昨日 あなたと夢を見た

菊池昭仁

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第4話

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 木曜日の夜、自宅マンションでパスタを茹でている瑠衣。
 ブラームスが流れている。
 そこに野島からスマホに電話がかかって来た。

 
 「もしもし」 
 「野島です、夜分にすみません。 今、お電話しても大丈夫ですか? 明日の食事会の確認でした」
 「今、パスタを茹でているので3分くらいなら大丈夫です」
 「パスタは茹で時間が勝負ですからね? では詳細はLINEをしておきます。美味しいパスタを召し上がって下さい。今度、蓼科先生のパスタ、僕にも食べさせて下さい。失礼します」


 少し不機嫌になる瑠衣。


 「だったら最初からLINEにすればいいのに」


 茹で上がったパスタをソースと和え、皿に盛り付ける瑠衣。




 翌日の金曜日の夕暮れ、瑠衣の暮らすタワマンの下に白いリムジンがハザードランプを点滅して止まっている。運転手が立って二人を待っていた。

 イブニングドレスにコートを羽織った瑠衣と聡子がやって来ると、恭しくドアを開けるドライバー。
 

 「どうぞお乗り下さい」
 「ありがとうございます」


 リムジンの中でシャンパンを開けてグラスに注ぐ野島。


 「ウェルカム・ドリンクです、どうぞ」
 

 グラスを受け取り、乾杯をする3人。


 「今日は私までお招きいただきありがとうございます。お邪魔じゃありませんか?」
 「とんでもありません、美女は大歓迎ですよ」
 「流石は野島教授、ペンシルバニアで研鑚を積み、アメリカンジョークまで堪能なんてすね?」
 「ジョークではありません、私は真実しか言わないウソ吐きですから」
 「それで一体何人の女性をベッドに誘ったんですか?」
 「いやだなあ、僕はベッドの患者さんは診察しますが、ベッドに女性を誘うのは満月の夜だけですよ」
 「アハハ 狼男さんになる時ね?」


 野島は口を開けずに笑った。 
 窓の外を眺めてウンザリする瑠衣。

 リムジンは滑るように首都高を走って行った。
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