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短歌集3(21〜30)

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21  人はなぜ 出会いと別れ 繰り返し 涙の川を 超えてゆくかな


22  庭に咲く 薄紫の 朝顔は 泣いているのか 朝露に濡れ


23  雨の音 ピアノを叩く 音に似て 君の琴線 爪弾く夜に


24  傘ひとつ 相合傘の 君とボク 好きだと言えず 縮まぬ想い


25  人知れず 六月の薔薇 香り立つ 切なき想い 翳りゆく街


26  気の抜けた サイダーひとつ 五月雨さみだれに これも恋かと 言わずもがなか


27  暗闇に 土砂降りの雨 君となら 歩いて行ける 愛すればこそ


28  ブラームス そしてお前と カルバドス それさえあれば 何もいらない


29  映画館 君とシェアする ポップコーン 君と手が触れ 戸惑うふたり


30  雨あがり 君の想いを 知りながら 君を抱き寄せ 午後の陽だまり
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