『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁

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入院35日目

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 年が明けた。談話室で初日出を待っていると、副看護師長の住吉 さんに声を掛けられた。

 「狸小路さん、ご来光を拝みに来たんですね?」
 「副看護師長を拝みに来たんだよ。あけましておめでとうございます」
 
 住吉さんは無言だった。
 
 (病院だから? あるいは身内に不幸でもあったのだろうか?)

 人が死ぬのはおめでたいことではないという。
 死は忌み嫌われるが、死は現世での記憶が消えて魂の故郷に帰る事なのに。


 「住吉リーダー自ら夜勤なのか?」
 「おばさんナースにはクリスマスも大晦日もお正月も関係ないからねー」
 「いい上司に恵まれて、ナースたちはしあわせだな?」
 「それはどうかしら? でもウチのナースは上司思いの素直ないい娘ばかりだから助けてもらっているのは私の方よ」

 実に謙虚である。
 嫁さんにしたいくらいだ。

 「この病院ってみんな美人で仕事も出来るけど、採用試験に水着審査とかもあるのか?」
 「あったら私は採用されていないわよ」
 「最初見た時、20代かと思ったぜ」
 「脱ぐとバレちゃう。あはははは」
 「脱いで見せてくれよ」
 「だーめ、気絶しちゃうから」
 「ケチ、じゃあパンツちょうだい」
 「退院したらね?」
 「じゃあ今日退院する」
 
 笑いながら住吉さんはナースステーションに戻って行った。
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