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3.婚約者……?
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サロンより侯爵家自慢の庭園で、クリス殿下たちを迎えることになった。
母上の愛したガーデンだ。
ずっと、父上が庭師と共に守ってきた場所。白薔薇と青薔薇が美しい。
ジェラルドにとっても、大切な思い出の場所だった。
ほんの少しだけの母上の記憶がある。優しく頭を撫でてくれたことを覚えている。薔薇を受け取って、最後に笑ってくれたのだ。
あんな風に優しく笑えたら、悪役にならなかったかも知れない。
今日のジェラルドの服装と、メイナードの服装は、対になるようなデザインだ。
ジェラルドの方が少し可愛らしいような気がしなくもない。ジャケットの後ろが長めで後ろから見たらワンピースのように広がっている。
リボンタイにはルビーの飾りがある。
メイナードのクラバットにはブルーサファイアだ。
婚約者候補なのに、牽制するためにここまでしていいのかな?
お互いの瞳の色なのだけど、メイナードにとって、この色はどうなんだろう?
「メイ、紅い色……嫌いなんじゃない? 大丈夫?」
ジェラルドとしては、ルビー色でとても美しいと思っている。
「戒めの色にはなりますが。そもそも元の色と違いすぎて。戸惑ってしまうだけです。ただジェラルド様は、この色を気に入ってくれているので。そう思えば悪い色でもない気がしています」
「う、ん。ルビーみたいで好き」
「なら、俺も好きです」
ルビー色が好きってことだよね。誤解する。本当にこの世界の美形は、顔面偏差値が高すぎる。
「メイは、サファイア色も似合うね」
「ジェリの瞳の色だから、似合うなら良かった」
「ありがと。でも、ジェリ……って呼ばれるの恥ずかしいから」
「ほんと、すぐ赤くなる。可愛い」
(ぐぬう。仮の婚約者候補が、やる気満々すぎなんだけど)
「王家の馬車が門を通過したみたい。メイ、殿下たちを出迎えに行こう」
「ジェリ。手を」
メイナードにエスコートされて、そしてエントランスへ向かう。
すでにヴィオレット侯爵は、万全のスタイルで家令と共に立っていた。
迫力のある雰囲気に、気圧されそうになる。ジェラルドに気がついてふわりと笑った。
味方だと言ってくれているみたいだ。次の瞬間、メイナードを見て眉間に皺を寄せた。
家令が、コホンと咳をして手を上げると、扉が開いた。
豪華な馬車が停まっていた。
従者が馬車の方で対応している。中からクリス・スペードニア 第二王子殿下と、サイラス・ダイヤリス 伯爵令息が降りてきた。
胸が痛い。罵られてきた言葉が、脳内でリピートされて、思わず体がビクッと反応した。
それに気がついてくれたようで、メイナードが手を優しく握ってくれた。
思わず見上げると、さらに優しく微笑まれた。
(侯爵家には、今味方しかいないから大丈夫)
父上の後ろについて、殿下の方へと向かった。
「クリス殿下。わざわざ侯爵家まで来ていただく日が、来るとは思いませんでした。侯爵家一同、歓迎いたします」
父上が、にこやかに毒を吐く。
クリス殿下も、(胡散臭い)笑顔で対応している。
大きな花束を、同行してきたサイラスが抱えている。王宮に咲く青のグラデーションの薔薇。ロイヤルローズだ。侯爵家の青薔薇は、一色の濃さが統一された青だ。
ロイヤルローズは、もう一色ピンクのグラデーションの薔薇がある。
どちらも王宮から持ち出すことは、できないはずだけど。なぜここに持ってきたのだろう?
ゲーム内で、ピンクブロンドのライラック・ハートレン男爵令息に、ピンクの薔薇をプレゼントしてた気がする。
金髪碧眼のクリス殿下が、その薔薇を受け取ってジェラルドの方にきた。
「──ジェラルド。話がある」
差し出された薔薇を、受けとったのは……。
父上だった。
母上の愛したガーデンだ。
ずっと、父上が庭師と共に守ってきた場所。白薔薇と青薔薇が美しい。
ジェラルドにとっても、大切な思い出の場所だった。
ほんの少しだけの母上の記憶がある。優しく頭を撫でてくれたことを覚えている。薔薇を受け取って、最後に笑ってくれたのだ。
あんな風に優しく笑えたら、悪役にならなかったかも知れない。
今日のジェラルドの服装と、メイナードの服装は、対になるようなデザインだ。
ジェラルドの方が少し可愛らしいような気がしなくもない。ジャケットの後ろが長めで後ろから見たらワンピースのように広がっている。
リボンタイにはルビーの飾りがある。
メイナードのクラバットにはブルーサファイアだ。
婚約者候補なのに、牽制するためにここまでしていいのかな?
お互いの瞳の色なのだけど、メイナードにとって、この色はどうなんだろう?
「メイ、紅い色……嫌いなんじゃない? 大丈夫?」
ジェラルドとしては、ルビー色でとても美しいと思っている。
「戒めの色にはなりますが。そもそも元の色と違いすぎて。戸惑ってしまうだけです。ただジェラルド様は、この色を気に入ってくれているので。そう思えば悪い色でもない気がしています」
「う、ん。ルビーみたいで好き」
「なら、俺も好きです」
ルビー色が好きってことだよね。誤解する。本当にこの世界の美形は、顔面偏差値が高すぎる。
「メイは、サファイア色も似合うね」
「ジェリの瞳の色だから、似合うなら良かった」
「ありがと。でも、ジェリ……って呼ばれるの恥ずかしいから」
「ほんと、すぐ赤くなる。可愛い」
(ぐぬう。仮の婚約者候補が、やる気満々すぎなんだけど)
「王家の馬車が門を通過したみたい。メイ、殿下たちを出迎えに行こう」
「ジェリ。手を」
メイナードにエスコートされて、そしてエントランスへ向かう。
すでにヴィオレット侯爵は、万全のスタイルで家令と共に立っていた。
迫力のある雰囲気に、気圧されそうになる。ジェラルドに気がついてふわりと笑った。
味方だと言ってくれているみたいだ。次の瞬間、メイナードを見て眉間に皺を寄せた。
家令が、コホンと咳をして手を上げると、扉が開いた。
豪華な馬車が停まっていた。
従者が馬車の方で対応している。中からクリス・スペードニア 第二王子殿下と、サイラス・ダイヤリス 伯爵令息が降りてきた。
胸が痛い。罵られてきた言葉が、脳内でリピートされて、思わず体がビクッと反応した。
それに気がついてくれたようで、メイナードが手を優しく握ってくれた。
思わず見上げると、さらに優しく微笑まれた。
(侯爵家には、今味方しかいないから大丈夫)
父上の後ろについて、殿下の方へと向かった。
「クリス殿下。わざわざ侯爵家まで来ていただく日が、来るとは思いませんでした。侯爵家一同、歓迎いたします」
父上が、にこやかに毒を吐く。
クリス殿下も、(胡散臭い)笑顔で対応している。
大きな花束を、同行してきたサイラスが抱えている。王宮に咲く青のグラデーションの薔薇。ロイヤルローズだ。侯爵家の青薔薇は、一色の濃さが統一された青だ。
ロイヤルローズは、もう一色ピンクのグラデーションの薔薇がある。
どちらも王宮から持ち出すことは、できないはずだけど。なぜここに持ってきたのだろう?
ゲーム内で、ピンクブロンドのライラック・ハートレン男爵令息に、ピンクの薔薇をプレゼントしてた気がする。
金髪碧眼のクリス殿下が、その薔薇を受け取ってジェラルドの方にきた。
「──ジェラルド。話がある」
差し出された薔薇を、受けとったのは……。
父上だった。
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