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3.婚約者……?
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駄目だ。
思ったより、ジェラルドの心の傷が深かった。
突然傍に来た父上が、ジェラルドを思いっきり抱きしめてきた。
「──悪かった。侯爵家への僻み程度だと、簡単に考えていた。ルドがどれだけ辛い思いをしていたのか……気がつかなくてすまなかった」
長生きしたいし、幸せになりたい。メイナードは攻略キャラではないから、ジェラルドにひどいことはしないだろう。
背中を押されて、水の中に沈んだ。
確かに、誰かが水面から手を伸ばしてくれた。あれがメイナードだったのだろうか?
でも、沈む速度が遅くなったのは、そうだ水のあの子だ。包むように押し上げてくれたんだ。
それから、口に息を吹き込んでくれた誰かが……いた。
「メイナード。お前はいいのか? 婚約を解消前提など、許されないだろう?」
その一言で、メイナードの立場を考えた。そうだ、貴族の落胤の可能性があったんだ。
言えない何か、罰を受ける可能性があるとメイナード言っていたのに。
婚約者の振りで学園に行きませんか? という言葉を利用しようとしてしまった。
「ごめん。メイナードは、きっと貴族の子だよね? あ、言わなくていいから! そうだよ。やっぱり偽装は別の人に頼む。メイナードに瑕疵がついたら良くない。もっと下位の貴族に……お金の困っているような……って最低」
父上の腕の中、浅はかで愚かな考えに涙が落ちていく。こんなの悪役そのものだ。だから嫌われるのだ。
やっぱりジェラルドは、悪役になるしかないのかな。
「解消しなければ、いいと思います」
「メイナード……それは、さすがにだめだろ」
「いいえ。認められるように、ジェラルド様を護ります」
父上とメイナードの二人だけで話が進んでいく。
「待って、僕は嫌われてて……メイナードにとって、仮だけど最悪の婚約者だよ? その、メイナードの家族とかに認められるとは思えない。自分がクリス殿下を避けたいからって都合よく利用するような……こんなに性格も悪くて、きっと迷惑を」
「何言ってるんですか? 俺は、ジェラルド様がいなかったら、すでに精霊王に処分されている身です」
「でも、覚えてないのに」
「俺が、ちゃんと覚えています。この瞳の色である限り、これは俺がしてきたことの戒めなんです。あの時の恩を返させてください」
「メイ……」
「二人とも、ああもう。落ち着いて」
「父上」
頭を抱える様にして、しばらく父上が考えている。
やっぱり、こんな身勝手は許されないはずだ。
従者として、傍にいてくれるだけでいいはずだ。
「メイ、やっぱり……」
「メイナード、調整する。お前にも不利にはしない。それでも婚約者候補までだ。まだ何年も先だよ。ジェラルドだって、これから出会う可能性を捨てたら駄目だ。王家には、それこそ……精霊召喚士からの言伝で、精霊王の提案ということにするか。メイナードの成長次第だが、有力候補ってことで。どうせ、王家なんて精霊王に会うことなんてできないからね」
父上のクツクツと笑っている姿が、冷淡でとても印象的だった。
悪い顔……じゃなくて、麗しい顔が、魔王のようにも見えた。
だから、この冷たい顔は遺伝だ。
──大人になったら、上手く使い分けできたりするのかな?
チラリと、メイナードを見たら、意外にも、微笑みを返された。
(だから、鎮まれ心臓!)
なんだかんだ、この世界は美形が多すぎるのが悪い。表情筋が死んでたのに、これだから美形は困る。
ジェラルドは、同じ世代の令息に優しくされたことがないから、簡単に期待をしてしまう。
メイナードの大切な人に誤解させないようにしよう。
あくまでも、学園内だけだと伝えてもらうしかない。
浮気相手になんてなりたくないのだから。
思ったより、ジェラルドの心の傷が深かった。
突然傍に来た父上が、ジェラルドを思いっきり抱きしめてきた。
「──悪かった。侯爵家への僻み程度だと、簡単に考えていた。ルドがどれだけ辛い思いをしていたのか……気がつかなくてすまなかった」
長生きしたいし、幸せになりたい。メイナードは攻略キャラではないから、ジェラルドにひどいことはしないだろう。
背中を押されて、水の中に沈んだ。
確かに、誰かが水面から手を伸ばしてくれた。あれがメイナードだったのだろうか?
でも、沈む速度が遅くなったのは、そうだ水のあの子だ。包むように押し上げてくれたんだ。
それから、口に息を吹き込んでくれた誰かが……いた。
「メイナード。お前はいいのか? 婚約を解消前提など、許されないだろう?」
その一言で、メイナードの立場を考えた。そうだ、貴族の落胤の可能性があったんだ。
言えない何か、罰を受ける可能性があるとメイナード言っていたのに。
婚約者の振りで学園に行きませんか? という言葉を利用しようとしてしまった。
「ごめん。メイナードは、きっと貴族の子だよね? あ、言わなくていいから! そうだよ。やっぱり偽装は別の人に頼む。メイナードに瑕疵がついたら良くない。もっと下位の貴族に……お金の困っているような……って最低」
父上の腕の中、浅はかで愚かな考えに涙が落ちていく。こんなの悪役そのものだ。だから嫌われるのだ。
やっぱりジェラルドは、悪役になるしかないのかな。
「解消しなければ、いいと思います」
「メイナード……それは、さすがにだめだろ」
「いいえ。認められるように、ジェラルド様を護ります」
父上とメイナードの二人だけで話が進んでいく。
「待って、僕は嫌われてて……メイナードにとって、仮だけど最悪の婚約者だよ? その、メイナードの家族とかに認められるとは思えない。自分がクリス殿下を避けたいからって都合よく利用するような……こんなに性格も悪くて、きっと迷惑を」
「何言ってるんですか? 俺は、ジェラルド様がいなかったら、すでに精霊王に処分されている身です」
「でも、覚えてないのに」
「俺が、ちゃんと覚えています。この瞳の色である限り、これは俺がしてきたことの戒めなんです。あの時の恩を返させてください」
「メイ……」
「二人とも、ああもう。落ち着いて」
「父上」
頭を抱える様にして、しばらく父上が考えている。
やっぱり、こんな身勝手は許されないはずだ。
従者として、傍にいてくれるだけでいいはずだ。
「メイ、やっぱり……」
「メイナード、調整する。お前にも不利にはしない。それでも婚約者候補までだ。まだ何年も先だよ。ジェラルドだって、これから出会う可能性を捨てたら駄目だ。王家には、それこそ……精霊召喚士からの言伝で、精霊王の提案ということにするか。メイナードの成長次第だが、有力候補ってことで。どうせ、王家なんて精霊王に会うことなんてできないからね」
父上のクツクツと笑っている姿が、冷淡でとても印象的だった。
悪い顔……じゃなくて、麗しい顔が、魔王のようにも見えた。
だから、この冷たい顔は遺伝だ。
──大人になったら、上手く使い分けできたりするのかな?
チラリと、メイナードを見たら、意外にも、微笑みを返された。
(だから、鎮まれ心臓!)
なんだかんだ、この世界は美形が多すぎるのが悪い。表情筋が死んでたのに、これだから美形は困る。
ジェラルドは、同じ世代の令息に優しくされたことがないから、簡単に期待をしてしまう。
メイナードの大切な人に誤解させないようにしよう。
あくまでも、学園内だけだと伝えてもらうしかない。
浮気相手になんてなりたくないのだから。
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