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対談7
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「明日、地球が滅ぶとしたら何がしたい?」
「開高健は「木を植える」と言ったそうだが、俺は女と酒を飲んでイチャついて、その後は地球が滅亡するまで静かにハバナを吸いたい。
でも、死ぬまでに余裕があるというのはイヤだよな?
実際には何をしていいのかわからなくなるはずだ。知っての通り、俺は臆病だから」
「明日なんて言われると、意外と短く感じると思うけどな?」
「大学のミスコン出身の女子アナが、「緊急速報です! ただいま中国から核ミサイルが発射されました!
みなさん、衝撃に備えて下さい! キャーッ!」となるのかと思うと笑えるよ。どうやって衝撃に耐えろって言うんだよ。
学生寮の寮監が言っていたが、広島で軍の研究所に勤務していた時、「1週間後、広島に高性能爆弾が落ちるそうだから至急退避せよ」と言われたと言っていた。
上級国民たちは広島に原爆が投下されるのを知っていたそうだ。そして慌てて家族で避難したということだった。
だが、今ではそんな事実を誰も報道しようともしない。
本当に日本のマスコミは「マスゴミ」だよ」
「ひとりで死ぬのと、みんなで死ぬのはどんな違いがあるんだろうな?」
「ひとりで生き残るのはもっと嫌だけどな?」
「そうか? みんな自分だけは助かりたいと思うんじゃねえのか?」
「あんな高価な核シェルターが売れているそうじゃねえか?
ヨボヨボになって、ボケてオムツして徘徊して、周りに迷惑を掛けてまで生きる意味ってあるのかなあ?」
もう一人の自分が消えた。
この男は都合が悪くなるといつも消える。
羨ましい限りだ。
昔の日本には「姥捨て山」という風習があったらしい。
労働力のなくなったお荷物老人を山に捨てるという行為だ。
そんなのがあったら年金問題も介護施設もいらないだろう。
まだ意識がはっきりしている親を背負い、山に放置して来る気持ちとはどんなものだったのだろう?
『メタルシティ』という私の作品にそんな話を書いた。
先日も街の回転寿司で店長にクレームをつけている身なりの良い、70代半ばくらいの老人がいた。
聞き耳を立てていると、「私はこれでも以前は大きな組織を動かしてきた人間だ。君の言っていることも分かる。
だがね・・・」
高齢化社会になるのは50年も前から分かっていた。
子供が増えないのだから当然の事だ。
それなのに今頃になって騒いでいる。
役人や政治家はこう考えるかもしれない。「俺の生きている間は心配いらねえから知ったこっちゃねえ」と。
「エイズ訴訟」で国の責任を認めたアホな大臣はヒーローになり、総理大臣にまでなった。能無しの総理に。
そのおかげで二度と野党には政権を渡すことが出来ないと国民は学習し、自民党と創価学会党の与党独裁政権が続いている。
そして彼は福島原発も爆発させた。
それでも資産を没収されることもなく、今も政治家として莫大な報酬を得ている。
私は若い時に経営の神様と呼ばれた「市倉定」に師事したことがある。
「これからの日本は確実に爺さんと婆さんの国になる。
コンピュータを導入すれば人件費が抑えられる?
あの機械を誰がお守りするんだ? そのための社員と紙が増えるのにだ。
あれは紙屑製造機じゃ。誰も見んようなデータを吐き出して何になる? たわけたことを」
あれから30年、市倉先生の予言は的中し、なんでもかんでもPC、ネットの社会になった。
私が学生の頃のコンピュータは大変に大掛かりな物だった。
ところが今では研究棟一棟が手の中に納まるまでに進化した。
そしてこれからも益々進化していくだろう。
PCだけだったら、かわいいペットのような物だった。
だがそれが通信と繋がることで、手のつけられないモンスターになってしまった。
電車でもバスでも、レストランでも職場でも学校でも、みんな携帯をいじっている。
携帯がないと生きて行けないという依存まで起きている。
そもそも携帯って必要なのだろうか? 私は疑問に思う。
なぜなら私の昭和の時代にはそんなものが無くても幸せだった。
当時の日本の企業は世界を席巻していた。
商社も通信手段はテレックスで十分商売になっていた。
みんなの記憶から平成が消えている。
昭和が懐かしいとされているのは、昭和には「希望」があったからだ。
今の日本で明日は見えるか? 希望はあるのか?
私は目が不自由なので、いずれにしても見えないがな?
電話ボックスに並んで順番を待っていたあの頃。
彼女との待ち合わせには駅の伝言板を使った。
彼女と電話で話す時、どうかお父さんが電話に出ませんようにと祈ったものだ。
マッチングアプリ? なんじゃそれは?
恋愛もPC、ネット経由なのか?
LINE? SNS? 人と会って会話しなくても済むようになった。
ネットでの誹謗中傷は、自分の素性が分からないからできることだ。
実名でそれをする勇気などはない。ゲーム感覚で人を攻撃している。
これは果たして文明なのか? それともただの兵器なのか?
80を超えた政治家たちに何が出来る?
自由民主党? 笑わせるな、どこが自由で民が主体の政党だ。
「よしもとお笑い党」にでも改名した方がいい。
政治家が世襲なのもおかしいし、議員報酬も高すぎる。
公務員並みの報酬で十分なはずだ。
そもそもあんなにたくさんの議員が必要なのか?
町内会の役員以下の仕事をしてどうしてカネが貰えるのだろう?
派閥? 権力? カネ? そんなの俺たち国民には関係のないことだ。
あの戦争でどれだけの人間が犠牲になった?
何が靖国だ? 元は薩長のための神社だろう? 英霊?
特攻隊の人たちは日本を救いたかった。
ただしそれは親兄弟、女房子供のいる日本のためだったと私は思う。
それを国は「お国のために死んで来い」と言って、20前後の若者に命令した。
「死んで来い」なんて、命令の範疇を超えている。
セクハラ、パワハラ、モラハラなんて可愛い物だ。
デスハラだよ。死ねだよ?
でもまだ軍人はいい。殺したり殺されたりが職務だから。
だが私の先輩の商船乗りたちは武器も持たず、護衛もなしに石油や食料、原材料を運ばされた。
国家総動員法というやつで。
実は船乗りも自衛官と同じで、我々の入国ビザは一般人のそれとは異なる。
その結果、私の恩師のクラスメイト、40名のうち、生き残ったのはわずか13名ほどだったと聞かされた。
彼らこそ、靖国に祀るべきではないのか?
日本は海に囲まれた島国だ。99.9%は船舶輸送だ。
どうかしてるぜ、この国は。
生まれ変わったら総理大臣になるぞ! 絶対に!
「開高健は「木を植える」と言ったそうだが、俺は女と酒を飲んでイチャついて、その後は地球が滅亡するまで静かにハバナを吸いたい。
でも、死ぬまでに余裕があるというのはイヤだよな?
実際には何をしていいのかわからなくなるはずだ。知っての通り、俺は臆病だから」
「明日なんて言われると、意外と短く感じると思うけどな?」
「大学のミスコン出身の女子アナが、「緊急速報です! ただいま中国から核ミサイルが発射されました!
みなさん、衝撃に備えて下さい! キャーッ!」となるのかと思うと笑えるよ。どうやって衝撃に耐えろって言うんだよ。
学生寮の寮監が言っていたが、広島で軍の研究所に勤務していた時、「1週間後、広島に高性能爆弾が落ちるそうだから至急退避せよ」と言われたと言っていた。
上級国民たちは広島に原爆が投下されるのを知っていたそうだ。そして慌てて家族で避難したということだった。
だが、今ではそんな事実を誰も報道しようともしない。
本当に日本のマスコミは「マスゴミ」だよ」
「ひとりで死ぬのと、みんなで死ぬのはどんな違いがあるんだろうな?」
「ひとりで生き残るのはもっと嫌だけどな?」
「そうか? みんな自分だけは助かりたいと思うんじゃねえのか?」
「あんな高価な核シェルターが売れているそうじゃねえか?
ヨボヨボになって、ボケてオムツして徘徊して、周りに迷惑を掛けてまで生きる意味ってあるのかなあ?」
もう一人の自分が消えた。
この男は都合が悪くなるといつも消える。
羨ましい限りだ。
昔の日本には「姥捨て山」という風習があったらしい。
労働力のなくなったお荷物老人を山に捨てるという行為だ。
そんなのがあったら年金問題も介護施設もいらないだろう。
まだ意識がはっきりしている親を背負い、山に放置して来る気持ちとはどんなものだったのだろう?
『メタルシティ』という私の作品にそんな話を書いた。
先日も街の回転寿司で店長にクレームをつけている身なりの良い、70代半ばくらいの老人がいた。
聞き耳を立てていると、「私はこれでも以前は大きな組織を動かしてきた人間だ。君の言っていることも分かる。
だがね・・・」
高齢化社会になるのは50年も前から分かっていた。
子供が増えないのだから当然の事だ。
それなのに今頃になって騒いでいる。
役人や政治家はこう考えるかもしれない。「俺の生きている間は心配いらねえから知ったこっちゃねえ」と。
「エイズ訴訟」で国の責任を認めたアホな大臣はヒーローになり、総理大臣にまでなった。能無しの総理に。
そのおかげで二度と野党には政権を渡すことが出来ないと国民は学習し、自民党と創価学会党の与党独裁政権が続いている。
そして彼は福島原発も爆発させた。
それでも資産を没収されることもなく、今も政治家として莫大な報酬を得ている。
私は若い時に経営の神様と呼ばれた「市倉定」に師事したことがある。
「これからの日本は確実に爺さんと婆さんの国になる。
コンピュータを導入すれば人件費が抑えられる?
あの機械を誰がお守りするんだ? そのための社員と紙が増えるのにだ。
あれは紙屑製造機じゃ。誰も見んようなデータを吐き出して何になる? たわけたことを」
あれから30年、市倉先生の予言は的中し、なんでもかんでもPC、ネットの社会になった。
私が学生の頃のコンピュータは大変に大掛かりな物だった。
ところが今では研究棟一棟が手の中に納まるまでに進化した。
そしてこれからも益々進化していくだろう。
PCだけだったら、かわいいペットのような物だった。
だがそれが通信と繋がることで、手のつけられないモンスターになってしまった。
電車でもバスでも、レストランでも職場でも学校でも、みんな携帯をいじっている。
携帯がないと生きて行けないという依存まで起きている。
そもそも携帯って必要なのだろうか? 私は疑問に思う。
なぜなら私の昭和の時代にはそんなものが無くても幸せだった。
当時の日本の企業は世界を席巻していた。
商社も通信手段はテレックスで十分商売になっていた。
みんなの記憶から平成が消えている。
昭和が懐かしいとされているのは、昭和には「希望」があったからだ。
今の日本で明日は見えるか? 希望はあるのか?
私は目が不自由なので、いずれにしても見えないがな?
電話ボックスに並んで順番を待っていたあの頃。
彼女との待ち合わせには駅の伝言板を使った。
彼女と電話で話す時、どうかお父さんが電話に出ませんようにと祈ったものだ。
マッチングアプリ? なんじゃそれは?
恋愛もPC、ネット経由なのか?
LINE? SNS? 人と会って会話しなくても済むようになった。
ネットでの誹謗中傷は、自分の素性が分からないからできることだ。
実名でそれをする勇気などはない。ゲーム感覚で人を攻撃している。
これは果たして文明なのか? それともただの兵器なのか?
80を超えた政治家たちに何が出来る?
自由民主党? 笑わせるな、どこが自由で民が主体の政党だ。
「よしもとお笑い党」にでも改名した方がいい。
政治家が世襲なのもおかしいし、議員報酬も高すぎる。
公務員並みの報酬で十分なはずだ。
そもそもあんなにたくさんの議員が必要なのか?
町内会の役員以下の仕事をしてどうしてカネが貰えるのだろう?
派閥? 権力? カネ? そんなの俺たち国民には関係のないことだ。
あの戦争でどれだけの人間が犠牲になった?
何が靖国だ? 元は薩長のための神社だろう? 英霊?
特攻隊の人たちは日本を救いたかった。
ただしそれは親兄弟、女房子供のいる日本のためだったと私は思う。
それを国は「お国のために死んで来い」と言って、20前後の若者に命令した。
「死んで来い」なんて、命令の範疇を超えている。
セクハラ、パワハラ、モラハラなんて可愛い物だ。
デスハラだよ。死ねだよ?
でもまだ軍人はいい。殺したり殺されたりが職務だから。
だが私の先輩の商船乗りたちは武器も持たず、護衛もなしに石油や食料、原材料を運ばされた。
国家総動員法というやつで。
実は船乗りも自衛官と同じで、我々の入国ビザは一般人のそれとは異なる。
その結果、私の恩師のクラスメイト、40名のうち、生き残ったのはわずか13名ほどだったと聞かされた。
彼らこそ、靖国に祀るべきではないのか?
日本は海に囲まれた島国だ。99.9%は船舶輸送だ。
どうかしてるぜ、この国は。
生まれ変わったら総理大臣になるぞ! 絶対に!
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