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4.学園生活・春
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シリウス・ジョーカーズ先生が、精霊召喚士。
「そ、それなら……水の精霊とか……呼べるのかな?」
「目立つことは、されないと思いますよ」
「そっか」
「サークルの話を、聞きに行きますか? 」
「そうだね。でもバレないかな……、僕は評判悪いから、何か変なことしてるって噂になったら。先生に迷惑がかかるかも」
「たまには、大人を頼りませんか? 俺も上手く立ち回りますから。それに、もうひとつ……恒例の春のイベントがあるから、誤魔化せると思います」
「あーあれか……」
どんよりとしてしまう。
そっか、使い魔の卵だ。精霊召喚とは別で、学園の学生が行う召喚の儀式だ。
魔法を持ったペットと言ったら、わかりやすいと思う。
今思えば、ゲームのイベントだったんだ。ストーリー通りなら、ジェラルドが召喚した卵から、禍々しいモノが生まれてしまう。
それをライラックが、浄化して注目を浴びるんだ。
でも実際は、ちょっと違った。
(もしかして、悪役令息が仕事してないって、これも?)
この儀式は新入生が、順番に使い魔の卵を召喚する。
それぞれの卵は、大きさは同じだが色が違った。卵用のケースを渡されてベルトに固定する。
ライラックの卵は、ピンクの可愛らしい卵だった。
それを生徒の持つ魔力で、温めて育てる。早ければひと月、遅くてもふた月ほどで雛がかえる。
卵の大きさと、中身の大きさは同じじゃない。
魔力の質と相性により、小鳥から狼など多種多様だった。実在する生き物の姿の場合と、架空の姿の場合があるし、みな能力が違っていた。
だから、どうしても比べられてしまう。
ジェラルド以外の、Aクラスの生徒はレベルの高い使い魔だったと思う。
持ち主の属性魔法に染まり、上手く育てたら、守護的な存在にもなる。そして卒業の時に契約は解除される。
だけど……ループ前のジェラルドの卵は、召喚と同時に割れて消えた。
禍々しいモノが生まれるよりは、よかったのかもしれない。
それでも、一人だけ上手くできずに苦しい思いをしたんだ。
バグなのか、強制力があったのか……検討もつかないけど。
「やなこと……思いだした」
「今度は、上手くいきますよ。今のジェラルド様の魔力、とてもきれいですから」
「──ほんとに?」
「それに、あの時のバグ……? 不具合でしたっけ? 何かの力で邪魔をされていた気がします。今回は自信もって。魔力だけではなく、歌を聞かせて育ててあげてください」
「歌? メイがそう言ってくれるなら、やってみるね」
最近メイナードが、よく笑いかけてくれるから、本当に救われてる。
ジェラルドにも、味方がいるのだと言われてる気がする。
教室の前で、メイナードから荷物を受け取った。
サークルのことは、先生に相談して、卵の召喚は……今度こそ、育ててあげたい。
「水の精霊にも、届くような歌を聞かせたいな」
「その意気です。ジェラルド様。彼らが来ます。辛い時は、体調が悪いって出てきてもいいですからね」
「メイ……過保護すぎ。必要最低限しか話さないから。話しかけられるとも思えないけどね。それに授業に集中したら平気だと思う。でも、待っててね」
「はい」
優しく、頭をなでられて安心してしまう。敵ばかりの中で、きっと先生とメイナードは味方だ。
「行ってくる」
教室に入り、後の席へと進む。
どうして、この席に押し込まれたのかな?
もしかしたら、殿下はライラックを守るために、ジェラルドの監視をしたいのかもしれない。
(害がないってわかるように。大人しくしてよう)
ただ黙って、気にせずに授業に集中したらいいんだ。
「ジェラルド」
名前を呼ばれるとは思っていなかった。恐る恐る振り返ってみると、少しだけ不機嫌そうな殿下が、後ろに立っていた。
「そ、それなら……水の精霊とか……呼べるのかな?」
「目立つことは、されないと思いますよ」
「そっか」
「サークルの話を、聞きに行きますか? 」
「そうだね。でもバレないかな……、僕は評判悪いから、何か変なことしてるって噂になったら。先生に迷惑がかかるかも」
「たまには、大人を頼りませんか? 俺も上手く立ち回りますから。それに、もうひとつ……恒例の春のイベントがあるから、誤魔化せると思います」
「あーあれか……」
どんよりとしてしまう。
そっか、使い魔の卵だ。精霊召喚とは別で、学園の学生が行う召喚の儀式だ。
魔法を持ったペットと言ったら、わかりやすいと思う。
今思えば、ゲームのイベントだったんだ。ストーリー通りなら、ジェラルドが召喚した卵から、禍々しいモノが生まれてしまう。
それをライラックが、浄化して注目を浴びるんだ。
でも実際は、ちょっと違った。
(もしかして、悪役令息が仕事してないって、これも?)
この儀式は新入生が、順番に使い魔の卵を召喚する。
それぞれの卵は、大きさは同じだが色が違った。卵用のケースを渡されてベルトに固定する。
ライラックの卵は、ピンクの可愛らしい卵だった。
それを生徒の持つ魔力で、温めて育てる。早ければひと月、遅くてもふた月ほどで雛がかえる。
卵の大きさと、中身の大きさは同じじゃない。
魔力の質と相性により、小鳥から狼など多種多様だった。実在する生き物の姿の場合と、架空の姿の場合があるし、みな能力が違っていた。
だから、どうしても比べられてしまう。
ジェラルド以外の、Aクラスの生徒はレベルの高い使い魔だったと思う。
持ち主の属性魔法に染まり、上手く育てたら、守護的な存在にもなる。そして卒業の時に契約は解除される。
だけど……ループ前のジェラルドの卵は、召喚と同時に割れて消えた。
禍々しいモノが生まれるよりは、よかったのかもしれない。
それでも、一人だけ上手くできずに苦しい思いをしたんだ。
バグなのか、強制力があったのか……検討もつかないけど。
「やなこと……思いだした」
「今度は、上手くいきますよ。今のジェラルド様の魔力、とてもきれいですから」
「──ほんとに?」
「それに、あの時のバグ……? 不具合でしたっけ? 何かの力で邪魔をされていた気がします。今回は自信もって。魔力だけではなく、歌を聞かせて育ててあげてください」
「歌? メイがそう言ってくれるなら、やってみるね」
最近メイナードが、よく笑いかけてくれるから、本当に救われてる。
ジェラルドにも、味方がいるのだと言われてる気がする。
教室の前で、メイナードから荷物を受け取った。
サークルのことは、先生に相談して、卵の召喚は……今度こそ、育ててあげたい。
「水の精霊にも、届くような歌を聞かせたいな」
「その意気です。ジェラルド様。彼らが来ます。辛い時は、体調が悪いって出てきてもいいですからね」
「メイ……過保護すぎ。必要最低限しか話さないから。話しかけられるとも思えないけどね。それに授業に集中したら平気だと思う。でも、待っててね」
「はい」
優しく、頭をなでられて安心してしまう。敵ばかりの中で、きっと先生とメイナードは味方だ。
「行ってくる」
教室に入り、後の席へと進む。
どうして、この席に押し込まれたのかな?
もしかしたら、殿下はライラックを守るために、ジェラルドの監視をしたいのかもしれない。
(害がないってわかるように。大人しくしてよう)
ただ黙って、気にせずに授業に集中したらいいんだ。
「ジェラルド」
名前を呼ばれるとは思っていなかった。恐る恐る振り返ってみると、少しだけ不機嫌そうな殿下が、後ろに立っていた。
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