僕は神様

channa0502

文字の大きさ
10 / 19
第九章

天才の覚悟

しおりを挟む
「ジェイ?」

「ハム・・・・」

データを持って来たのはマルではなくジェイとオミカーンとヒミコの3人だった。

「ジェイ久しぶりよね!いきなりお兄ちゃんを助けてだなんてビックリしたでしょ。・・・お兄ちゃんは?」

そう聞かれるとジェイ達は、お互い顔を見合わせて黙る。

ジェイ「ハム・・・時間がないんだ。どうか落ち着いて聞いて欲しい。」

意を決し一歩ジェイが前に出た。

オミカーン「ハムさんから連絡をもらった後すぐにお兄さんが私達のところにやって来たわ。」

ヒミコ「僕達が開発した硬直銃でマルさんとデータを取りに行こうとしたんだけど」

ジェイ「マルさんは僕達をその硬直銃で硬直させたんだ。危険な目に合わせられないって。」

オミカーン「数時間後、私達は動ける様になってマルさんを追いかけたの。」

ヒミコ「そしたら女性が1人倒れているのを見つけて、その人は意識を取り戻すとこう言ったんだ。」

ミピピト「私が・・・悪いの・・」

ジェイ「女性はそう言うとマルさんとの関係や今までの経緯を話してくれたんだ。」

ジェイが2人の関係やサラ事件の事を全てハムに話した。

すると、今まで大人しく聞いていたハムが激しく動揺し始め言った。

「何言ってるのジェイ!お兄ちゃんがそんな事でミライさんを」

ハムがジェイの肩を強く押すと、ジェイは吹っ飛んだ。

オミカーン「ハムさん聞いて!時間がないの!私達だって信じられなかったわよ!・・でもその後マルさんを追って管理室に向かったの。」

ハムが鼻息を荒くしてオミカーンの顔スレスレまで近寄って来る。

オミカーン「そ、それから管理室近くまで来るとそこにはマルさんと男の刑事さんが話をしていて・・」

ハムの鼻息でオミカーンの髪がフワッ・・フワッと浮き上がる。

ヒミコ「何を話していたか聞き取れなかったんだけど」

そうヒミコが話し出すとハムはゆっくりヒミコを睨みつける。

ヒミコ「ヒッ・・と、突然もう1人の刑事さんがマルさんを撃とうとして・・そしたらマルさんがナイフでその刑事さんを・・・」

ハムはヒミコの両肩に手を置いた。

「殺したの?」

ヒミコ「い、いや殺してません。」

ヒミコは倒れているジェイの上に覆いかぶさる様に倒れ込む。

「止めたのよ!!」

ガチガチに硬直していたオミカーンが叫んだ。

するとハムはその声の大きさに我に返った。

オミカーン「私達が止めたの。この硬直銃で。女性が言っていた事が本当か分からないけど・・確かめるべきだと思ったの。」

ジェイとヒミコが痛そうに立ち上がる。

ジェイ「そうなんだ・・それで俺たちがこのデータを持って来たって訳さ。それに・・もしマルさんの事が本当ならここに」

「信じられる訳ないでしょ!」

ハムがジェイからデータを取り上げコカーン教授のパソコンをボソボソ言いながら操作し始めた。

「ま、まぁとにかく無事で何よりじゃ。君達ここに座って待ってなさい。」

コーカン教授が優しく3人に声を掛けるとハムと一緒にサラ事件の映像を調べ始めた。

・・数十分後・・・

ボソボソ言っていたハムが突然黙り込み肩を震わせている。

そしてコカーン教授が優しくハムの肩をポンポンと叩くと3人の方に歩く。

「どうやらその女性の話は本当の様じゃ。ミライ君の顔は書き換えられていた。・・そして何よりの証拠がこれじゃ。」

コカーン教授は3人に映像を見せた。

ジェイ「これは・・硬直銃」

映像に映るマルの手に持っているのは拘束銃ではなく硬直銃だった。

「そうじゃ、お前達が持ってるその硬直銃と一緒の様じゃ。サラが殺された時にはお前さん達まだマルとは会っておらんじゃろ」

ジェイ「はい。マルさんがその女性に僕達の開発した銃と重力波スーツを盗ませたと言っていました。・・・あの硬直銃は故障していたのでスクラップ室にしまっておいたんです。それが盗まれ犯行に使われるなんて・・」

コカーン教授はハムを心配そうに見つめる。

「あのマルがどうしてそんな事で・・しかし大変じゃぞ。ミライ刑事は冤罪じゃ!トーラーに入れられてどれくらい経つんじゃ」

オミカーン「分かりません・・ただ私が聞いたのはトーラーに数時間入るだけで廃人の様になるって噂は聞いた事があります。」

「その銃で撃たれると硬直はどれくらいでとけるんじゃ。」

ヒミコ「個人差があるんですが、最低でも1時間は止まるはずです。」

コカーン教授が白い髭をギュッと握る。

「まずいのぉ。硬直がとけてデータがなかったらマルの奴何を始めるか分からんぞい」

「教授」

ハムが俯いたまま声をかける。

「どうしたんじゃハム」

「この装置使うよ。ジェイその硬直銃とスーツ持って来て」

「何を言い出すんじゃ。ハム、この装置はまだ」

「うるっさい!!ジェイ!!」

その場にいる全員が同時にビクッとなった。

ジェイが黙って硬直銃と重力波スーツをハムに渡す。

俯いたままハムはボソボソ言いながら硬直銃を分解し始めた。

「ハムよ。どうする気じゃ」

「教授のこの装置トーラーとほぼ同じ仕組みよね。」

「まぁ、そうじゃな。研究用にと特別にトーラーの設計図を見せて貰って改造したんじゃ。人間が時空を遡るには、光も時間もない「無」の世界が必要だとワシは考えトーラーの最大重力波に耐えられる構造にしたのじゃよ。」

「たらないの」

「たらない・・・じゃと?何がじゃ」

「トーラーの重力波じゃ足らないの」

ハムは、そう言いながら硬直銃を分解した部品を調べては何かを計算している。

「それは分かっとるじゃが、そんな事をしてしまっては生身の人間なんぞ重力に押し潰されて死んでしまうじゃろう。」

「私は教授の考えにかける。もうこの方法でしかミライさんもデーラさんも・・・お兄ちゃんも救えない。他にみんなを救える方法がないのなら、私を止めないで。」

コカーン教授達はハムの後ろ姿を見つめながら何も言う事が出来なかった。











しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

偽夫婦お家騒動始末記

紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】 故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。 紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。 隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。 江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。 そして、拾った陰間、紫音の正体は。 活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...