作者の自己満恋愛小説

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 次の日

 何をしようか。

 何もやる気が出ない。

 あの後、私は話すらかけずに帰った。

 足はふらふら。

 心も魂が抜けたようだった。

 死にたい。

 恥ずかしい。

 私を責めたい。

 死にたい。

 さぁ。

 どうやってこれから先、生きていくか。

 どうするか。

 外は暑い。

 中は涼しい。

 数百回目の溜息。

 昨日は寝れなかった。

「せめて、何処か遊びに……」

 着信。

「誰?」

 トークアプリの名前を見れば『心』と書いてある。

「何だ。心か……」

 教科書を貸してくれた友人。

 昔からの。

 今の感情ぶつけようかな。

 どうしようかな。

「もう、嫌だ。恋なんてするんじゃなかった」

 何か新しいことが出来たら忘れられる。

 人間はそうやって出来ている。

 嫌なことも良かったことも全部時間が経てば忘れる。

 そうだ。忘れるんだ。

 涙が落ちた。

 電話に出ないと。

 心配させちゃう。

 ワンタップ。

「何?」

「ほら、つながったよ」

 スピーカから聞こえてきた声は確かに友人の声だった。

 でも、奥から聞こえてくるのは違う。

「その声は」

「結愛。ちゃんと聞いてよ。でも期待はしちゃいけない」

「分かってる。私はだって」

 ザワザワ。

 ノイズ。

 男の声が聞こえた。

「一葉(ひとつは)昨日の花火大会一緒に行けなかったから、明日一緒にどっかにいかないか?」

 なんでよ。

 彼女いるんじゃないの?

 何で。

 ばからしい

 はずかしい

 口から二酸化炭素を出す。

「うん!」

 なんでこんな声が出るんだろうか。

 もう諦めたんじゃないの私。

 嫌だ。

 こんな自分が嫌いだ。

 もしかしたら好きなのかもしれないのだけど。

「昨日は、俺の妹と祭りに行ってて……」

 そうだったのか。

 妹さんだったのか。

 でも、私のことは好きじゃないんだろうな。

 そこは決して変わらない事象なのだ。

 何でこんなことがでてしまうのだろうか。

 頭が狂ってる。

 私は。

 私は。

 本当にバカだ。

「あの私と付き合ってくれませんか?」

 三秒の間。

「唐突だな。明日、答えは答える。場所は後で伝える」

 溜息。

 溜息。

 溜。

 た。

 もう嫌だ。

 切ってしまおう。

 思い切った。

 部屋に私の声が消える。

 寝てしまおう。

 そうしてしまおう。



 三時間後。

 夕食だよ。

 という掛け声で起きる。

 あの後私は身に任せて寝てしまった。

 溜息すら出てこない。

 夕食を食べた。

 風呂に入った。

 まだスマホを見ていない。

 見たくない。



 その後死んだような生活をした。

 何もしたくない。

 寝る前。

 よし。

 見よう。



『明日、水族館に行きませんか?池袋の東口改札に十時集合で』



 何も書かれてなかった、

 良かった。

 そんなことする人ではないと思ってたけど少し安心した。

 今日は眠くない。

 流石にあんなに寝たら眠くない。

 楽しみ。

 楽しみ。

 枕に抱き着く。

 ピンクと白のパジャマに擦りつける。

「楽しみ」

 どんな洋服を着ようかな?

 化粧はした方がいいのかな?

 色んな事が思い浮かぶ。

「そうだ。目覚まし。忘れない間にセットしとかないと」

 何故か私は空を見上げた。

 今日は綺麗な満月。

「あれくらい。私も綺麗になれたらな」

 月から見たら私はどんな風に映るだろうか。

 どう映るか。

 汚いだろうな。

「見るのはやめよう」

 今は明日の事だけ考えよう。

 そう。明日の事だけ。

 日付は周り夜の一時。

 もう寝てしまおう。

 散らかした周辺を片す。



 そして、そして。

 私は

 目を閉じた。

 

 登校日の次の日。

 明日が楽しみだ。



 《終》
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