への配慮:◎ (えらい)
なのにチャラい:◎ (すごくエロい)


(なんなんだよ……何属性積めば気が済むんだよお前……ッ!)

 魔術紋、性感帯エリア網羅しすぎだろ!!!
 あれ絶対、触れたら「あっ……♡」とか言うタイプだろ……ッ!

 それ、俺が持ってるべき属性だろ!!!


「ちなみに……」

 そう言いながら、アッシュが腰のタオルを少しだけ、ずらした。

「この辺が空間魔力制御でさ。イリアちゃん、天国見たかったら今夜――」

 イリアが、すっと手を掲げる。

「『聖なる御印みしるし、顕現せよ。悪しき魂を浄化し――』」

「冗談だって! 冗談!!!」

 淡々とした詠唱開始に、アッシュが真顔で全力撤退。そのまま湯へザバァッと沈み込む。

 揺れる湯面に、彼の魔術紋が淡く反射して揺らいだ。湯気に浮かぶその白磁のようなうなじが艶やかで、そして何より、めちゃくちゃエロい。


 それを間近で見た俺は――

 

(もうダメだ。掘ってください、お願いします)


 ぼんやりと湯に沈みかけていた。
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