恋人たちの旅路

菊池昭仁

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覚めない初夢

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 初夢で目が覚めた。
 純也とチャペルで誓いのキスをしている夢だった。
 私は隣で寝ていた純也を起こした。

 「ねえねえ、凄い初夢を見ちゃったんだけど」
 「うーん、どんな夢だ?」
 「内緒」
 「俺も今、夢を見ていたんだ。
 いいところで起こしやがって」
 「ごめんごめん、どんな初夢だったの?」
 「お前と教会で結婚式をしている夢だ」

 私はベッドから跳ね起きた。

 「私も同じ夢だったの!」
 「お前もか・・・」
 「うん! 凄い偶然! 夢でも覚めないで欲しかったなあ」
 
 すると純也が私の頬を軽く抓った。

 「痛いか?」
 「ううん、痛くない。気持ちいい」
 「お前はドMだからな?」
 「痛くないからやっぱり夢なのかな?」
 
 すると純也はベッドから下りてシャツを着た。

 「指輪、買いに行くから早く支度しろ」
 「えっ・・・」
 「夢が覚めないうちにな?」
 「うん・・・」

 その初夢は「正夢」になった。
 
 
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