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呪樹に囚われた従者/その夜の話
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それは、ただ重ねるだけの浅いもの。
なのに、唇に触れるその柔らかい感触に永海は目を強く瞑った。
天定が数センチ離れる度にお互いに見つめ合い、また別の角度で重なる度にお互いに目を伏せる。
最初は無意識に息を止めていた永海が、やはりずっとそうできるはずもなく息が上がってきた。
そのタイミングで、天定の唇の位置が唇から別の箇所へ移る。
「ぅ……ぁ……。」
唇を軽く押し当てながら永海の右頬へ、そして耳へ。
天定の吐息が、そして唇の温もりがすぐそばにある。
右耳に唇を落とした後、舌を伸ばして這わせる。
思わず身震いし、天定の舌から逃れる為に横を向く。
しかし天定の左手が永海の顎から左頬へ移動したことにより、顔を固定されてしまう。
滑り気のある舌の感触や粘着音が永海の耳を犯すその感覚は、永海が森で拘束を受けていた時にされた事と同じであったが、不思議と天定から与えられる刺激というだけで嫌悪感はない。
「あ…まっ……。」
天定に押さえつけられている方の手は主の手を握り返し、片方の空いている手はシーツを握る。
耳が熱い。
永海が耳から感じる刺激に耐えていると、耳から首筋へと刺激を強く感じる位置が変わった。
「…ぁ……っ。」
首筋に沿うように舌を這わせ、鎖骨と鎖骨の間の窪みまでたどり着く。
首は普段から自分の目で見えない部分であり、今回の永海にとってアレがまとわり付いた部分でもある。
さらに言えば、致命傷を負わせやすい部位。
薄らと開く眼だけを動かして下を見るが、天定の茶髪しか見えない。
「ぁ…も、もう……首、は……。」
そこを何度も何度も舐められると、体は感じてしまうが心は恐怖を感じてしまう。
「…首筋は、嫌か?」
吐息が漏れる唇をグッと閉じ、息を飲む。
「嫌じゃ…ねえけど…………怖ぇ…。」
永海の素直な言葉に、天定は首筋から顔を僅かに遠ざけた。
一度上体を起こして、従者を見下ろす。
変わらず火照り熱を帯びた表情に、浅く早い呼吸。
天定は永海を怖いと感じさせてしまう事をしない。
しかし、今の彼を見ていると胸の奥がざわつく。
この想いが何なのか初の感覚に天定は分からなかったが、自ら前を開き、そして上半身を露わにした。
「!?な…ンだよ急に……。」
永海の驚く言葉を珍しく聞き流し、彼が着ている寝間着の前合わせの部分を掴むと左右へ大きく開く。
永海の鍛えられた胸元が晒され、永海は思わず天定から顔を逸らして両腕で顔を覆い隠した。
でも天定は、永海の恥ずかしむ様子を捉えたままで。
空気に触れ、温度差によるものなのか永海の体が震えていた。
「永海、俺を見ろ。」
命令形に、永海は顔を隠す腕を動かせずにいたが、二度目の同じ言葉におずおずと目元だけを見せる。
何度か視線を左右に泳がせた後に天定と視線をかち合わせた。
その仕草にくるものがあり、天定は永海の手首を持つと頭上に一つにまとめて押し付ける。
その姿は、まるで…。
「あ、っさだ……!離せよ、おい…!」
「…嫌だと言ったら?」
普段なら力で負けない永海だが2つの手に力を込めて押し上げようとしても、上からより強い力で押さえつけられては敵わない。
天定は意地悪を言いながら最初にキスをした時のように身を屈めて顔を近づけると、永海の唇をペロリと舐め、そして唇を重ねる。
「…はっ……、ぅ……。」
でもキスは一度では終わらず、次第に深い深いものへと変わっていく。
息苦しさに口を開けて酸素を求めた永海だが、天定は舌を挿れて永海のそれと絡めた。
なのに、唇に触れるその柔らかい感触に永海は目を強く瞑った。
天定が数センチ離れる度にお互いに見つめ合い、また別の角度で重なる度にお互いに目を伏せる。
最初は無意識に息を止めていた永海が、やはりずっとそうできるはずもなく息が上がってきた。
そのタイミングで、天定の唇の位置が唇から別の箇所へ移る。
「ぅ……ぁ……。」
唇を軽く押し当てながら永海の右頬へ、そして耳へ。
天定の吐息が、そして唇の温もりがすぐそばにある。
右耳に唇を落とした後、舌を伸ばして這わせる。
思わず身震いし、天定の舌から逃れる為に横を向く。
しかし天定の左手が永海の顎から左頬へ移動したことにより、顔を固定されてしまう。
滑り気のある舌の感触や粘着音が永海の耳を犯すその感覚は、永海が森で拘束を受けていた時にされた事と同じであったが、不思議と天定から与えられる刺激というだけで嫌悪感はない。
「あ…まっ……。」
天定に押さえつけられている方の手は主の手を握り返し、片方の空いている手はシーツを握る。
耳が熱い。
永海が耳から感じる刺激に耐えていると、耳から首筋へと刺激を強く感じる位置が変わった。
「…ぁ……っ。」
首筋に沿うように舌を這わせ、鎖骨と鎖骨の間の窪みまでたどり着く。
首は普段から自分の目で見えない部分であり、今回の永海にとってアレがまとわり付いた部分でもある。
さらに言えば、致命傷を負わせやすい部位。
薄らと開く眼だけを動かして下を見るが、天定の茶髪しか見えない。
「ぁ…も、もう……首、は……。」
そこを何度も何度も舐められると、体は感じてしまうが心は恐怖を感じてしまう。
「…首筋は、嫌か?」
吐息が漏れる唇をグッと閉じ、息を飲む。
「嫌じゃ…ねえけど…………怖ぇ…。」
永海の素直な言葉に、天定は首筋から顔を僅かに遠ざけた。
一度上体を起こして、従者を見下ろす。
変わらず火照り熱を帯びた表情に、浅く早い呼吸。
天定は永海を怖いと感じさせてしまう事をしない。
しかし、今の彼を見ていると胸の奥がざわつく。
この想いが何なのか初の感覚に天定は分からなかったが、自ら前を開き、そして上半身を露わにした。
「!?な…ンだよ急に……。」
永海の驚く言葉を珍しく聞き流し、彼が着ている寝間着の前合わせの部分を掴むと左右へ大きく開く。
永海の鍛えられた胸元が晒され、永海は思わず天定から顔を逸らして両腕で顔を覆い隠した。
でも天定は、永海の恥ずかしむ様子を捉えたままで。
空気に触れ、温度差によるものなのか永海の体が震えていた。
「永海、俺を見ろ。」
命令形に、永海は顔を隠す腕を動かせずにいたが、二度目の同じ言葉におずおずと目元だけを見せる。
何度か視線を左右に泳がせた後に天定と視線をかち合わせた。
その仕草にくるものがあり、天定は永海の手首を持つと頭上に一つにまとめて押し付ける。
その姿は、まるで…。
「あ、っさだ……!離せよ、おい…!」
「…嫌だと言ったら?」
普段なら力で負けない永海だが2つの手に力を込めて押し上げようとしても、上からより強い力で押さえつけられては敵わない。
天定は意地悪を言いながら最初にキスをした時のように身を屈めて顔を近づけると、永海の唇をペロリと舐め、そして唇を重ねる。
「…はっ……、ぅ……。」
でもキスは一度では終わらず、次第に深い深いものへと変わっていく。
息苦しさに口を開けて酸素を求めた永海だが、天定は舌を挿れて永海のそれと絡めた。
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