尊敬と恋愛、時々友情。

朝プリント

次の日、教室で挨拶が交わされたあと、いつも通り朝礼が始まった。

「おい、藤野！号令！」

委員に選ばれたことをすっかり忘れていた私は、朝から大声で呼ばれ苛立ちながらも号令を成し遂げた。

「おはようございます。」

皆がそう言い、着席し終わった後、前から数学のプリントが配られた。

また宿題か…も思いきや今から15分で解け。ということだった。
ただでさえ電車通学で早起きの私に朝から朝から大嫌いな数学を解けというのか。とヤル気のない状態で問題を解こうとペンを片手にした。

プリントを眺めた時、あらゆる所に見覚えのある絵がいくつか書いてあった。そこには吹き出しと一緒に、『こんな問題も解けないんじゃ小学生以下でちゅね～！』などと書いてあり、この絵を書いたのは、あいつか。と丸の内がふと浮かんだ。

プリントは1枚だけで裏を向けると、問題の式と答えが載っていた。一問も解けない私は回収されたらまずいと思い、答えを見ながら何問か答えを書いた。
隣を見たら楓も同じ行動をしていた。

15分になり担任の声がする。
「答え合わせしろ～。」
答え合わせも何も答えをそのまま写した私は、ほぼ丸をつけた。

結局プリントは回収にはならなかった。数学のプリントは毎朝の課題になるみたいだが、回収しないのであれば、むしろ解かなくてもいいんではないかと思った。

予鈴がなり、私の号令と共に朝礼が終わった。