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神官リオネル編
第34話 神官、欲望を知る(1/3)
しおりを挟む【時系列:第17話時点 / 視点:リオネル】
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執務室の壁際には、積まれた書類の山と香の漂う棚。
今、その静謐な空間の中で、私はソファに押し倒され、法衣の裾を腰まで押し上げられていた。
カルディス司祭の手が、私の腿を強引に割り開く。熱を帯びた先端が、ゆっくりと押し入ってくる感触が、背筋を這い上がった。
ずぷり、と湿った音と共に、奥の奥まで満たされる。
「……っ……は……」
反射的に息が漏れ、慌てて奥歯で噛み殺す。
香炉から立ち上る甘い煙が、カルディスの体温を肺の奥まで送り込んでくるようだ。
彼はわざと浅く引き、すぐには奥まで戻さない。縁を擦るだけの焦らすような動き。
かと思えば、角度を変え、深く突き上げ――思わず腰が浮きかけるのを手で押さえつける。
「……ふ……相変わらず、お前の身体はよく馴染む」
耳元に落ちる声と同時に、耳朶を舌がなぞる。小さく震えた肩を、彼の手がしっかりと押さえ込んだ。
その律動は、私を悦ばせるためのものではない。わざと反応を引き出し、支配を刻みつけるためのものだと分かっている。
だが、どうしようもなく馴染むのは、悔しいが事実だった。
「……っ……ん……」
噛み殺した声が喉奥でくぐもり、汗が背をつたう。
それでも私は、視線を天井の装飾に固定したまま、感情を沈め続けた。
やがて、深く沈み込まれたまま、脈打つ熱が腹の奥へ流れ込む。どくっ、どくっ、と内側から温もりが広がり、満たされていく。
彼はそのまま私の頬を掴み、唇を重ねてきた。
濡れた温かさを一拍だけ受け入れ、すぐに顔を逸らす。
「……この後、政務官殿との面会があるのでしょう? 早く、ご準備を」
手で彼の胸を押し、距離を取った。
カルディスの目が細まり、執着の色が一瞬だけ強くなる。
彼が何かを言おうと口を開いた瞬間――
――コン、コン。
ノックの音と共に扉が開き、部下が顔を覗かせた。
「失礼しま――……あっ、す、すみません!」
「……構わん、今終わったところだ」
慌てて退こうとする部下に、カルディスが涼しい声で告げた。
(……あれだけねちっこく責めておいて、よくもまあ平然と言えるものだ)
内心で毒づきつつ、彼から離れる。……それでも、その重みが無くなった瞬間、なぜか冷えた風が胸を撫でた。
法衣の裾を整えながら、部下に問いかける。
「それで、私に何か?」
「あっ、はい――勇者さま御一行が、受付に……」
「……分かりました。すぐに行きます」
指先に淡い光を宿し、腰まわりに触れる。ひと息の詠唱と共に、温かな浄化魔法が肌を滑り、粘つく感触が瞬く間に消え去った。
そのままソファから立ち上がる。カルディスは何も言わず、じっと私を見送っていた。その眼差しは、縄張りから離れる獲物を見定める獣のように、どこか熱を帯びている。
「……勇者殿か。面白いものが見れそうだな」
低い呟きを背に、私は執務室を後にした。
(何か企んでいるのか……あの視線は、ただの支配欲だけではない?)
いや、違う。考える必要もない。
私はただ、冷静に“務め”を果たせばいい。
踵を返した私の靴音が、教会の白い壁に反響した。
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