30 / 129
第4章 学園入学準備
7閑話☆スピカの入寮
しおりを挟む
いよいよ、学園がスタートする。
ピンク色の髪をサイドに一つにまとめて、鞄に2つ程の荷物の中身を確認する。
もう、入学許可はもらっているし、制服も届いた。小説の挿絵通りで、気持ちが上がる。
なんか、サイズが気になるけど。
体操服と教科書は学校受け取りだけど、制服は出来上がりのサイズ確認があるから領地に届いた。
同級生に殿下がいる事で、今回の入学生に問題のある者がいないかは、かなり厳しく確認されたみたい。
入学出来て良かった。
グレンジャー子爵領は、王都から外れた小さな領地だ。特出した特産品も無くて、貧しい土地。
領地の事や勉強も頑張ってきたから、子爵様の期待もひしひしと伝わる。
良縁を掴んで来いって、期待が大きい。主人公だけあって、見た目は良いと思う。
ただ、中身が俺なんだよ。
前世ほど運が悪いとは思わないんだけど、妙にタイミングが悪いんだよ。
お茶会の誘いは、終わった後に届くとかさ。
服装の指定があったのに連絡がなかったり。集合場所が違うとか、何で?
主人公チートはあるっぽくて、問題が起きても何とかなったりするから、前よりマシかな。
勉強も、日本時代より簡単で、暗記とかもチートなのか覚えがいい。
でも、これに浮かれてはいけない。怠慢になったら、きっとバチが当たる気がする。
前世よりは、良い人生になったらいいな。
てか、制服さ……サイズおかしいよね?デカい。誰かと間違っているのかな?制服と体操服と教科書は、支給品だからお金はかからない。もちろん、上位のお貴族様は、布地にこだわって特注する場合もあるみたいだけど。
そんな無駄は、出来ない。
「お父様、制服のサイズが合わないのですが……間違いでしょうか?」
ぶかぶかの制服を見せた。
「あー。スピカがね、3年間で大きくなるかなって、思ってだな。採寸後に足したんだよ。ちょっとだけ大きかったかな?はははっ」
ええっ。
「いや、ちょっとじゃないでしょう?」
だって、少し足してたんだよ。それをさらに足すなんて……
「まあ、折り曲げてなんとかなるだろう?」
長さはどうにかなるけど、横幅は無理だ。
「は、早めに王都に行って補正をお願いしてみます」
うちの領内で補正してたら、入学式に間に合わないパターンだ。
「あ、ああ。うん。そうだね。気をつけて行くんだよ。君には期待しているからね!男の子でも女の子でも構わないから、経済力のある家の方と仲良くなって来ておくれ」
だったら、余計な事やめてー。
なんて、事があって早めに王都に来た。オンボロの馬車だから、お尻から腰が痛い。
補正のお店に懇願して、前日には出来上がる事も分かってホッとした。
2日前位に入寮するつもりが、思ったより早く入寮する事になった。
まぁ、いっか。
俺は、一般寮の1階の角の部屋だ。殿下達は、2階の貴賓エリアで同じフロアには、一般でも高位の貴族子息が入寮する。
さすがに、殿下達が早く入寮するとは思えない。
入学式のイベント──レグルス殿下と桜に似た花、ライラのピンク色の花びらの散る中で出会う。
殿下は、受けた呪いのせいで苦しそうにライラの木にもたれてて。側近の皆さんが慌ててたっけ。
そこに、俺が声をかける。
その時不思議な力が溢れて、殿下を癒すんだよね。
うん、定番だな。
とりあえず、出会いはこなした方がいいよね?
小説では、そこから殿下がグイグイ来たけど、現実的に子爵家だよ?パートナーになれるとは思えないから。
お近づきになって、社交を頑張ってお知り合いを紹介してもらえたらオッケーかな。
なんとか、子爵家を立て直して行けたら良いな。伯爵家だったら合格。同じ子爵家でも良いんだけどな。
制服、間に合うかな……
それにしても、2階にも誰か荷物運んでるのかな?
ちょっと騒がしいなぁ。
こう言うのは、巻き込まれたら大変だ。身分が低いから手伝わされるかも知れない。
うん。ちょっと、外に出てみよう。
知らなかったんだ。
2階に居たのは、攻略対象の4人だった事を。
しかもその後、1階の談話室で超美形の先生とシリウス様が会ってた事を。
外から戻って来た時、隣の部屋に入寮する男爵子息が挨拶をしにやって来た。
興奮して鼻息荒く、目の保養だったと聞かされた。
嘘──
そのまま寮にいたら、会えたの?
ピンク色の髪をサイドに一つにまとめて、鞄に2つ程の荷物の中身を確認する。
もう、入学許可はもらっているし、制服も届いた。小説の挿絵通りで、気持ちが上がる。
なんか、サイズが気になるけど。
体操服と教科書は学校受け取りだけど、制服は出来上がりのサイズ確認があるから領地に届いた。
同級生に殿下がいる事で、今回の入学生に問題のある者がいないかは、かなり厳しく確認されたみたい。
入学出来て良かった。
グレンジャー子爵領は、王都から外れた小さな領地だ。特出した特産品も無くて、貧しい土地。
領地の事や勉強も頑張ってきたから、子爵様の期待もひしひしと伝わる。
良縁を掴んで来いって、期待が大きい。主人公だけあって、見た目は良いと思う。
ただ、中身が俺なんだよ。
前世ほど運が悪いとは思わないんだけど、妙にタイミングが悪いんだよ。
お茶会の誘いは、終わった後に届くとかさ。
服装の指定があったのに連絡がなかったり。集合場所が違うとか、何で?
主人公チートはあるっぽくて、問題が起きても何とかなったりするから、前よりマシかな。
勉強も、日本時代より簡単で、暗記とかもチートなのか覚えがいい。
でも、これに浮かれてはいけない。怠慢になったら、きっとバチが当たる気がする。
前世よりは、良い人生になったらいいな。
てか、制服さ……サイズおかしいよね?デカい。誰かと間違っているのかな?制服と体操服と教科書は、支給品だからお金はかからない。もちろん、上位のお貴族様は、布地にこだわって特注する場合もあるみたいだけど。
そんな無駄は、出来ない。
「お父様、制服のサイズが合わないのですが……間違いでしょうか?」
ぶかぶかの制服を見せた。
「あー。スピカがね、3年間で大きくなるかなって、思ってだな。採寸後に足したんだよ。ちょっとだけ大きかったかな?はははっ」
ええっ。
「いや、ちょっとじゃないでしょう?」
だって、少し足してたんだよ。それをさらに足すなんて……
「まあ、折り曲げてなんとかなるだろう?」
長さはどうにかなるけど、横幅は無理だ。
「は、早めに王都に行って補正をお願いしてみます」
うちの領内で補正してたら、入学式に間に合わないパターンだ。
「あ、ああ。うん。そうだね。気をつけて行くんだよ。君には期待しているからね!男の子でも女の子でも構わないから、経済力のある家の方と仲良くなって来ておくれ」
だったら、余計な事やめてー。
なんて、事があって早めに王都に来た。オンボロの馬車だから、お尻から腰が痛い。
補正のお店に懇願して、前日には出来上がる事も分かってホッとした。
2日前位に入寮するつもりが、思ったより早く入寮する事になった。
まぁ、いっか。
俺は、一般寮の1階の角の部屋だ。殿下達は、2階の貴賓エリアで同じフロアには、一般でも高位の貴族子息が入寮する。
さすがに、殿下達が早く入寮するとは思えない。
入学式のイベント──レグルス殿下と桜に似た花、ライラのピンク色の花びらの散る中で出会う。
殿下は、受けた呪いのせいで苦しそうにライラの木にもたれてて。側近の皆さんが慌ててたっけ。
そこに、俺が声をかける。
その時不思議な力が溢れて、殿下を癒すんだよね。
うん、定番だな。
とりあえず、出会いはこなした方がいいよね?
小説では、そこから殿下がグイグイ来たけど、現実的に子爵家だよ?パートナーになれるとは思えないから。
お近づきになって、社交を頑張ってお知り合いを紹介してもらえたらオッケーかな。
なんとか、子爵家を立て直して行けたら良いな。伯爵家だったら合格。同じ子爵家でも良いんだけどな。
制服、間に合うかな……
それにしても、2階にも誰か荷物運んでるのかな?
ちょっと騒がしいなぁ。
こう言うのは、巻き込まれたら大変だ。身分が低いから手伝わされるかも知れない。
うん。ちょっと、外に出てみよう。
知らなかったんだ。
2階に居たのは、攻略対象の4人だった事を。
しかもその後、1階の談話室で超美形の先生とシリウス様が会ってた事を。
外から戻って来た時、隣の部屋に入寮する男爵子息が挨拶をしにやって来た。
興奮して鼻息荒く、目の保養だったと聞かされた。
嘘──
そのまま寮にいたら、会えたの?
97
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる