私は異世界で平凡な生活がしたい

栗林柴乃

文字の大きさ
3 / 10
第1章 私異世界転生しました

第3話 私両親と喧嘩します

しおりを挟む
 私が目を覚ましてから何日過ぎたのかはわからないけど、私は平凡に暮らしていた。
 その間いろいろ情報を集めたけど、なかなかほしい情報は手に入らなかった。わかったことは私は下級貴族の次女で長女がいることくらいだった、あとはお金のことと王都のことだったり。世界の伝説だったりとそこまで多くないし、重要なものはあまり含まれていなかった。
 だけど私からすればまぁまぁいい情報だった、一番はこの家系は長女のアリサが受け継ぐらしいので私は気楽に生活できることくらいだった。なので自由にいろいろなことができる。

 あとは魔法についてだけど、これに関してはどうしようか迷った。平民なら使ってもそこまで問題にならないと思うけど、貴族となると使えるだけで政治結婚に使われそうなのでやめておくことにした。
 両親はそこまで私を大事にしていなさそうなので、まぁ姉のほうに集中してくれているのでこれはこれでいい状況だと思った、何せ私に目がいかないのであればやりたい放題できるわけだから。

 そこで私は学園に行きたいと両親に提案、両親もすぐに承諾。
 姉一人に集中できるのでちょうどいいなと思ったのだろう。
 だけど私にはまだほかの考えも残っている・・・。

 この世界の親子関係の消し方ってなんだろう・・・。

 ただ単に今後のことを考えると、下級貴族という物はすこし邪魔になってくる、ならはずなさいといけないけど・・・。
 この家に生まれてしまってはしょうがないことかもと思った、だけど下級貴族が世界に影響を与えるのは難しいと思うし、影響が大きいのはやっぱり平民だと思うのでここは何としておきたい。
 
 うーん、両親が簡単に納得するには両親側にも何か利益が出ないといけない、そこで私は領地について調べ、特産品とかがあるかとかを調べてみることにした。

 1週間かけて荒探しした結果ようやく見つけた、この領地で取れてなおかつ特産品にできるものが。
 私はまた3日間キッチンに籠って作業をした、その結果上出来なものができたのであとは両親に売り込むだけになった。

 次の日私は両親を部屋に呼んで、完成したものを見せる。

「それでなんだね、私たちを呼び出す用とは」
「これを食べてもらいたくてお呼びいたしました」
 私が取り出したのはチョコレートだった、この世界にはなく、新しいお菓子を作ったのだ。
「なんだこの茶色いものは、まさか毒ではないだろうな?」
「実の親に毒を盛る子供がいますか?」

 私がそういっても食べようとしないのでどうしようかなと思った、私が食べても意味はないので・・・。
 そこに姉が走ってやってきた、というか姉事態私がキッチンで作っているときに何度か覗き込んできていた。

「ねぇねぇそれ食べてもいいの!?」
「うっうんいいけど・・・」
「やったー!」
 姉はそういうと私が持っていたチョコレートをとって速攻で口に放り込んだ、 
「アリサやめなさい!そんな得体のしれないもの!」
「早く吐出しなさい!」
 両親はアリサにそう言ったが当の本人はそれどころではなかった。得体のしれないものを食べてすごい満足そうな顔をしていた。
「甘ーーい!!なにこれ!すごく美味しい」
 アリサはそう言って食べることをやめなかった、それをみた両親は毒がないことには確認したみたいなので恐る恐る口にしたとたん、アリサと同じように満足笑みな顔をした。
 
 あとは両親に作り方と販売方法を教えればいいかな。

「こんなに甘いの初めて食べたぞ」
「これはなんなの一体!」

 虜にすることはできたみたいなのであとはもう簡単かな。
 そう確信してゆっくりと説明を始める。

「これはチョコレートというお菓子でカカオ豆から作られています」
「なに!カカオ豆だと・・・あの苦い豆でか」

 予想的中、確かに領内にカカオ豆はあったけど、そこまで収穫が頻発じゃないところをみて栽培はしてないと確信してたけど、
 一応食べたことはあるんだ。

「それに別の素材を組み合わせるとこのようなお菓子ができるのです」
「なっなるほど・・・」
「それで両親にお願いがあるんですがいいですか?」
「なんだ・・・」
「私学園に行きたいのですが、その際にこの家系との縁を切らしてほしんです」

 すると両親の固まり、もちろん姉も固まった。

「その代わり、このお菓子についての製造の仕方、販売方法をすべてあなた方にお教えします、どうですか?あなたならこのお菓子が売れることくらいわかるはずですよ?」

 さすがの父親も考え込んでいた、大きな利権を手に入れる代わりに娘を手放すのだから・・・。
 だがこの利権は大きなものだった。うまく国王の口に入れば、ベール家は安定化するし貴族のランクも上がることが期待できた。
 つまり使い方次第ではこれでとれる利権は大きなものになるのである。

「さぁどうしますか?」

 両親は迷っていた・・・、利権と娘をどっちをとるかで。
 だが姉は違った。

「それは嫌です!ならこんなものいりません!!」

 私は姉はそう来るだろうと考えていたので対抗策をもう考えてあった。
 本当にごめんね、姉さん私中身あなたよりか本当は歳上なんだ。

「ではこれはどうでしょう。縁を切らなくてもいいですが。私との関りを減らせてください」
「・・・なるほど、お前は何かにまとわりつくのが嫌なんだな」
「はい、やっぱり自分の人生は自分で決めたいので」

 父親はとうとうあきらめたのか、ため息をつきながらいった。

「わかった・・・認めよう、お前の学園入学と関りを減らせばいいんだな」
「はい、ご理解感謝します。父上」
「・・・お前は本当に12歳なのか?私は今のお前を見ると疑いぜざる得ないぞ?」
「そこはご両親が一番詳しいはずですよ?私を生んでから何年たちましたか?」
「・・・・くっ。食えないやつめ」
「では私は入学の準備がありますので、失礼させていただきます」

 私は3人に一礼すると部屋を出ようとする、すると父親から声がかけられた。

「・・・お前は世界を変えたいのか?それともこの世界に革命でももたらす気か!この悪魔!!」
「ちょっとあなた!そこまでは言い過ぎよ・・・」

 私は振り返って父親に向けて言い放った。
 思いっきり両手を広げて、まさに悪魔のような微笑みをしながら・・・。

「悪魔・・いいですよね。私もそんなものになれたらなりたいです、ですが人間には無理です。なら何が必要か?この停滞した世界に何が必要か?刺激が必要だと思いませんか?私はそれを持っています、できる力もある。なら行動を起こすまでですよ」

 両親は本当の悪魔でも見ているかのように震えていた、姉は姉で完全に膠着していた。
 私はもとから用意してあった鞄をとる、そうあの神からもらったのと同じ鞄を。
 中には入学証明書、少しのお金に銃が入っている。私はそのかばんともう一つ、下着などをいれたもうひとつのカバンを持って家を飛び出した。

 使用人とかは何事かを私を止めようとしたが、後ろから父親の怒鳴り声がする。

「あんな悪魔行かしてしまえ!」

 少し歩くともう今まで住んでいた家は遠くなっていた、最後に私は一言その場に残した。

「今までありがとう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

寿明結未(旧・うどん五段)
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。 ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。 ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。 時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。 だから――。 「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」 異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ! ============ 小説家になろうにも上げています。 一気に更新させて頂きました。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい

あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。 誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。 それが私の最後の記憶。 ※わかっている、これはご都合主義! ※設定はゆるんゆるん ※実在しない ※全五話

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。 転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。 前世の記憶を頼りに善悪等を判断。 貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。 2人の兄と、私と、弟と母。 母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。 ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。 前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

女神様、もっと早く祝福が欲しかった。

しゃーりん
ファンタジー
アルーサル王国には、女神様からの祝福を授かる者がいる。…ごくたまに。 今回、授かったのは6歳の王女であり、血縁の判定ができる魔力だった。 女神様は国に役立つ魔力を授けてくれる。ということは、血縁が乱れてるってことか? 一人の倫理観が異常な男によって、国中の貴族が混乱するお話です。ご注意下さい。

処理中です...