神様の転生物語

kenzo

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1章、ブラームス王国

聖ルミナ教皇国

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あの病気騒動から一月が過ぎた。
治療士さん達の活躍で入院する患者は居なくなった。
それでも今でも運び込まれる患者は居るらしく騒動が終息したとは言えない状況である。
そして犯人も未だに捕まって居ない。
どうやらこの犯人は魔力糸を仕掛けた相手には興味が無いらしく、患者の元に訪れる不審人物は一人も居なかったらしい。
そしてこの犯人の最も許せないのが赤ん坊にまで仕掛けている事だ。
耐久力の無い赤ん坊は一度の攻撃で死んでしまった。
目的が有るのか、只の愉快犯なのか、どう考えても被害者に統一性が無く守備隊も頭を悩ませているらしい。

「いよいよ今日ですね、聖ルミナ教皇国が来るのは」
目ぼしい依頼も無く食事エリアにたむろする冒険者に話し掛ける。
「おう、オメーは警護依頼受けなかったんだな」
「当たり前ですよ、真っ平ですよ、宗教に関わるなんて」
「そりゃそうか、テメーが行った日にゃ、バチ当たりや不信心何て言われるかもな、ガハハハ」
「全くです。たかが加護が無いからって」
「でもよ、加護も無いのにAランクでしかも魔法もバンバン打てるって聞いたら奴ら度胆抜かれんじゃねーか」
「なるほど、では一度お見舞いして見ますか」
「バ、バカ止めとけ!」
「冗談ですよ、いやですよ本気にしないで下さい」
「いや、オメーはやりかねん」
「お、何か騒がしくなって来たな、そろそろじゃねーか」
皆で連れだってギルド入り口に向かうとそこには騎士団?が横一列に道を挟む様に並んでいる。
これってこの国の騎士団だよね。
初めて見たかも、統一された青の鎧に身を包んだ騎士団。
「お、ありゃ先触れってやつだ」
騎士団で封鎖された道を一人の騎士が馬に乗り駆けていく。
「て事はもうすぐ通るぜ、御一行さんがよ」
さてさてどんな御一行な事やら!

まず、一言で言おう!派手だ!
二言で言うなら、超派手だ! 
先頭を行くのは白馬に跨がった白の鎧甲冑の騎士が応援団見たいなでっかい旗を掲げている。
その後ろを二列縦隊で行進する白鎧甲冑は長槍を手にしている。
その後ろには白の法衣に身を包んだ神父さん?が法典の様な本を片手に連なっている。

ここまでならまだ良かった。
白一色で統一され整然とした行進はむしろ清潔感があり好感が持てる。
しかしその後ろがダメだ、ダメダメだ。
まず目につくのは演奏隊?管楽器と弦楽器が奏でるゆったりとした音楽が神聖さなのか、荘厳さなのかを醸し出している。
打楽器は?太鼓とかシンバルとかは?
次にこれもまた目を引く人達、いや少女達、
篭を腕に通し、花びらを撒く花撒ガールズ。
花を召しませ、召しませ花を!
少女が撒いた花びらがまるで計算された様に道一面に広がり絨毯の様になる。
素晴らしい、何気にプロの業だ。
そして本丸、キンキンピカピカの馬車が進む。
幌式の天井なのか所謂オープンカー状態だ。
にこやかに笑顔をばら蒔いているがその顔は馬車の揺れの振動でタップンタップンしている。
ププ!ヤバイ笑いそうだ、だってあの顔!
だから廻りの冒険者にこっそりと教えてやると皆吹き出した!やっぱり楽しい事は共有しないとね。
そうとは知らずか馬車の上のポヨヨンは此方にもにこやかに手を振っている。
「「「ブーーーーー!」」」
皆我慢が出来ずに盛大に吹いた。

いやー、中々ナイスな演出でした。
身体を張って笑いを取る、そうそう出来る事では無い!尊敬に値しますね!
ところであのポヨヨンは何者だったのか?まぁ偉いさんなんだろうね、一生関わる事何て無いんだろうけどね。

「お、おい、あれ見ろよ」
「おい、あれって」
「なんでこんな所にいるんだ」
ん、何ですか?冒険者達がヒソヒソしている。
「どうしました?皆さんは」
僕にも教えてー!
「あん?テメー知らねーのかよアイツをよ」
「アイツ?誰です?」
「まあガキが知らなくても仕方ねーよ」
くっ、地味にディスられているような。
「いいか、アイツはなぁ」
冒険者の一人が馬車の後を付いて歩く一人の男を指差す。
筋肉質な身体は見上げるほど高く、その鋭い眼差しは何処か遠くを見ている様な印象を与える。
そして目を引くのは背中に背負われた背丈よりも大きな大剣、まるでゲームの主人公では無くライバルタイプを連想される。
「やつはライオル、現役冒険者最強との呼び声も高いSSSランクだ」
「でも、SSSランクならゼファードさんも」
「ギルマスは一応現役じゃねーからな。
だけど本気で二人がやりあったらどっちが強いかなんてなぁ、良く話題になるもんだ」
お!ライオルさんが此方をチラ見した。
あ、そうか、やっぱりゼファードさんを意識してるんだ!くー!燃える展開だぜ!
「だけどよぉ、いつも最後は二人が本気で戦える場所が何処にあるんだって事で話しは終わりだ」
なるほど、では今度僕が提供しよう!
超強力結界か亜空間も有りかも。

そうこうしている間に御一行様は通り過ぎ沿道の人々も三々五々に散って行った。
勿論僕達もギルドの中に戻って行った。
「で、結局あの人達は何をしに来たんでしょう?」
「んー、知らねー、俺たちにゃあ関係ねーし」
「そうそう、関係無し関係無し」
「ですよねー!ヨーシ、ルミナ教皇国にカンパーーイ」
「「「おー、カンパーーイ」」」     

 

ーーー教会ーーー
その日の夜、教会の来賓室にて。
「失礼します、枢機卿に来客にてございます」
教会勤務の司祭が来客を告げる。
「誰かな?」
答えたのは彼の上司、教会勤務の大司教ヨルン。
「はい、グラムス公爵にございます」
「枢機卿」
「はー、面倒な事だ」
「お気持ちは御察ししますが・・・」
「分かっておるわ」
「公爵は?」
「は、現在応接室にてお待ちでございます」
「うむ、では枢機卿、ご足労ですが」
「仕方無いのう」

「これは枢機卿、この度はお時間を頂き」
「これも神の思し召し故にの」
(何が神だ、信仰のしの字も待っておらんくせに)
「それでそちらの状況はどうですかな」
何をとは聞かない必要が無い為に。
「はい、疫病の件ですか、一時は王都でも猛威を奮ったのですが」
枢機卿のこめかみがピクリと動く。
「一時?」
「え?はい、何処からか現れた賢者とか申す者が疫病の原因を解明し対処法を確立しました」
「その賢者とやらは?」
「不明です。対処法を伝えると姿を消したと」
パリーーン!ティーカップを叩きつける枢機卿。
お付きの司教が黙って片付け新たなお茶を用意する。
「で、病原菌は?」
「はい、現在も活動しております」
「サイサム」
「はい」
枢機卿の側近、大司教サイサムが答える。
「病原菌を浄化しなさい」
「はい、直ちに」
「枢機卿、現状では少し印象が弱いかと」
「確かにのう・・・ライオル」
部屋の隅、壁にもたれ掛かってたライオルへ話しかけた。
「何だ」
「貴様、いい加減に言葉使いを改めよ」
「あん、殺すぞ」
威嚇を込めた視線でヨルンが震え上がる。
「構わん、こやつは結果を出せればそれで良い」
「はい、枢機卿」
「ライオル、何か案は無いか」
「そうだな、魔獣の暴走何てどうだ?あとは王様の暗殺とかよ」
「ライオル、言葉は選びなさい」
「け、面倒くせえ、要はそこの公爵が王様になるために今の王様とエイブルって公爵が邪魔なんだろ、こんな俺達しか居ない所までチマチマやってんじゃねーての」
「これだから野蛮な冒険者は困る。
大望を成し遂げるには念には念を重ねるもんだ」
「へ、ご苦労な事で!俺はゼファードと殺し合いが出来れば満足だからよ」
「約束だ、場は用意してやる。だから確りと手伝え」
「へいへい、分かりましてございます。」
「ふん、頼むぞ!それより公爵、面白い事を考えたのだがな」
「ほう、是非聞かせて頂こう」
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