この世界は華やかに終わりを告げる…

中巻1

そう見惚れていたら…少女がこっちを向いて顔を合わせる。
「Hello 」
「え、あ…は、Hello…？」
どうやら外国人らしい。まぁ、髪色からしたら外国人だろうなと…
「こんにちわ、知らない貴方」
少女はクスッと笑い返事をした。日本語ペラッペラだったわ。
「此処綺麗だよね、貴方もそう思うでしょ？」
少女が問いかけてくる。えぇ、此処も貴女も綺麗です。
「あ、あぁ…確かに此処は綺麗だな…」
「そうよね、だって私もそう思うもん。此処には沢山の命が今を謳歌しているのですから。」
今を謳歌…か…
「失礼ですが、貴女のお名前をお聞きしても…？」
「そうね、紹介が遅れたわね。私は夜月(よづき)」
「夜月…さんか、俺は日和です。」
夜月は頷きこう語る。
「ちなみち貴方と同世代だからね。」
同世代だと…まじか…でも何故そう言え…
「何故そう言えるか…答えは簡単、同じ学校で同じクラスだからさ。ま、不登校で登校してないが。人の顔はミナ覚えているよ。」
俺らは知らんぞ…あんたみたいな人…
「ところで君に聞きたいことがあるんだ。」
夜月のさっきまでの穏やかな雰囲気からガラッと変わり空気が変わる気がした。
「日和…君は怖くないのか…？」
「怖い…？」
世界が終わる事についてだろうか。
「7日後…短い余命という現実を突きつけられ、君は何も恐れないのか。」
怖いか…あぁ確かに…怖いかもしれない…7日後、その後の未来がもう無いのだから
だけれども俺は…
「俺はそれよりも今…」
突然で傍から見たら馬鹿な奴なのかもしれないが…
この周りの桜のように…

「死ぬ前に君と恋がしたい。」

今を謳歌したいと、そう、思うんだ。