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Ⅴ 由佳の選択
6 由佳の選択
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8月も終わりに近づいた日の朝、由佳は大量の印刷物を持って淳一の部屋にやって来た。
「私、もう看護学校には行かない。アメリカで勉強することに決めた」
アメリカ?大学?驚いて声も出ない。
「アメリカの大学を調べた。三つのうちの一つに行こうと思っている」
ギャローデッド大学は、ろう者と聴者が共に学べる歴史ある大学。
ロチェスター工科大学とカリフォルニア大学は、ろう者への支援が手厚いそうだ。
それぞれの特徴を教えられたが、淳一はまだ話についていけなかった。なんでアメリカなんだ?
「今まで勉強したスポーツ医療についてもっと深く学びたい。ジュンのおかげで視野が広がった。野路君のお姉さんや鮫川さん。それに大学の監督さんにも相談したらみんなが賛成してくれた」
いつも俺が最後だ。留学するという結果だけを伝えに来たのか。
怒りより虚しさ、寂しさがこみ上げて来た。俺に聞いても何の役にも立たないからな。
ふくれて横を向いた。彼女は両手で淳一の顔を自分の方に向け、口話でゆっくり話した。
「頼みたいことは・一つだけ。私を・待つこと・卒業まで・待ってくれる?」
何も考えられない。答えられないよ。何といえばいい?
彼女の手を強く握った。
「ジュン・ご・め・ん・な・さ・い」
4年も離れるなんて、うそだろう?だめだ。絶対許さない。
彼女をその場に押し倒した。
由佳の汗ばんだ体から離れ、天井を見ているうちに心が落ち着いてきた。
次は彼女の番か。
俺は夢をかなえた。
今度は由佳の夢をかなえる番か。
でも何で4年も先まで待たないといけないんだ。
彼女は起き上がり、シャツを着てから淳一を見た。
「あなたと離れるのは私も悲しい。でもあなたが私を目覚めさせた。私も勉強がしたい。大学で学ぶ夢をかなえたい。ジュンから貰った英語の格言の本を何度も読んだ。自分がどのように生きるかを考え、そしてやるべきことをやれという言葉で決心した。私はやるべきことをしたい。ジュンに助けてほしい」
ギリシアの哲学者エピクトテスの言葉だ。
「私、もう看護学校には行かない。アメリカで勉強することに決めた」
アメリカ?大学?驚いて声も出ない。
「アメリカの大学を調べた。三つのうちの一つに行こうと思っている」
ギャローデッド大学は、ろう者と聴者が共に学べる歴史ある大学。
ロチェスター工科大学とカリフォルニア大学は、ろう者への支援が手厚いそうだ。
それぞれの特徴を教えられたが、淳一はまだ話についていけなかった。なんでアメリカなんだ?
「今まで勉強したスポーツ医療についてもっと深く学びたい。ジュンのおかげで視野が広がった。野路君のお姉さんや鮫川さん。それに大学の監督さんにも相談したらみんなが賛成してくれた」
いつも俺が最後だ。留学するという結果だけを伝えに来たのか。
怒りより虚しさ、寂しさがこみ上げて来た。俺に聞いても何の役にも立たないからな。
ふくれて横を向いた。彼女は両手で淳一の顔を自分の方に向け、口話でゆっくり話した。
「頼みたいことは・一つだけ。私を・待つこと・卒業まで・待ってくれる?」
何も考えられない。答えられないよ。何といえばいい?
彼女の手を強く握った。
「ジュン・ご・め・ん・な・さ・い」
4年も離れるなんて、うそだろう?だめだ。絶対許さない。
彼女をその場に押し倒した。
由佳の汗ばんだ体から離れ、天井を見ているうちに心が落ち着いてきた。
次は彼女の番か。
俺は夢をかなえた。
今度は由佳の夢をかなえる番か。
でも何で4年も先まで待たないといけないんだ。
彼女は起き上がり、シャツを着てから淳一を見た。
「あなたと離れるのは私も悲しい。でもあなたが私を目覚めさせた。私も勉強がしたい。大学で学ぶ夢をかなえたい。ジュンから貰った英語の格言の本を何度も読んだ。自分がどのように生きるかを考え、そしてやるべきことをやれという言葉で決心した。私はやるべきことをしたい。ジュンに助けてほしい」
ギリシアの哲学者エピクトテスの言葉だ。
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