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1.嫌われ悪役令息でした
プロローグ
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ずっと避けていた大嫌いな婚約者に、めずらしく呼び出しを受けた。
今度こそ、婚約の解消をクリス殿下に頼むつもりだったのに。
その場にいたのはライラックだ。ピンクブロンドが似合う美人、と評判の殿下の浮気相手だった。
チッ、と貴族令息とは思えないほどの大きな舌打ちと、睨みつけてくる表情に驚いて思わず固まってしまった。
「バグかよ」
「バグ?」
「あーーーーーーうっざ。リセットボタンどこだよ。悪役令息のお前が消えれば、最初からやり直せるんじゃね? なんか、チョロいって思ってたわりにクリスのガードが硬すぎるし」
「なに意味不明なことを……」
「バーカ。お前は消えろよ」
突然ジェラルドの体にぶつかってきた。
床に血がポタリと落ちていく。
「いっ……た……」
こんな時に従者を置いて来た。脇腹を刺されたと気がついた時、彼はニヤリと笑って一気にナイフを引き抜いた。
「リセットできないなら。ストーリー通りにやるだけ。悪役令息に階段から突き落とされて殺されかける設定より、ナイフの方が正当防衛って言いやすいかなって。ほんと、バグは消えてよ」
駄目だ。出血が一気に増えて、傷口からボタボタと血があふれていく。体を支えられなくて崩れ落ちる。
「バイバイ。次はちゃんと、悪役令息の仕事をしてよ。じゃあね。ジェラルド様」
───悪役令息?
まさか【Love sonare聖なる歌を】の、ジェラルド・ヴィオレット?
色んな映像が再生されていく。
最悪だ。恋人に裏切られ事故に遭った日を思い出した。いつの間にか転生してたんだ。待って、気がついたら、いきなり人生が終わるってなに?
「あ……あ……」
しかも恋愛ゲームの世界で、断罪しかされないジェラルドに転生していた。
(あんまりだ。もっと早く思い出させてくれてたら。婚約する前だったら……さいあく)
ライラックが背を向けて、外へと歩き出そうとした瞬間に……。
ぼよよ~んと、何かが落ちてきた。
「ぷよぷ……? スライム?」
ドラゴンのゲームに出てきそうな青い透明の雫のようなものがいる。かぼちゃ大のそれは、大きく姿を変えてボンッと勢いよく跳ね上がって、ライラックを飲み込んだ。中で大暴れているライラックの体から、しばらくして黒い塊が口から出てきた。
(なにそれ、気持ちわる……)
痛みが緩和されたことに気がついた時、ジェラルドのお腹には、分離していたのか別のスライムがくっついていた。正確に言うとスライムからの二本の手が伸びてきて傷口に触れている。
どんどん人型に変わっていく。
『──加護を』美形の美声を聞いた後、ジェラルドの意識が遠のいていった。
今度こそ、婚約の解消をクリス殿下に頼むつもりだったのに。
その場にいたのはライラックだ。ピンクブロンドが似合う美人、と評判の殿下の浮気相手だった。
チッ、と貴族令息とは思えないほどの大きな舌打ちと、睨みつけてくる表情に驚いて思わず固まってしまった。
「バグかよ」
「バグ?」
「あーーーーーーうっざ。リセットボタンどこだよ。悪役令息のお前が消えれば、最初からやり直せるんじゃね? なんか、チョロいって思ってたわりにクリスのガードが硬すぎるし」
「なに意味不明なことを……」
「バーカ。お前は消えろよ」
突然ジェラルドの体にぶつかってきた。
床に血がポタリと落ちていく。
「いっ……た……」
こんな時に従者を置いて来た。脇腹を刺されたと気がついた時、彼はニヤリと笑って一気にナイフを引き抜いた。
「リセットできないなら。ストーリー通りにやるだけ。悪役令息に階段から突き落とされて殺されかける設定より、ナイフの方が正当防衛って言いやすいかなって。ほんと、バグは消えてよ」
駄目だ。出血が一気に増えて、傷口からボタボタと血があふれていく。体を支えられなくて崩れ落ちる。
「バイバイ。次はちゃんと、悪役令息の仕事をしてよ。じゃあね。ジェラルド様」
───悪役令息?
まさか【Love sonare聖なる歌を】の、ジェラルド・ヴィオレット?
色んな映像が再生されていく。
最悪だ。恋人に裏切られ事故に遭った日を思い出した。いつの間にか転生してたんだ。待って、気がついたら、いきなり人生が終わるってなに?
「あ……あ……」
しかも恋愛ゲームの世界で、断罪しかされないジェラルドに転生していた。
(あんまりだ。もっと早く思い出させてくれてたら。婚約する前だったら……さいあく)
ライラックが背を向けて、外へと歩き出そうとした瞬間に……。
ぼよよ~んと、何かが落ちてきた。
「ぷよぷ……? スライム?」
ドラゴンのゲームに出てきそうな青い透明の雫のようなものがいる。かぼちゃ大のそれは、大きく姿を変えてボンッと勢いよく跳ね上がって、ライラックを飲み込んだ。中で大暴れているライラックの体から、しばらくして黒い塊が口から出てきた。
(なにそれ、気持ちわる……)
痛みが緩和されたことに気がついた時、ジェラルドのお腹には、分離していたのか別のスライムがくっついていた。正確に言うとスライムからの二本の手が伸びてきて傷口に触れている。
どんどん人型に変わっていく。
『──加護を』美形の美声を聞いた後、ジェラルドの意識が遠のいていった。
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