17 / 37
2.ループしました
7
しおりを挟む
寝落ちしてしまったようで、目が覚めるとジェラルドの寝室にいた。きちんと着替えも終わっている、本当にメイナードは優秀な従者だ。
豪華な天蓋付きベッドを見上げた後、目の前で華奢な指を閉じたり開いたり動かしてみる。
今のジェラルドは、生きている。どうしてループしたのだろう?
ループなら、やり直せるかもしれない。
でも前世では、確実に亡くなったのだから母親は寂しい思いをさせたと思う。
もっと、大切にしてあげれば良かった。
男性が好きとか知られたくなくて、ほとんど、帰省もしなくなっていたんだ。
「母さん。一人残して本当にごめんね。今さら後悔しても遅いよね。陽斗とジェラルドの記憶が残ってるから、今度こそやり直しの機会をもらった気がするんだ。断罪されないように、父上を巻き込まないように頑張るね。家族を大切に今度こそするから。母さん、育ててくれて感謝してる。これからは……幸せになってね」
確かに陽斗の最後の日に、誰かの声を聞いた。
あれが、運命の女神ノルンかな? 姉妹神の気まぐれなんて確かめようがないけど。このループが最後ならいい。
前世は既婚者に騙されて、望まない不倫相手になっていた愚かな人生だった。
転生したらしたで、浮気ばかりされる悪役令息になってた。
前世の記憶なく転生したのは、BLゲームの世界の『らぶそな』の中で断罪される悪役令息だ。断罪される前に、主人公であるライラックに刺されて終わった。
ゲームの世界では悪役なんだから、悪役は嫌われてても、仕方がないと思っていたけれど。実際のジェラルドは、真面目で侯爵家でも横暴なところなんかなかったのに。
ゲームの世界とは、似ていても違うのは、きっと陽斗の転生だ。
そもそも悪役は、断罪される設定だから、どう扱ってもいい存在に作られているんだ。主人公と推しカプが、幸せになるように進めるだけだから。
だけど女神のいう手違いが、何のことかわからず考えている。
殿下と初めて対面した時、顔を真っ赤にして可愛くないとか、笑顔が気持ち悪いって言うから散々だった。
この世界に生きてるジェラルドになったけど、本当にクリス殿下に関わりたくないのだ。だから、避けてしまうこの状況を手違いと言われても困る。
好きでもなんでもないから、婚約解消してもらいたかった。堂々と男同士婚姻できる世界なのに、浮気確定、愛人をごろごろ作りそうな相手なんて……願い下げ……?
「僕が転生したから……記憶がなくても、浮気の体験を覚えているせいかも。
だから殿下を避けてしまうとか。最初は、記憶のある転生だったんじゃないのかな……何かがあって忘れてるから?」
本当は陽斗がジェラルドになって、悪役令息の救済の転生だったんじゃ……?
最初は、ジェラルドとして悪役を全うさせて、断罪ルートで罰を与えようとした。そう思っていた。
この考え方が違うのなら、悪役令息の救済なら、生き残れる可能性がある。
「手違い……が、そういう意味ならいいけど。わからないや……」
ジェラルドはゲームの強制力から離れようとしてた。でもバグって言われてしまった。次にライラックに学園で、再会した時はどうなるんだろう?
あれがイレギュラーだったのならいいけど、また中身があれだったらやばい。
考えても、答えなんかすぐに出ない。クリス殿下や攻略対象たちは、悪役令息の敵なのは間違いない。主人公のライラックの中身が、また同一の転生者なら、やばそうだし……専属従者を見極めて選んで、ぴったり貼りついててもらうのは絶対だ。また死ぬなんて嫌だ。
後は入学までに、魔法と精霊の加護について調べよう。生きて学園を卒業するんだ。誰かに恋して騙されるくらいなら、勉強を優先して、立派にヴィオレット侯爵家を支えるんだ。卒業後は領地に引きこもるのがいい。
手違い……が、幸せになるやり直しだと信じたい。
それがきっと、ジェラルドの生き残る道に繋がるから。
豪華な天蓋付きベッドを見上げた後、目の前で華奢な指を閉じたり開いたり動かしてみる。
今のジェラルドは、生きている。どうしてループしたのだろう?
ループなら、やり直せるかもしれない。
でも前世では、確実に亡くなったのだから母親は寂しい思いをさせたと思う。
もっと、大切にしてあげれば良かった。
男性が好きとか知られたくなくて、ほとんど、帰省もしなくなっていたんだ。
「母さん。一人残して本当にごめんね。今さら後悔しても遅いよね。陽斗とジェラルドの記憶が残ってるから、今度こそやり直しの機会をもらった気がするんだ。断罪されないように、父上を巻き込まないように頑張るね。家族を大切に今度こそするから。母さん、育ててくれて感謝してる。これからは……幸せになってね」
確かに陽斗の最後の日に、誰かの声を聞いた。
あれが、運命の女神ノルンかな? 姉妹神の気まぐれなんて確かめようがないけど。このループが最後ならいい。
前世は既婚者に騙されて、望まない不倫相手になっていた愚かな人生だった。
転生したらしたで、浮気ばかりされる悪役令息になってた。
前世の記憶なく転生したのは、BLゲームの世界の『らぶそな』の中で断罪される悪役令息だ。断罪される前に、主人公であるライラックに刺されて終わった。
ゲームの世界では悪役なんだから、悪役は嫌われてても、仕方がないと思っていたけれど。実際のジェラルドは、真面目で侯爵家でも横暴なところなんかなかったのに。
ゲームの世界とは、似ていても違うのは、きっと陽斗の転生だ。
そもそも悪役は、断罪される設定だから、どう扱ってもいい存在に作られているんだ。主人公と推しカプが、幸せになるように進めるだけだから。
だけど女神のいう手違いが、何のことかわからず考えている。
殿下と初めて対面した時、顔を真っ赤にして可愛くないとか、笑顔が気持ち悪いって言うから散々だった。
この世界に生きてるジェラルドになったけど、本当にクリス殿下に関わりたくないのだ。だから、避けてしまうこの状況を手違いと言われても困る。
好きでもなんでもないから、婚約解消してもらいたかった。堂々と男同士婚姻できる世界なのに、浮気確定、愛人をごろごろ作りそうな相手なんて……願い下げ……?
「僕が転生したから……記憶がなくても、浮気の体験を覚えているせいかも。
だから殿下を避けてしまうとか。最初は、記憶のある転生だったんじゃないのかな……何かがあって忘れてるから?」
本当は陽斗がジェラルドになって、悪役令息の救済の転生だったんじゃ……?
最初は、ジェラルドとして悪役を全うさせて、断罪ルートで罰を与えようとした。そう思っていた。
この考え方が違うのなら、悪役令息の救済なら、生き残れる可能性がある。
「手違い……が、そういう意味ならいいけど。わからないや……」
ジェラルドはゲームの強制力から離れようとしてた。でもバグって言われてしまった。次にライラックに学園で、再会した時はどうなるんだろう?
あれがイレギュラーだったのならいいけど、また中身があれだったらやばい。
考えても、答えなんかすぐに出ない。クリス殿下や攻略対象たちは、悪役令息の敵なのは間違いない。主人公のライラックの中身が、また同一の転生者なら、やばそうだし……専属従者を見極めて選んで、ぴったり貼りついててもらうのは絶対だ。また死ぬなんて嫌だ。
後は入学までに、魔法と精霊の加護について調べよう。生きて学園を卒業するんだ。誰かに恋して騙されるくらいなら、勉強を優先して、立派にヴィオレット侯爵家を支えるんだ。卒業後は領地に引きこもるのがいい。
手違い……が、幸せになるやり直しだと信じたい。
それがきっと、ジェラルドの生き残る道に繋がるから。
139
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。
これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。
無自覚両片想いの勇者×親友。
読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。
月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」
幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。
「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」
何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。
「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」
そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。
僕、殿下に嫌われちゃったの?
実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。
イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺
スノウマン(ユッキー)
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。
大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
聖女を演じた巻き添え兄は、王弟殿下の求愛から逃げられない
深嶋(深嶋つづみ)
BL
谷口理恩は一年ほど前、妹と一緒に異世界に転移してしまった。
聖女として魔術の才を開花させた妹・世奈のおかげもあって、二人はアルゼノール王国の大教会に保護され、不自由のない暮らしを送ることができている。が、最近は世奈の奔放さに理恩は頭を抱えることもあった。
ある日、世奈の仕事を肩代わりした理恩は、病に臥せっている幼い第二王子・イヴァン王子のもとに参じることに。
――「僕が大人になったら、僕の妃になってくれませんか」。
何度も謁見を重ねるうちに理恩に懐いた彼は、目の前の聖女が偽者であることに気付かぬまま、やがて理恩に求愛する。
理恩は驚き、後ろめたい気持ちを抱きながらも、「大人になっても同じ気持ちでいてくれたなら」と約束を交わした。
その直後、何者かの陰謀に陥れられた世奈の巻き添えとなり、理恩は辺境の地へと飛ばされてしまい……。
――数年後、アルゼノール王国を出て世界中を巡っていた理恩は、とある国で偶然、王弟・イヴァンと再会する。
傷心の旅をしているのだという彼は、どういうわけか理恩との交流を持ちたがって――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる