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第9章☆アルとルナ
9卒業
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目まぐるしい日々。やるべき事を必死になって取り組んできた。不安な事もあったけど…
学園での生活も、もう終わってしまう。
──卒業式が始まる。
僕とアルは、フォレスト領地に戻り新しい生活の為の準備をしていく。
婚姻式はグランデ王国で行われるから、その前に陛下やオーウェン殿下に謁見しなければならない。
『かしこまる必要なんてないから、平気平気。顔出して、食事すれば終わり』
いやいや、無理過ぎる。
レグルス様も公式な立場での出席が決まったみたいだ。
式の後約3週間程の滞在後、フォレスト領に戻ってくる。
それから改めて親族とお世話になった人達へお披露目をする。僕がこちらを楽しみにしているのは内緒だ。というか、これだけが良い。
寮室も片付いていて、荷物も少ない。
1人で、雷に怯えて寮室で泣いてたのを助けてくれたのは、レグルス殿下だった。
いつも見守ってくれていたのは、シリウス兄様だった。
苦しい時に抱きしめて落ち着かせてくれたのはアルで、そして僕はその手を取ったんだ。
背中を押してくれたのは、スピカだった。そのスピカもカストル様と婚約した。僕たちより婚姻式は後だけど。
3年間の出来事を思い出しながら、寮室を出る。
代表の挨拶をする殿下達は先に移動していた。
「ルナ様。行きましょう」
ディオから声がかかる。
僕とスピカとディオでライラの樹の前で立ち止まった。
「蕾もまだだね。入学式の頃には満開だろうけど、ちょっと寂しいね」
「大雨で全部散った時もありましたね」
スピカが笑う。
「卒業式の後はパーティだね。スピカ、ダンス上手になったよね」
「本当に。最初は間に合わないと思いました」
苦笑いのディオだ。スピカにもダンスを教えてあげてって言ったんだ。
「お2人が上手過ぎるだけです!」
「さあ、急ぎましょう」
ディオは、あれから柔らかな印象に変わった。もちろん、指導は厳しいけれど。そんなディオを皆が受け入れてくれた。アルからディオが僕の従者兼護衛として正式な誓いを立てた事も聞いた。
アルが政治的な事に巻き込まれないように、オーウェン殿下が頑張って下さっている。
僕は、僕の出来る事でアルを護っていくんだ。
BL小説で男子校とは言え、女性も存在する世界だから、卒業パーティは女性の婚約者を同伴しているカップルもいる。
もちろん、家族を連れて来ている人もいるし、同性同士もいる。
制服では無いので、皆大人っぽくて格好いい。アルと揃えた上下黒の夜会用のスーツ。襟と袖の部分に銀糸で刺繍がされていてカフスはエメラルドだ。僕の服はフリルが付いて少し可愛らしい感じになっていて、カフスはルビーが付いている。
スピカもカストル様と揃えていて、照れている感じが可愛い。自分達で用意し難い生徒の分は既製品を何種類か用意していて全員が参加しやすくなっている。卒業の記念として王国からのプレゼントだ。
レグルス殿下は、王族の正装で出席されていた。その護衛にソレイユ様、シリウス兄様、そして……あれ?ダレン兄様?が騎士服で立っている。
レグルス殿下の挨拶から始まって、その後は立食している人達もいれば、歓談していたり、ダンスフロア方に向かう人達もいる。
アルと2度ほど踊った後に、殿下達の側へ向かう。
学友やその家族の令嬢に囲まれていて、中々側に行けない。
レグルス殿下は、ダンスは丁寧に断っているみたいだった。その様子を見ていたら目が合って……僕達の方へ殿下が来た。
何か言おうとしたレグルス殿下を止めて、
「レグルス殿下──卒業記念にルナとダンスをしてやってくれないか?」アルが、そう言った。
少し驚いたレグルス殿下が、ふって笑って……
「──ルナ。卒業の記念に俺とダンスをしてくれないか?」
手を差し出された。
今流れている曲は、ステップの難しい曲じゃなくて、スローで会話が出来る位のもの。
手を重ねて、フロアに出る。
「ルナ、まさか最後にダンスが出来るとは思わなかったよ。アルファルドに感謝しないといけないな」
優しく笑うレグルス殿下が、本当に小説の王子そのもので、思わず見惚れてしまう。
「ほんと、に……記念にダンスが出来て──幸せです」
殿下にとって僅か3年の自由時間。その間ももちろん、外交で欠席される事も、公務の補佐をされる事もあった。
そんな忙しい殿下と学園で過ごした時間も、幼い時に共に色々な体験をして過ごした時間も、すべて大切な宝物でした。そんな気持ちでいっぱいになる。
「ルナ。幸せになるんだ。ルナが生まれて来てくれて出会えた事、幼馴染として過ごせた事は、一生の宝物だ。友人でいてくれよ?」
同じ気持ちに涙が溢れそうになる。
「殿下も、いつか、きっと──」
出逢えますって、僕が言ったら駄目なんだよね。でも、そう思いたいです。
「1番幸せな時間をもらった。ありがとう、ルナ」
そう言って、アルの所へ連れて行かれる。
その後、貴賓室へ来て欲しいそう言われて、アルと僕、レグルス殿下と護衛のシリウス兄様達。スピカとカストル様が揃って移動する。
その室内に、魔術師団長のギル様とお父様、ロイド兄様、カストル様のお父様で宰相のローランド公爵様もいた。
何事だろう……?
「アルファルド・グランデ殿下。
ブルックス王国からフォレスト辺境伯爵子息ルナに、護衛魔術騎士をつける事が決まった」
「はい。ご配慮ありがたく思っています」
アルがレグルス殿下を見て応える。
「シリウス・フォーマルハウト、忠誠を──」
「な、まさか。レグルス殿下の側近でしょう!」
「嘘、どうして」
アルも僕も驚いて、声が大きくなる。
「1番信用のおける者を選出すると言っただろう?」
「魔術師団長のご子息で、後継でしょう!」
アルが慌てていて。僕も驚いてしまう。
「シリウス兄様、待って」
「ルナ様は我が国の大切な人なのです。それに、フォーマルハウト侯爵家には後継がいます。父上は当分現役なので、問題ありません。私は、いずれ副師団長にはなるかと思いますが補佐程度です。それに姉の子供が育つまでの間……義理弟であるスピカが父上の補佐になるので問題ありません」
そうだった。スピカは、公爵家との婚姻の為にフォーマルハウト家と養子縁組をしたんだ。
「レグルス殿下の従者兼護衛は誰が……」
アルが心配するのは、当たり前だ。
「ダレンが任命されたんですよ。アルファルド殿下、心配は無い。十分にダレンは強いです。シリウスが言ったんです。もしもダレンやロイドが護衛になったら身を挺してルナを護るだろうと。オリビィの様にね。そんな思いをさせられないとね」
お父様……だからって、
「それなら、シリウス兄様だって、失うなんて!」
嫌だ。そんなの嫌だ。
「死なない。お前にそんな思いをさせない。必ず、生き残る」
涙が止まらなくて……苦しくて。
アルが肩を抱いて支えてくれている。
「俺の護衛は、ソレイユとダレンに決まったんだ。心配は要らない。
フォーマルハウト家もローランド家も納得しているんだ。フォレストの森を護り、加護付きのルナを護る。王家として当たり前なんだよ。グランデ国が友好国でも、ルナを護る者として1番信用出来るのは、彼しか考えられなかったんだ」
王国の騎士の格好をした、シリウス兄様が膝をつき忠誠を誓う。
胸がいっぱい過ぎて、声にならなくて。
どうして、僕の為にそこまでしてくれるのか分からなくて。
「やられたな。ある意味監視だな。俺がちゃんとルナを幸せに出来るか──
ルナが窮地に陥った時、1番信頼出来る奴なのは間違いない──そんな状況に絶対させたく無いが、ルナを護るためなら、受けるよ」
そう言って、アルが笑う。
僕の耳元で囁く。
『全く、幼馴染のルナへの思いが重過ぎる』
苦笑いをしている。
「普段通りに話しかけてやって欲しい。シリウスに、ルナ様なんて呼ばれたく無いと思う」
そして、僕の護衛騎士にシリウス兄様が決まり、フォレストに戻る事になったのだ。
学園での生活も、もう終わってしまう。
──卒業式が始まる。
僕とアルは、フォレスト領地に戻り新しい生活の為の準備をしていく。
婚姻式はグランデ王国で行われるから、その前に陛下やオーウェン殿下に謁見しなければならない。
『かしこまる必要なんてないから、平気平気。顔出して、食事すれば終わり』
いやいや、無理過ぎる。
レグルス様も公式な立場での出席が決まったみたいだ。
式の後約3週間程の滞在後、フォレスト領に戻ってくる。
それから改めて親族とお世話になった人達へお披露目をする。僕がこちらを楽しみにしているのは内緒だ。というか、これだけが良い。
寮室も片付いていて、荷物も少ない。
1人で、雷に怯えて寮室で泣いてたのを助けてくれたのは、レグルス殿下だった。
いつも見守ってくれていたのは、シリウス兄様だった。
苦しい時に抱きしめて落ち着かせてくれたのはアルで、そして僕はその手を取ったんだ。
背中を押してくれたのは、スピカだった。そのスピカもカストル様と婚約した。僕たちより婚姻式は後だけど。
3年間の出来事を思い出しながら、寮室を出る。
代表の挨拶をする殿下達は先に移動していた。
「ルナ様。行きましょう」
ディオから声がかかる。
僕とスピカとディオでライラの樹の前で立ち止まった。
「蕾もまだだね。入学式の頃には満開だろうけど、ちょっと寂しいね」
「大雨で全部散った時もありましたね」
スピカが笑う。
「卒業式の後はパーティだね。スピカ、ダンス上手になったよね」
「本当に。最初は間に合わないと思いました」
苦笑いのディオだ。スピカにもダンスを教えてあげてって言ったんだ。
「お2人が上手過ぎるだけです!」
「さあ、急ぎましょう」
ディオは、あれから柔らかな印象に変わった。もちろん、指導は厳しいけれど。そんなディオを皆が受け入れてくれた。アルからディオが僕の従者兼護衛として正式な誓いを立てた事も聞いた。
アルが政治的な事に巻き込まれないように、オーウェン殿下が頑張って下さっている。
僕は、僕の出来る事でアルを護っていくんだ。
BL小説で男子校とは言え、女性も存在する世界だから、卒業パーティは女性の婚約者を同伴しているカップルもいる。
もちろん、家族を連れて来ている人もいるし、同性同士もいる。
制服では無いので、皆大人っぽくて格好いい。アルと揃えた上下黒の夜会用のスーツ。襟と袖の部分に銀糸で刺繍がされていてカフスはエメラルドだ。僕の服はフリルが付いて少し可愛らしい感じになっていて、カフスはルビーが付いている。
スピカもカストル様と揃えていて、照れている感じが可愛い。自分達で用意し難い生徒の分は既製品を何種類か用意していて全員が参加しやすくなっている。卒業の記念として王国からのプレゼントだ。
レグルス殿下は、王族の正装で出席されていた。その護衛にソレイユ様、シリウス兄様、そして……あれ?ダレン兄様?が騎士服で立っている。
レグルス殿下の挨拶から始まって、その後は立食している人達もいれば、歓談していたり、ダンスフロア方に向かう人達もいる。
アルと2度ほど踊った後に、殿下達の側へ向かう。
学友やその家族の令嬢に囲まれていて、中々側に行けない。
レグルス殿下は、ダンスは丁寧に断っているみたいだった。その様子を見ていたら目が合って……僕達の方へ殿下が来た。
何か言おうとしたレグルス殿下を止めて、
「レグルス殿下──卒業記念にルナとダンスをしてやってくれないか?」アルが、そう言った。
少し驚いたレグルス殿下が、ふって笑って……
「──ルナ。卒業の記念に俺とダンスをしてくれないか?」
手を差し出された。
今流れている曲は、ステップの難しい曲じゃなくて、スローで会話が出来る位のもの。
手を重ねて、フロアに出る。
「ルナ、まさか最後にダンスが出来るとは思わなかったよ。アルファルドに感謝しないといけないな」
優しく笑うレグルス殿下が、本当に小説の王子そのもので、思わず見惚れてしまう。
「ほんと、に……記念にダンスが出来て──幸せです」
殿下にとって僅か3年の自由時間。その間ももちろん、外交で欠席される事も、公務の補佐をされる事もあった。
そんな忙しい殿下と学園で過ごした時間も、幼い時に共に色々な体験をして過ごした時間も、すべて大切な宝物でした。そんな気持ちでいっぱいになる。
「ルナ。幸せになるんだ。ルナが生まれて来てくれて出会えた事、幼馴染として過ごせた事は、一生の宝物だ。友人でいてくれよ?」
同じ気持ちに涙が溢れそうになる。
「殿下も、いつか、きっと──」
出逢えますって、僕が言ったら駄目なんだよね。でも、そう思いたいです。
「1番幸せな時間をもらった。ありがとう、ルナ」
そう言って、アルの所へ連れて行かれる。
その後、貴賓室へ来て欲しいそう言われて、アルと僕、レグルス殿下と護衛のシリウス兄様達。スピカとカストル様が揃って移動する。
その室内に、魔術師団長のギル様とお父様、ロイド兄様、カストル様のお父様で宰相のローランド公爵様もいた。
何事だろう……?
「アルファルド・グランデ殿下。
ブルックス王国からフォレスト辺境伯爵子息ルナに、護衛魔術騎士をつける事が決まった」
「はい。ご配慮ありがたく思っています」
アルがレグルス殿下を見て応える。
「シリウス・フォーマルハウト、忠誠を──」
「な、まさか。レグルス殿下の側近でしょう!」
「嘘、どうして」
アルも僕も驚いて、声が大きくなる。
「1番信用のおける者を選出すると言っただろう?」
「魔術師団長のご子息で、後継でしょう!」
アルが慌てていて。僕も驚いてしまう。
「シリウス兄様、待って」
「ルナ様は我が国の大切な人なのです。それに、フォーマルハウト侯爵家には後継がいます。父上は当分現役なので、問題ありません。私は、いずれ副師団長にはなるかと思いますが補佐程度です。それに姉の子供が育つまでの間……義理弟であるスピカが父上の補佐になるので問題ありません」
そうだった。スピカは、公爵家との婚姻の為にフォーマルハウト家と養子縁組をしたんだ。
「レグルス殿下の従者兼護衛は誰が……」
アルが心配するのは、当たり前だ。
「ダレンが任命されたんですよ。アルファルド殿下、心配は無い。十分にダレンは強いです。シリウスが言ったんです。もしもダレンやロイドが護衛になったら身を挺してルナを護るだろうと。オリビィの様にね。そんな思いをさせられないとね」
お父様……だからって、
「それなら、シリウス兄様だって、失うなんて!」
嫌だ。そんなの嫌だ。
「死なない。お前にそんな思いをさせない。必ず、生き残る」
涙が止まらなくて……苦しくて。
アルが肩を抱いて支えてくれている。
「俺の護衛は、ソレイユとダレンに決まったんだ。心配は要らない。
フォーマルハウト家もローランド家も納得しているんだ。フォレストの森を護り、加護付きのルナを護る。王家として当たり前なんだよ。グランデ国が友好国でも、ルナを護る者として1番信用出来るのは、彼しか考えられなかったんだ」
王国の騎士の格好をした、シリウス兄様が膝をつき忠誠を誓う。
胸がいっぱい過ぎて、声にならなくて。
どうして、僕の為にそこまでしてくれるのか分からなくて。
「やられたな。ある意味監視だな。俺がちゃんとルナを幸せに出来るか──
ルナが窮地に陥った時、1番信頼出来る奴なのは間違いない──そんな状況に絶対させたく無いが、ルナを護るためなら、受けるよ」
そう言って、アルが笑う。
僕の耳元で囁く。
『全く、幼馴染のルナへの思いが重過ぎる』
苦笑いをしている。
「普段通りに話しかけてやって欲しい。シリウスに、ルナ様なんて呼ばれたく無いと思う」
そして、僕の護衛騎士にシリウス兄様が決まり、フォレストに戻る事になったのだ。
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