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幕間 魔王の去った後
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クリスたちが出発してから数時間後、ある旅人たちがむらを訪れた。
「この村に聖剣があると聞いた。ぜひ、俺に抜かせてほしい!」
そう、旅人の一人の少年がシオンに頼んだ。
「あいにく、聖剣は、もう、新しい勇者どのの手に渡った」
シオンが答えると少年は「何ー!」と叫んで地面に膝をつく。
「でもさ、抜いたのって魔族だろ? ひょっとしてあっちが間違いなんじゃないか?」
落ち込む少年に、気の毒に思った村人がシオンに言った。
その言葉に、ガバッと少年が顔を上げる。
「それはおかしい! 魔族が聖剣を使えるはずがない! 絶対なんか不正をしたに違いない!」
そして拳を握り、怒りに燃えた目で宣言した。
「俺がその魔族を倒して聖剣を取り戻してやる!」
そう言うと、善は急げとでもいうのか、村の出口に向かって走り出そうとした。
「ひとつ、聞いて良いか?」
先を急ぐ少年にシオンが聞く。
「なんだよ」
少年は立ち止まってシオンの方を振り向いた。
「昨日、この村にオークたちが襲来した。
お主なら、どう対応した?」
「? オークたちを倒すに決まっているだろ」
「どのように?」
「もちろん、聖剣で一匹残らず倒すさ!」
「……そうか」
シオンが頷くと、少年は走り去り、その仲間たちは慌てて追いかけていった。
オークたちを生かして捕えた魔族と残さず倒すと言っている人間、どちらが正しいかはわからない。
ただ、この少年は、オークや魔王の話を聞かないことは確かだと思えた。
「この村に聖剣があると聞いた。ぜひ、俺に抜かせてほしい!」
そう、旅人の一人の少年がシオンに頼んだ。
「あいにく、聖剣は、もう、新しい勇者どのの手に渡った」
シオンが答えると少年は「何ー!」と叫んで地面に膝をつく。
「でもさ、抜いたのって魔族だろ? ひょっとしてあっちが間違いなんじゃないか?」
落ち込む少年に、気の毒に思った村人がシオンに言った。
その言葉に、ガバッと少年が顔を上げる。
「それはおかしい! 魔族が聖剣を使えるはずがない! 絶対なんか不正をしたに違いない!」
そして拳を握り、怒りに燃えた目で宣言した。
「俺がその魔族を倒して聖剣を取り戻してやる!」
そう言うと、善は急げとでもいうのか、村の出口に向かって走り出そうとした。
「ひとつ、聞いて良いか?」
先を急ぐ少年にシオンが聞く。
「なんだよ」
少年は立ち止まってシオンの方を振り向いた。
「昨日、この村にオークたちが襲来した。
お主なら、どう対応した?」
「? オークたちを倒すに決まっているだろ」
「どのように?」
「もちろん、聖剣で一匹残らず倒すさ!」
「……そうか」
シオンが頷くと、少年は走り去り、その仲間たちは慌てて追いかけていった。
オークたちを生かして捕えた魔族と残さず倒すと言っている人間、どちらが正しいかはわからない。
ただ、この少年は、オークや魔王の話を聞かないことは確かだと思えた。
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