彩のミステリーデビュー

愛媛海

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中学生編

工業祭ポスター誘拐事件 密室編

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「お前事件解決してるんだって」
「はいそうです」
今日はバスケ部の先輩と達也先輩の家から近いファミレスに来ている。
「俺らの先輩がいなくなったらしいんだ」
「いついなくなったんですか」
「工業祭のポスターの提出日だったから4月20日だよ。その日に顔が見えない人が持ってきたんだがその先輩のが選ばれたんだ」
「そうなんですね」
「服野たちだったら犯人も先輩も探せるんじゃないかなって思って相談したんだ」
「なるほど。何か情報はありますか」
「高校に行った方がいいと思う。詳しい友達とかいるだろうし」
「どこの高校ですか」
「独子工業高校だよ」
「ちょっと前独子女の文化祭に風太と行きました」
「じゃあ、大体の場所は分かるのか」
「はい」
「独子工は独子女とは逆の方向に歩けばつくから」
「分かりました」
「何かあったら電話しろよ」
「はい、ありがとうございます」
「それにしても達也遅いな」
「そうですね」
達也先輩が来なかったので、降五木先輩がすぐに天ぷらセットを持ち帰り達也先輩の家に向かった。
インターホーンを押しても返事がない。父と母は仕事中だったらしく、達也先輩だけだったらしい
ドアも窓も閉まっていて入れなかった。すると降五木先輩が
「この植木鉢の下に鍵があるの知ってるぜ」
と言って、玄関が開いたので達也先輩を探すことにした。
「手分けして探そう。俺はLDK、彩は洗面所の方、相口(彩の先輩)と田多井(彩の先輩)は二階だ」
彩:(洗面所ってどこだよ)
LDKにて
「うわー」
「どうした降五木」
「達也が……」
「ドアも窓も全部鍵がかかってたし密室だー」
「どういうことだよ」
誰かが天ぷらに仕掛けたのかな。
警部:残っている天ぷらにも胃の中にも何も見つかりませんでした。
達也先輩の家の前を通るのは降五木先輩だけですよね。
「そうだけどまさか俺がやったっていうのか」
「そういうことじゃありません」
天ぷらセットを調べれば何かあるかもしれないな……
警部:二時間ほど前に亡くなったと思われます。
そういえば降五木先輩は私たちにどこを探すか言ってたな。そして迷いもなくLDKに行った。
「降五木先輩、自分が見つけたことにしていますけど本当は殺したんじゃないんですか」
「何をいきなり」
「確かに家の前通るのはあんただけだし降五木だろ」
「降五木先輩、家の鍵って持ってますか」
「そんなん持ってるに……」
「無いんですか」
「どっかで落としちゃったのかな」
「降五木先輩、達也先輩と同じ名字ですよね」
「な、何を言ってるんだ」
「鍵の場所も知ってたし。二人は兄弟ですよね。兄弟ゲンカでもしたんですか
「まさかこうなるとは思わなくて待ち合わせまであと少しだったしパニックになったんだ」
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