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障害者が生きる意味はあるの?
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私は病気には見えない。だっていつもヘラヘラして笑っているから。
だからセルフレジで店員さんを呼んで、
「すみません、目が不自由なので操作が出来ないんですが・・・」
すると新手のナンパかと、昔美人だったかもしれないおばちゃんに警戒されることもある。
(何このエロジジイ? このキレイな私をナンパしようとしているのかしら? いやらしい)
と思われることもしばしばである。
でも左目を失明した時には驚いた。
「先生、身体障害者手帳の交付の申請はどうすればいいのですか?」
すると医師は気の毒そうに言った。
「菊池さん、障害には当たらないんですよ。いらっしゃるんですよ、けっこう片目の視力がない人は」
愕然とした。片目が見えないんだよ、真っ暗。効き眼じゃないと距離感も掴めない。
それなのに障害者とは認めないという。
私は今、右目も視力が0.08で視野狭窄も酷いのでなんとか障害者等級3級にしてもらっているが、それも抗議してやっと認められたものだ。
目が見えないのは辛いが、それをいちいち説明するのはもっと疲れる。
特に私の場合、視覚障害に心不全、腎不全に口が悪いときている。いつ死んでもおかしくないが生かしていただいている。
たまに思うよ、
「俺って生きてていいのかなあ」
って。だって何の役にも立っていないんだもん、社会の邪魔になるだけ。
スーパーの敷地内にある歩道に堂々とクルマを停めるおじいちゃん。
障害者用の駐車場にデカいワゴン車を駐車するママさん。
点字ブロックを横一列になって歩いて来る高校生たち。
狭い電車のホームを歩く時は凄く緊張する。
「眼の不自由な方はどうぞ駅員にお申し付け下さい」
のアナウンス。どうやって駅員さんを探せばいいの? 目が不自由なのに。
銀行や役所の記入用紙が見えない。
ATMでもたついていると、露骨に舌打ちされる。
そんな時思うのである。
「ああ、やっぱり俺って健常者のお荷物なんだよなあ」
と。
最初はそういう人たちを責めていたが、段々体の不自由な自分の方が悪く思えて来た。
道路もなるべく端を歩くようにしている。邪魔にならないように。
仮にホワイトボードを首から下げて、
「私は左目を失明していて右目もあまり良く見えません。
心不全でいつ心臓が停まるかもわかりません。
腎臓透析も時間の問題です」
と書いたところで、
「だから何?」
と無視されるのがオチである。
そして障害者の中には、
「自分は障害者なんだからやさしく応対しろ」
と、労るのが当然だというのはもっと愚かなことだ。
だが何も出来なくても障害者にも使命はあると私は思う。
相手の立場で人を励まし、寄り添い労る。
仏教には「無財の七施」という教えがある。
お金も何もなくても出来る施しのことである。
1眼施 慈しみのあるやさしい眼で人に接する
2和顔施 いつも穏やかな顔で人に接する
3愛語施 愛のある言葉を話す
4身施 自分の体で奉仕をする 率先して人の嫌がる奉仕をする
5心施 相手の立場で考え、共感する。
6壮座施 自分が優位な立場にあればそれを禅譲する
7房舎施 雨や風を凌げる憩いの場を提供する
これらにより、財産や地位がなくても社会に貢献することが出来るという仏教の教えである。
つまり、我々障害者も命ある限り、生きていて良いのだと私は思いたい。
だからセルフレジで店員さんを呼んで、
「すみません、目が不自由なので操作が出来ないんですが・・・」
すると新手のナンパかと、昔美人だったかもしれないおばちゃんに警戒されることもある。
(何このエロジジイ? このキレイな私をナンパしようとしているのかしら? いやらしい)
と思われることもしばしばである。
でも左目を失明した時には驚いた。
「先生、身体障害者手帳の交付の申請はどうすればいいのですか?」
すると医師は気の毒そうに言った。
「菊池さん、障害には当たらないんですよ。いらっしゃるんですよ、けっこう片目の視力がない人は」
愕然とした。片目が見えないんだよ、真っ暗。効き眼じゃないと距離感も掴めない。
それなのに障害者とは認めないという。
私は今、右目も視力が0.08で視野狭窄も酷いのでなんとか障害者等級3級にしてもらっているが、それも抗議してやっと認められたものだ。
目が見えないのは辛いが、それをいちいち説明するのはもっと疲れる。
特に私の場合、視覚障害に心不全、腎不全に口が悪いときている。いつ死んでもおかしくないが生かしていただいている。
たまに思うよ、
「俺って生きてていいのかなあ」
って。だって何の役にも立っていないんだもん、社会の邪魔になるだけ。
スーパーの敷地内にある歩道に堂々とクルマを停めるおじいちゃん。
障害者用の駐車場にデカいワゴン車を駐車するママさん。
点字ブロックを横一列になって歩いて来る高校生たち。
狭い電車のホームを歩く時は凄く緊張する。
「眼の不自由な方はどうぞ駅員にお申し付け下さい」
のアナウンス。どうやって駅員さんを探せばいいの? 目が不自由なのに。
銀行や役所の記入用紙が見えない。
ATMでもたついていると、露骨に舌打ちされる。
そんな時思うのである。
「ああ、やっぱり俺って健常者のお荷物なんだよなあ」
と。
最初はそういう人たちを責めていたが、段々体の不自由な自分の方が悪く思えて来た。
道路もなるべく端を歩くようにしている。邪魔にならないように。
仮にホワイトボードを首から下げて、
「私は左目を失明していて右目もあまり良く見えません。
心不全でいつ心臓が停まるかもわかりません。
腎臓透析も時間の問題です」
と書いたところで、
「だから何?」
と無視されるのがオチである。
そして障害者の中には、
「自分は障害者なんだからやさしく応対しろ」
と、労るのが当然だというのはもっと愚かなことだ。
だが何も出来なくても障害者にも使命はあると私は思う。
相手の立場で人を励まし、寄り添い労る。
仏教には「無財の七施」という教えがある。
お金も何もなくても出来る施しのことである。
1眼施 慈しみのあるやさしい眼で人に接する
2和顔施 いつも穏やかな顔で人に接する
3愛語施 愛のある言葉を話す
4身施 自分の体で奉仕をする 率先して人の嫌がる奉仕をする
5心施 相手の立場で考え、共感する。
6壮座施 自分が優位な立場にあればそれを禅譲する
7房舎施 雨や風を凌げる憩いの場を提供する
これらにより、財産や地位がなくても社会に貢献することが出来るという仏教の教えである。
つまり、我々障害者も命ある限り、生きていて良いのだと私は思いたい。
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